兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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騎士学校への訪問者⑫

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「ほっ、ほっ、ではアンドレ先生私は先に医務室へ戻ります」
「あっ、ベルナール先生私も一緒に医務室に戻りますので暫く待って貰っても良いでしょうか?」
「アンドレ先生とご一緒ですかな?」
アンドレ先生は頭を触り苦笑いを見せていた。
「……お恥ずかしいのですが、一人で医務室へ向かいますのが入り難いと申しますか……」
「医務室はアンドレ先生の教室ではありませんか?何を躊躇っているのですかな?」
「…そうなのですが…生徒以外の方が医務室に居ますと入り難いと言いますか……」
「ジル様の事ですかな?」
「ええ…まあ……」
「ほっほっ、分かりましたアンドレ先生が戻りますまでお待ちしています」
「有り難う御座います。直ぐに戻りますので……」
学校医師のアンドレ先生はウィル王子に渡すお茶の葉を取りに職員室へと向かった。
その頃、シェル王子からウィル王子の様子を見て来るようにと言われたシェル王子の護衛騎士エリックは、周りを見渡しウィル王子を捜していた。
「……ウィル王子は居ないな、医務室と思うのが強いが…入って良いのかそれとも廊下で待っ方が良いのか……」
ウロウロと医務室に向かう廊下を行ったり来たりと歩くエリック騎士。城内では冷静な騎士だと言われているエリック騎士が、ウィル王子に会う会わないかで悩むとは誰も思わないだろう…
「あ……!」
「!?」
後ろから声を聞いたエリック騎士が振り向くと、一人の男子生徒がエリック騎士を見て驚いた顔を見せていた。
「……兄さん…?!」
「……ルグラン」
バッタリと廊下で出会った学校の生徒はエリック騎士の弟ルグランだった。
「……こんな所で何をしているんだ兄さん?」
「任務で用があった…お前の方こそまだ授業中では無いのか?」
エリック騎士は弟のルグランの服を見て話し出した。
「……体育の授業だったのか?」
「ああっ、さっきみんなが騒いでいた白い騎士服を着た騎士は兄さんの事だったんだな」
「お前がリアム先生の授業を受けているとは知らなかったな」
「俺も兄さんだとは知らなかった…所で学校に用とは珍しいな」
「シェル様の用で来たんだ…」
「!シェル様…って…じゃあ、あの医務室にいる子は……」
ルグランは驚いた顔を見せていたが、緑色のお茶を飲むウィル王子の姿を思い出しクスッと口元が笑っていた。
「ルグラン、ウィル王子は医務室に居るのか?!」
「ウィル王子…あの子は王子様だったんだな変わった王子様だな」
「変わった王子様?ウィル王子に何かあったのか?」
「緑色の飲み物を美味しそうに飲んでいたな……」
「緑色の飲み物?」
エリック騎士と騎士学校の生徒ルグランはいつの間にか一緒に廊下を歩き医務室へと向かっていた。
その頃、学校の医師の先生アンドレ先生を待っていたウィル王子の医師は、ようやく自分の元に来たアンドレ先生と一緒に医務室へと歩いていた。
「……アンドレ先生聞いても良いですかな?」
「はい、ベルナール先生」
「手に持っています手提げですが…あのアンドレ先生が毎日飲んでいますお茶ですかな?!」
少し距離を離れて歩くウィル王子の医師は、アンドレ先生が持ち歩いている手提げに目を向けて話し掛けていた。
「はい、良く分かりましたねベルナール先生」
「……匂いで分かりましたからもしやと思い……」
「ハハハ、茶っ葉の匂いがしていましたか!?職員室では残っていました先生方から何も言われませんでしたので、匂いがしないと思っていました」
「ほっほっほ……そうですか…所でその茶葉は何処へ持って行くのですかな?」
「ウィル王子へのプレゼントです」
「ほ!?……ウ、ウィル様にその茶葉をですかな?!」
「はい、お茶の葉をあげますと言いましたら凄く喜んで暮れまして、それにウィル王子とお茶仲間に成りました」
「なんと、ウィル様とお茶仲間ですと!?」
「はい、私にもようやくこのお茶の良さを分かってくれます友が出来ました」
ニカッとお茶の葉が入った手提げを持ち上げウィル王子の医師に笑顔を見せるアンドレ先生…
「ほっほっほっほっ…そうですか、ウィル様にお茶の葉を……」
お茶が苦手なウィル王子の医師は診察の時にウィル王子がお茶を出して来ない事を祈り医務室へと向かっていた。










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