捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

文字の大きさ
23 / 196

葬儀が終わり…②

アレックはソフィアの部屋に入り窓の外を眺めていた。
外は暗く何も見えないが明るい時はソフィアの窓から庭園に続く道が見える部屋でもあった。
一人のメイドはアレックの姿を見て話が出来ると思い声をかけた。
「…あの…旦那様…」
「どうした?」
「…奥様も旦那様のように夜でも窓を眺めていました」
「夜?…夜だと何も見えないが…」
「…明るい日には、旦那様とエミリー様のお姿が見えるからだと言われていましたから…」
「……」
メイドは食卓へ行かなくなったソフィアの部屋に食事を運んでいた。
『……どうしてこの部屋は庭園に続く道が見えるのかしら…』
『え?』
メイドは、ソフィアがじっと窓の外を見ている姿をみて覗いたメイドは、庭園の方へ一緒に歩くアレックとエミリーの姿を見てしまい、何も言えずにソフィアの顔を見ているだけだった。
『…どうして、旦那様は私を妻に迎えたのかしら…私でなくても妹で良かったのに…』
『お、奥様…』
『…ごめんなさい…私の一人言だから誰にも言わないで…』
メイドから聞いたアレックは何も言えず、ソフィアの気持ちを知った気がして胸を押さえていた。
「旦那様…奥様の遺品は…」
「…そのまま、何も触らず遺して置いてくれ…」
「わかりました」
メイドがソフィアの衣類を整理している姿をアレックが見ていた時目を見開いていた。
「…そのドレスは…何故そんなに…まるでハサミで切ったように…」
ドレスには、刃物で切った箇所が幾つもありアレックはそのドレスを手に持って驚いた顔をしていた。
「……これは、俺がソフィアに贈ったドレス…」
貴族の集まりで披露宴に招待されたアレックはドレスをソフィアに渡していた。
『…披露宴ですか?』
『ああ、貴族の集まりで招待された…乗り気ではないが、行かないわけにはいかないだろう…君も屋敷にいるだけで息がつまるだろう』
『…良いのですか?』
『ああ…』
ソフィアはアレックが誘ってくれた事に喜び笑顔になった。
『いいな~っ、お姉様、ドレスのプレゼントを貰って私もドレスを着て披露宴に行きたい』
『エミリー、我が儘は…』
『君にもドレスを買っている』
『え…』
『本当!きゃ~っ、素敵ありがとうアレックお兄様…でも、ドレスを貰っても一緒には行けないのに…』
『披露宴では、君も招待された』
『うそ~っ、嬉しいありがとうアレック!』
『!?』
アレックの頬にキスをしたエミリーを見て、ソフィアはドレスを握りしめていた…この時既にアレックとエミリーは関係を持っていた。






あなたにおすすめの小説

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

刺繍妻

拓海のり
恋愛
男爵令嬢メアリーは魔力も無くて、十五歳で寄り親の侯爵家に侍女見習いとして奉公に上がった。二十歳まで務めた後、同じ寄り子の子爵家に嫁に行ったが。九千字ぐらいのお話です。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※