私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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エミリーの縁談⑤

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「エミリーに縁談!?」
母親は父親から言われエミリーに縁談の話しがあったと聞いて驚いていた。
「…侯爵の叔母…アデライド侯爵から話しがあった…隣国の商人で結婚している…」
「え!?結婚しています男性にエミリーの縁談を?」
「妻と子供が三人いるそうだ…それに妻の他に後妻が五人いてエミリーを六人目に迎えたいと……」
「そ…そんな所へエミリーを嫁がせるわけにはいかないわ!勿論断ったでしょう?お父さん」
母親は険しい顔を父親に向け確認していた。
「…最初は断った…だが、今までエミリーが侯爵に買わせていた全ての品をアデライド侯爵が全額支払いをしてくれると聞き心が揺らいだ…もし、婚姻を引き受けるならコルベール家の支払いもしてくれるそうだ…」
「お父さん…」
父親は、両手を握りしめ悩む姿が母親はわかっていた…教師としての職を失ったルモア家の今の生活は厳しかった。
「…温厚な貴族の男性だと聞いた…披露宴で侯爵と一緒にいる姿を見てアデライド侯爵に話しがあった…」
「でも…エミリーは、一度子を宿しているのです…その事を知らないのではないの?」
「…エミリーの噂は知っているだろう…何もかも知ってエミリーに縁談を勧めるようにと話しをしたのだろう…」
「……」
「…返事はまだしていない…この先、エミリーに良い縁談が来ればいいのだが…結婚もせず独身のまま過ごすのもいいが…苦労を知らないエミリーにはこの先どうなるのか…私達もいつまで一緒にいる事ができるのかわからない…先の事を考えると縁談の話しを受けるべきなのか……」
父親は悩みため息を吐いていた。
「……ア…アレックさんは?…エミリーは、まだアレックさんの事を想っているの…彼とまた一緒に……」
「やめないか!侯爵はソフィアの夫だ、また揉め事を起こすつもりなのか!?それに侯爵は、爵位を外され平民の話しが出ているんだ」
「えっ…それはどういう事なの?」
「…今日…パルリス家の会議で侯爵はパルリス家の人間では無くなったんだ…侯爵は、爵位を外され平民へとなった…」
「!?ど…どうして…」
母親は驚き言葉が出なかった。
「叔母のアデライド侯爵を怒らせてしまった…それが、侯爵への罰となり爵位を剥奪されたんだ…」
「何故…アレックさんは甥になるんでしょう…酷いわ…」
「……そうだな…だが、アデライド侯爵も心を傷め覚悟を決めた答えだと私は思う…彼女は、ソフィアを家族のように思っていてくれた。だが、侯爵とエミリーがソフィアの人生を奪ってしまった…エミリーに縁談を勧めたのも侯爵が爵位を剥奪して平民へとなるのもソフィアの為なんだと…家族の私達よりも彼女はソフィアを思ってくれていたのだと…」
父親は目頭が熱くなるのを指で押さえ、母親はアレックが平民になる話しを聞き肩を落とし…二人は、エミリーの縁談の話しを悩み続けた。




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