幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。

クロユキ

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ルナの部屋に

一ヵ月ぶりに我が家に帰って来たルナは家の中を懐かしんだ後用意された豪華な料理を食べ始めた。
「ムックさん、ジン君ありがとうございます。二人にお世話になる事になって…」
母親は、ムックに酒を注ぎ礼を言った。
「いえ、ルナさんに協力したいと思って馬車を走らせただけです。此方こそ寝泊まりまで用意していただいて」
「今夜は、飲みましょう」
ルナの両親とジンの父親は、用意された料理と酒で賑わいルナとジンは苦笑いをして料理を食べた。
「お父さん、私の部屋にジン君を連れてもいい?」
「は?」
ジンは驚いてルナを見た。
「ああ、いいがわかっていると思うが…」
「うん、ジン君、私の部屋に行きましょう」
「え!?あ…」
「何を動揺しているんだ。せっかく部屋に案内してくれているんだ行って来い」
ジンの父親はニヤニヤと笑みを見せジンにルナの部屋に行くようにと声をかけた。
「ふふふ、ジン君の戸惑う姿は初めて見たわ」
親達の顔を見ていたジンは、すでに父親は真っ赤な顔になっているのを見てジンはルナが誘った部屋に案内された。
「……」
ルナの部屋に入ったジンは部屋の良い匂いで立ち眩みになりそうだった。
「ジン君、適当に座って」
「……」
ジンは小さなテーブルがある床に胡座を組んで座った。
「ごめんね、散らかしたままだから…」
「いや…何故…部屋に…」
「え、二人で話しがしたいと思ってお父さんの許しを貰ったから…イヤだった?」
「…驚いたというか…まさか、部屋に案内されるとは思っていなかった…初めて女子の部屋に入ったものだから…」
「え!?」
ルナは驚いた顔でジンを見ていた。
「どうした?」
「…私が初めてなの?部屋に入ったの」
「ああ…彼女の家には行った事もなかったからな、彼女の両親が片親の俺をよく思っていなかったからな」
「私の両親はそんな事思っていないから…あ…」
ジンはルナの顔を見て笑みを見せた。
「ああ、わかっている…俺は、君や君の両親に会えて良かったと心から喜んだ」
「ジン君…」
「……ルナ…彼も君の部屋に入った事はあるのか?」
「え…」
ルナはじっと自分を見るジンに戸惑い悩んでいた。
「…悩まなくていい、怒っていないから彼氏がいれば家に呼ぶのは誰でもあるんだ」
「うん…でも、彼が私の部屋に入ったのは二回、三回くらいかな?多分…彼は、幼なじみの彼女の家に行っていたから…」
「!」
「……私が学校を休んだ時に彼がお見舞いに来てくれたの…友達から言われてだったけれどそれでも嬉しかった…お店で買ったマドレーヌを持って来てくれたの……でも、お見舞いは口実で…私の家を出たその足で幼なじみの彼女の家に行っていたの…マドレーヌを彼女と一緒に食べて…私が彼から貰ったマドレーヌは彼女の手作りだったの…」
「……」
「まさか、私の見舞いの後に彼女の家に行っていたなんて思いもしなかったし…お菓子が彼女の手作りだった事も…」
ルナは、涙が出なかった…ジェニファーがマドレーヌを作って自分に渡した時、何を思っていたのだろうかと…何も知らないのを嘲笑っていたのだろうかとルナは、ジンにルシアンとジェニファーの話しをした。








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