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第2章 地獄編 第1階層 鬼神島〜運命の糸編 まで
第5話 鬼神島
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鬼神島(おにがみしま)
ドントン村から徒歩4,5時間の所にジェルバさんの夢の船(ゆめのふねの)がある。今、俺と春子さんとジェルバさんはジェルバさんの息子であるムスカを鬼から取り戻すために鬼のアジト鬼神島までやってきた。
ジェルバさんの観察眼によると今この島に鬼が10体いるとのこと。だが、援軍を呼ばれると果たして何体やってくるか分からないので短期決戦にするしかない。あと、1人だけだが人間らしき生き物もいるらしい。ということで俺と春子さんはひとまず、島内で暴れるとしてその間にジェルバさんが島を迂回してムスカを助けるという作戦になった。
後、俺たちとジェルバさんが二手に分かれる時にジェルバさんは俺たちにこの島の地図と手紙を渡してくれた。手紙は本土に帰ってから読んでほしいとのことで俺はその手紙をポケットの中に優しく入れた。
数十分後……
「貴様、何者だ?」
「悪いな。今お前と喋ってる暇はない。
固有霊刀術 冷血火殺」
これでもう6体目。かれこれ、春子さんと融合してから1時間は経ってる。少し疲れた。
と、その時だった。
「お前か 最近、同胞を毎夜毎夜、狩っている小僧は」
また黒い鬼があらわれた。
「だったら何だ? お前達こそ勝手に人の村を襲って自業自得じゃないか?」
「あ? よく言うじゃないか? 鬼も舐められたもんだぜ」
するとその黒い鬼は突如として体から大量の蒸気を出した。
「鬼化術 鬼神化(きかじゅつ きしんか)」 そう唱えると
さっきまでの黒い鬼は大量の蒸気を出したのち、全身が真っ赤な鬼へと変貌した。あと、体が一回り小さくなって人と同じくらいのサイズに変身した。
「春子さん これは?」
「多分、身体強化の類いの術だと思います」
やはり鬼も術を使えたのか。なんかこの鬼は他とは違う。多分…… 強い………
こいつをジェルバさんの所に行かせる訳には行かない。ここで必ず倒す!!
「では、小僧行くぞ」
そう言うと鬼は一瞬に満たさない速度で俺の間合いに入り込んできた。そして右拳で強烈なパンチを繰り出す。なんとか俺は刀で攻撃をガードするが、早い!とにかく早い!一つ一つの攻撃速度が格段に上がっている。鬼は俺に何度もそのパンチを食らわせてくる。こっちは守ることしかできなくて、なかなか攻撃に展開できない。このままいくとこっちの勝機は薄い。
ならば………
「固有霊刀術 冷血火殺!」俺はカウンターを狙って敵の腹めがけて切り裂いた。
「ちくしょ。やるじゃなねーか。人間の分際でよ」鬼はそう言うと、一旦退く。
「なぁ こんな程度で俺が怯むと思うか?」
彼は自慢げに言うと、すぐに腹の傷口を回復させてしまった。
「春子さん あれは? 回復術ですか?」
「はい 私の術とは少し違いますが多分回復術の分類です」
鬼は一体どこまで術が使えるんだ。身体強化だけでなく回復術まで。やはりこいつは手強い。
「なぁ小僧。俺がこんなにも術を使えることにびっくりしただろう。それはな"鬼神様"が俺に術を寄与してくれるからなんだよ。鬼神様ってのは 鬼の頂点なんだよ。お前達が叶うお方ではない」
鬼神様? この島にはこの鬼よりさらに強い鬼がいるのか? だとしたらまずい。もしジェルバさんが鬼神様に遭遇していたら………
なんとしても早くこの鬼を倒さないなければ…………
「気消術(きけしじゅつ)!」
鬼はそう唱えると忽然と消えてしまった。
「まずいです。春樹さん。あれは気配を完全に消す術です。このままいくと一方的にこちらが攻撃されてしまいます」
「なんか策はないのか?」
「霊力探知術というのがありますが……
私も今まで成功したことがなくて」
「それでもいい。お願いします」
と、その時だった。腹の溝内に強烈なパンチが入る。
「ゲボォ」俺はあまりの強さに飛ばされてしまった。
「どうだ、小僧。俺がどこにいるか分からないだろ。このままいたぶって、苦しませて、その後ぶっ殺してやるよ!!」
「ちくしょー」
その後も彼の気配を感じ取ろうとするがまるでわからない。春子さんも体の中で必死に術を発現させようとするがなかなかできない。
もうすでに腹回りを数発受けている。そろそろ体力も…………
「なぁ 苦しいか? でもよく頑張ってるよ(笑笑)。俺のパンチをここまで受けて耐えるなんて。だがなーそろそろ遊びは終わりだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その瞬間だった。電車にはねられるような強烈な威力を持つパンチが腹に入った。その反動で俺の体は数10メートル先の大樹まで吹き飛んでしまう。あばら骨が何本か折れている。もう体が、、うごか……な……い。
そのまま俺は気を失ってしまった。
ドントン村から徒歩4,5時間の所にジェルバさんの夢の船(ゆめのふねの)がある。今、俺と春子さんとジェルバさんはジェルバさんの息子であるムスカを鬼から取り戻すために鬼のアジト鬼神島までやってきた。
ジェルバさんの観察眼によると今この島に鬼が10体いるとのこと。だが、援軍を呼ばれると果たして何体やってくるか分からないので短期決戦にするしかない。あと、1人だけだが人間らしき生き物もいるらしい。ということで俺と春子さんはひとまず、島内で暴れるとしてその間にジェルバさんが島を迂回してムスカを助けるという作戦になった。
後、俺たちとジェルバさんが二手に分かれる時にジェルバさんは俺たちにこの島の地図と手紙を渡してくれた。手紙は本土に帰ってから読んでほしいとのことで俺はその手紙をポケットの中に優しく入れた。
数十分後……
「貴様、何者だ?」
「悪いな。今お前と喋ってる暇はない。
固有霊刀術 冷血火殺」
これでもう6体目。かれこれ、春子さんと融合してから1時間は経ってる。少し疲れた。
と、その時だった。
「お前か 最近、同胞を毎夜毎夜、狩っている小僧は」
また黒い鬼があらわれた。
「だったら何だ? お前達こそ勝手に人の村を襲って自業自得じゃないか?」
「あ? よく言うじゃないか? 鬼も舐められたもんだぜ」
するとその黒い鬼は突如として体から大量の蒸気を出した。
「鬼化術 鬼神化(きかじゅつ きしんか)」 そう唱えると
さっきまでの黒い鬼は大量の蒸気を出したのち、全身が真っ赤な鬼へと変貌した。あと、体が一回り小さくなって人と同じくらいのサイズに変身した。
「春子さん これは?」
「多分、身体強化の類いの術だと思います」
やはり鬼も術を使えたのか。なんかこの鬼は他とは違う。多分…… 強い………
こいつをジェルバさんの所に行かせる訳には行かない。ここで必ず倒す!!
「では、小僧行くぞ」
そう言うと鬼は一瞬に満たさない速度で俺の間合いに入り込んできた。そして右拳で強烈なパンチを繰り出す。なんとか俺は刀で攻撃をガードするが、早い!とにかく早い!一つ一つの攻撃速度が格段に上がっている。鬼は俺に何度もそのパンチを食らわせてくる。こっちは守ることしかできなくて、なかなか攻撃に展開できない。このままいくとこっちの勝機は薄い。
ならば………
「固有霊刀術 冷血火殺!」俺はカウンターを狙って敵の腹めがけて切り裂いた。
「ちくしょ。やるじゃなねーか。人間の分際でよ」鬼はそう言うと、一旦退く。
「なぁ こんな程度で俺が怯むと思うか?」
彼は自慢げに言うと、すぐに腹の傷口を回復させてしまった。
「春子さん あれは? 回復術ですか?」
「はい 私の術とは少し違いますが多分回復術の分類です」
鬼は一体どこまで術が使えるんだ。身体強化だけでなく回復術まで。やはりこいつは手強い。
「なぁ小僧。俺がこんなにも術を使えることにびっくりしただろう。それはな"鬼神様"が俺に術を寄与してくれるからなんだよ。鬼神様ってのは 鬼の頂点なんだよ。お前達が叶うお方ではない」
鬼神様? この島にはこの鬼よりさらに強い鬼がいるのか? だとしたらまずい。もしジェルバさんが鬼神様に遭遇していたら………
なんとしても早くこの鬼を倒さないなければ…………
「気消術(きけしじゅつ)!」
鬼はそう唱えると忽然と消えてしまった。
「まずいです。春樹さん。あれは気配を完全に消す術です。このままいくと一方的にこちらが攻撃されてしまいます」
「なんか策はないのか?」
「霊力探知術というのがありますが……
私も今まで成功したことがなくて」
「それでもいい。お願いします」
と、その時だった。腹の溝内に強烈なパンチが入る。
「ゲボォ」俺はあまりの強さに飛ばされてしまった。
「どうだ、小僧。俺がどこにいるか分からないだろ。このままいたぶって、苦しませて、その後ぶっ殺してやるよ!!」
「ちくしょー」
その後も彼の気配を感じ取ろうとするがまるでわからない。春子さんも体の中で必死に術を発現させようとするがなかなかできない。
もうすでに腹回りを数発受けている。そろそろ体力も…………
「なぁ 苦しいか? でもよく頑張ってるよ(笑笑)。俺のパンチをここまで受けて耐えるなんて。だがなーそろそろ遊びは終わりだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その瞬間だった。電車にはねられるような強烈な威力を持つパンチが腹に入った。その反動で俺の体は数10メートル先の大樹まで吹き飛んでしまう。あばら骨が何本か折れている。もう体が、、うごか……な……い。
そのまま俺は気を失ってしまった。
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