夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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何もかも話しをして…②

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「……それで…わか……アルバートと何か話しはしたのか?」
「いいえ…あの人が部屋の中に入った時は驚きました…再会を喜ぶ間もなく…あの人は親子の会話を始めたのです…」
私は、息を吐き馬番の男性に話しの続きをした。
「まさか夫があの屋敷に居て奥さんがいて子供が二人もいて……三人目の子供がお腹の中に居ると……私がいる目の前で…あの人の奥さんとなった人と口付けを交わしていたのです……」
「な?あんたが居る前でか?!」
「私がいるのを知らなかったようで…後になって私に気付いて夫は、慌てたように私の顔を見る事も出来ずそして夫から……私の事は知らないと言っていました…私は、その言葉を聞いてショックで夫を殴って屋敷を出ようと思いましたが…子供がいる前でそんな事は出来ません……でもあの人は子供が居ても平気に口付けを交わし…以前の夫は人前でそんな事はしませんでした……」
「……そうだな……アイツは変わってしまった…人が見ていようが子供が側にいようが人前で平気に若奥様にそれをして来た……まるで、見てくれと言わんばかりに……」
「……ううっ……」
「!!す、すまない泣かせるつもりで言ったわけでは……」
「……分かっています…私も…初めて会った人に恥になる話しをしてしまいました……」
「いや、話しを聞けて良かった…アイツは俺達に嘘を話し若奥様にも嘘を言っていた…」
「……」
「……アルバートと一度話しをしてみるか…」
「……いいえ、もうあの人には家族がいます…貴族になったあの人は私達が知っています夫ではありません……」
「…家へ帰り家族と相談したらいい…それから決めてもいいじゃないのか?」
私は頬に流れた涙を手で拭い息を吐いた。
「そうですね…話しを聞いて下さいましてありがとうございました…」
「いや…俺も驚いたが…相談事があれば俺で良かったら話しをしてくれ」
「はい…」
私は、馬番の男性に話しをして少しだけ胸の苦しみが取れた気がした。




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