捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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銀色の髪

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兄アルフォンス皇子と二人でお茶を飲む事になったソフィアは
(今までアルフォンス皇子と何回、いえ何十回と二人で庭園でお茶を飲んだのか分からないわ…)
ルモア家にいる頃は両親と妹のエミリーと四人でお茶会をして、たまにはエミリーと二人で、どんな人と結婚をして子供は何人とそんな恋ばなを話していた事もあった。
(…ルモア家の私の部屋に日記を書いたのを今思い出したわ…私ソフィア・ルモアが死んでもう十六年なのね…私の物はお父様達が処分したわね…部屋に私の物を置いてもどうする事もできないし…日記だって…)
「ソフィー?」
「え!?何?アルお兄様…」
「さっきから、ぼーとしていたから目が開いたままで寝ているのかと思ったよ」
「そ、そんな器用な人はいません」
「はははは、そうだね」
(アルフォンス皇子様は、時々冗談みたいにお話をするんだから…)
「そういえば、ジェラが馬の世話をしていたら馬のくしゃみが顔全体に水浸しになったの知ってる?」
「え?ジェラお兄様が馬のくしゃみで?」
「大騒ぎだったらしく、ジェラは急いでお風呂に入ったみたいだけど、それ以来その馬には近づく事ができなかったと話していたよ」
「馬の世話も騎士の方達がするんですね、大変そう…」
「でも、ジェラは案外楽しんでいたから馬が好きなんだと思う」
「…アルお兄様は馬に乗った事はあるの?」
「僕?うん、あるよ。僕の馬もあるんだ」
「え!?アルお兄様、馬を持っているの?」
「ソフィーもいつかは馬の練習があると思うよ」
「え?!私も…?」
ソフィアは馬に乗ると言われ目を見開いていた。
「その時は、僕が教えてあげるよ」
「よ、宜しくお願いします…」
(王族の人はみんな馬に乗らないとダメなの?高くて怖いから大丈夫かしら…今は考えるのはやめましょう…)
ソフィアは、紅茶が注がれたカップの周りを両手で触り小さな息をはいた。
「…ソフィー…」
「何?」
顔を上げたソフィアの頬をアルフォンス皇子の指が触れていた。
「隈が……」
「アルフォンス様!?」
「え?!」
ソフィアとアルフォンス皇子は、声がする方に顔を向けると銀色の髪の毛の女性が驚いた顔で見ていた。
「……私と同じ髪の色…」
ソフィアは自分と同じ銀色の髪の毛を見るのが初めてだった。
「……」
(あ…もしかしてアルフォンス皇子様の婚約者?だからあんなに驚いて……ん?もしかして私を見て勘違いをしたのでは…)
「あ…あの…私は…」
「…噂は…本当だったのですね …」
「噂?」
「ぅ…」
「え!?あっ、待つ…」
走り出した令嬢にソフィアは声をかける事が間に合わなかった。


 







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