私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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最愛な人③

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「……お義父さんとお義母さんが…亡くなった…!?」
アレックは、驚き信じられなかった。
ソフィアと離婚をしても二人の事をまだ父と母と呼んでいた。
「…エミリーさんが嫁いだ、隣国へ行く途中に馬車の事故に合いご両親は亡くなったと知らせがあったの…」
「……エミリーの嫁ぎ先で……」
アレックは腕を握り締めた…妻のソフィアを死なせてしまい、ソフィアの父親の怒りを体に受けまだ薄く青く痣が残る足や腕を見てアレックは、自分が働いたお金で何年、何十年かけても償う事を考えていた。平民となってからは、両親に会う事はなかった。
「…お墓は、ソフィアさんの側に眠っていると思うわ…ご両親にも貴方がお参りしてあげて…」
「……はい…」
アレックは声を殺し涙を流した。
「…エミリーは…知っているのでしょうか…」
アレックは、エミリーが気になっていた…一度に二人とも亡くなったと遠い国にいるエミリーは知っているのかと…
「…ご両親の事はエミリーさんも知っていると思うわ…貴方が心配しなくてもエミリーさんには支えてくれる人がいるわ」
「……」
「まだ、エミリーさんの事を想っているの?」
「え!?」
アレックは、突然カロリーナ夫人の問いかけに戸惑った。
「…いえ、今は何も…あの頃の私は愚か者だったと…」
「…そう、それを聞いて安心したわ…でも貴方のソフィアさんへの償いは終わらないでしょうね」
「……」
カロリーナ夫人は、アレックに話し終えると屋敷へと戻って行った。
皆が寝静まった頃、アレックは外に出ると手に持っていた白い布に包んだ封筒を取り出した。
ソフィアの手紙を今でも持っていた…使用人になっても同じ手紙を何度も読んでいた。
「…今、君の側にはお義父さんとお義母さんがいるのだろうか…叔母さんには逢えたのだろうか…俺は…俺は…」
アレックは、大切な人達が自分の側から離れて行くのが怖かった…アレックは、エミリーが隣国で暮らしている話しを叔父のリカルドに聞く事もエミリーを思い出す事もなく月日だけが過ぎて行った。
「…ごほっ、ごほっ……」
ソフィアの墓の前には咳き込むアレックの姿があった。






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