捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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十六年ぶりの屋敷へ

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皇女ソフィアが声を上げ怒る顔を見たアレックは茫然としていた。
「ソ、ソフィー?どうしたんだ?突然声を上げたから…」
アルフォンス皇子も初めて見るソフィアの顔に驚き、何があったのか分からず隣に座る妹の顔を見ていた。
「…あの…皇女様…気にさわる事でも…」
「あ…ご、ごめんなさい…なんでもないの…ごめんなさい…」
ポロッ…
!?
「ソ、ソフィー?!」
「あ…あれ?な、涙が勝手に…」
ポロポロと流れ落ちる涙にアルフォンス皇子達は驚きソフィアは悲しかった…
(どうして…私が死んでから後悔したように言うの?酷い…酷いよ…旦那様…)
「わあ~~ん!!」
!!
声を上げて泣くソフィアに驚きアルフォンス皇子はソフィアの体を抱きしめ慰めていた。
ソフィアを見ている事しかできないアレックは、何故皇女が怒って声を上げたのか分からずにいた。
「…ソフィー?」
ソフィアは泣きつかれるとアルフォンス皇子の胸の中で眠ってしまった…
「…ソフィーには、僕が側にいないと駄目だね…」
ソフィアの額にキスをするアルフォンス皇子をアレックは心配する顔を見せていた。
「アルフォンス様、奥の部屋に私の仮眠室がありますので皇女様を……」
「男性の臭いがする部屋に妹を寝かせるわけにはいかないので…」
不敵な笑みを見せるアルフォンス皇子にアレックは驚いていたが、誤解を話そうとした。
「…私はそういう意味で言ったのでは…」
「僕もソフィーが声をあげたのが分かる気がします」
「……」
「どうして、一人の女性を愛する事ができなかったのか…人を好きになるのは自由ですが、結婚をしているのに他の女性の元へ行くのは…それも妻の妹と…ソフィーでなくても叫んでいたかもしれませんが…」
金色の目がアレックをじっと見てアルフォンス皇子は何もかも知っているのだと息をはいた。
「……返す言葉が御座いません…私はこのまま皇女様をお連れ帰って陛下がご心配されると思い、少しでもおやすみいただけたらと申したまでです…」
「……」
「ご心配でしたら、私の屋敷も近いですから皇女様を屋敷でおやすみしまして、お帰りになってはいかがでしょうか?」
アレックの話を聞いていたアルフォンス皇子は息を吐きアレックに謝罪した。
「はぁ…、言い過ぎました…すみません…僕もどうかしていました…ソフィーを屋敷へやすませて貰えますか?」
「…分かりました。屋敷へご案内致します…」
ソフィアを乗せた馬車は、アレックの屋敷へ向かいソフィアは十六年ぶりにパルリス侯爵の屋敷へ行くとは思いもしなかった。





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