恋をする事を許して欲しい…婚約者のあなたは私にお願いをした

クロユキ

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彼が学園に来た

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いつもの朝がやって来た。
昨日の疲れなのかフローラはぐっすりと眠った。
コンコン
「おはようございます。フローラお嬢様お薬をお持ちしました」
「ありがとう」
私は、メイドから塗り薬を貰い自分で怪我した足に薬を塗っていた。
「良くなりましたね」
「ええ」
私は膝に薬を塗る度に思い出していた。
街で倒れて騎士の彼がわざわざ薬を買ってくれて治療してくれたのが忘れられずにいた。
「……お礼に行かなきゃ…」
棚の上に置いている小物を入れる箱を開けたフローラはハンカチを取り出して微笑んだ。
食事の部屋に行きいつもと変わらない挨拶を両親に向けた。
「おはようございます。お父様、お母様」
「ああ、おはよう」
「おはよう、フローラ」
両親はフローラの顔を見てホッと安堵した。
心に決めたフランシスとの婚約破棄を本人の目の前で話しをしたのは辛かったはずだと…暫くはフランシスの事で辛い日々が続くのが両親の心配でもあった。
「…今日、先生にフランシスと婚約を取り消した事を話したいとおもうの」
「…そうか…」
「クラスのほとんどの皆が、フランシスと下級生の彼女を気にしていたからその話しが先生の耳に入って私に聞いていたの」
「あいつは、学園内で堂々とその娘と会っていたのが信じられん…お前も暫くはフランシスの事で振り回されるかもしれない…」
「先生にも何かあった時は話しをしなさい」
「うん…わかった…」
フローラは朝食を食べ学園へと向かった。
馬車で学園に着いたフローラは教室へと歩くとフローラのクラスに知らない生徒達が数名教室の中を覗いていた。
「…なんだろう?」
フローラは、教室に入るまえに中を見て目を見開いた。
怪我で休んだフランシスが教室の中にいた。







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