夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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我が儘②

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ドレスを着た女の子はソファーの周りをぐるぐると走り喜んでいるのが分かったけれど…部屋の中で走ったら危ないのにと思っても私は言えなかった。
「リリィ、こっちへいらっしゃい」
「何?おばあちゃま」
女の子を呼んでいた年配の女性はドレスを手に触り破れていた所を確認するように見ていた。
「まぁ、綺麗に直っているわありがとう」
「あ、いえ…」
女の子がドレスを着て何処が破れていたのか分からないようで私も安心して帰る事が出来ると思った。
「リリィ、このドレス着て馬車に乗る」
「このドレスはお誕生日に着るのよ」
「イヤイヤ、これ着て皆でお出掛けするの」
「ふふっ、リリィったら久しぶりにお気に入りのドレスを着て嬉しいのね。お母様、お出掛けしても良いでしょう?」
「そうね、こんなに喜んでいるリリィを泣かせたくないわね」
「……」
私は、親子と思う二人の会話を聞いて何も言えなかった。
「そうそうこれドレスのお金ね」
「あ…ありがとうございます…」
私はお金が入った封筒を受け取り何故か厚みがあるのに気付き封筒の中を開けた。
「あ、あの…お直し代とは金額が違うのですが……」
「良いのよ、受け取ってこんな遠い場所まで来ていただいたのわたくしからの気持ちよ」
「遠慮しないで貰って」
「……あ、ありがとうございます…」
私は、この家族と一緒に居ると金銭面でおかしくなりそうだと思った。
「マルクは何処なの?」
「旦那様と馬を見に行っているわ」
「さっきも行かなかった?」
「ふふっ、馬が気にいったみたいねお出掛けをすると呼んで来るわ」
「そうして」
「リリィも一緒に行く」
女の子は、若い女性…多分この子の母親と思う女性に抱っこを言っていた。
「ママ、抱っこ」
「ママねリリィを抱っこ出来ないの」
「なんで?なんで?抱っこ、抱っこ!」
「あなた達何をぼんやりしているのリリィが抱っこしてと言っているでしょう」
「は、はい」
「お、お嬢様、こちらへ……」
「いや~っ!」
バタバタと手足を動かして暴れる女の子をメイド二人が必死になっているのを私は、早くこの屋敷から出て行きたいと思ってしまった……



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