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プロローグ
第零話 行方不明
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「フハハハ! 勇者よ、ついにここまでたどり着いたか!」
「魔王! お前は俺が必ず倒す!」
「お前に勝ち目などない。一撃で葬ってやろう!」
お互いの剣が大きな音を立ててぶつかる。すると勇者の手の甲が輝き、とてつもない勢いで魔王を追い詰めていく。
「むむ、我がこんなに押されるとは……」
「これが勇者の力だ! お前を剣ごと真っ二つにしてやる!」
「くっ! 負けるものか……!」
魔王は抵抗するも、剣が欠け始めていた。ジリジリと剣を削りながら、魔王は押されていく。
「これでトドメだ! スーパーファイナルソ「うぃーん。召喚されます。ご注意下さい」
「なに!? くそー! こんないい時に……!」
あと少しというところで、勇者(?)は別の場所へと召喚されていった。
「いでよ! エメ!」
青年がそう言うと空に召喚陣が浮かび上がり、ゴブリンが落ちてきた。
「いって! おい、ラルド! あとちょっとで魔王を倒せるところだったのに、なんで呼び出した!」
「悪いがボードゲームの話をしてる場合じゃない。その大蛇を倒すのを手伝ってくれないか」
エメが後ろに振り向くと、大蛇がこちらを見下ろしていた。二人を敵とみなしているのか、恐ろしい表情でにらみつけている。
「そいつの目玉はそこそこ高値で売れる。僕たちで倒せば、肉も合わせて一週間は食っていけるぞ。さあ、手伝ってくれ」
「……仕方ないな。さっさと倒しちまって、ゲームの続きをするか」
大蛇はエメに噛みつこうと高速で頭を下ろしてきた。エメはそれを避け、大蛇の頭に剣を突き刺した。大蛇は剣を振り払おうと必死に頭を横に揺らす。
「今だラルド! 首をスパッといくんだ!」
「わかった。今すぐやる」
ラルドは大蛇の横へ走ると、首めがけて剣を振り下ろすと、それが見事命中した。落ちた大蛇の頭から目玉をえぐりだし、頭を地面に埋めた。
「さて、身体は二人でかついで持っていこう。エメは後ろの方を持ってくれ」
「……なぁラルド。こいつを使役しようとは思わなかったのか? 俺なんかよりよほど戦力になると思うんだが……」
「どうせ僕には無理だ。お前を使役するだけで精一杯だ。それに、僕がどんなに頑張ったところで姉さんは超えられない」
「……魔王も討伐されたみたいだし、そろそろお前の姉ちゃんも帰ってくる頃だろ? そこでもう一度魔物と仲良くする方法を教えてもらったらどうだ?」
「そうだな。それも考えておこう」
二人は大蛇の身体をかつぎながら、ツカイ村へと向かっていった。
村へ着くと、ラルドの父の前に村人全員が集まっていた。何事かと思ったラルドは、村の入り口から父の名前を呼んだ。
「ルビー父さーん、どうしたんだ?」
「おお、ラルドか。実はな……」
息子に呼ばれたルビーは、村人たちをかき分けてラルドの眼前に立った。
「実は、さきほど王国から手紙が届いたんだ。その内容がこれだ。」
ルビーは紙をラルドに渡した。ラルドはもらった紙に書いてある文字を読むと、全文読み終わる前に驚きの声をあげた。
「なんだって! 姉さんが、行方不明……?」
「にわかには信じがたいが、もし本当ならと思うとな……」
「パレードの後になって行方不明になったのか……。父さん、一体どうすればいいんだ?」
「サフィアの捜索を、誰かに頼もうと思ってな。本当なら俺が行きたいところだが、村長だからと村人たちから止められてしまったんだ」
「……僕が探しにいくのはダメか?」
「悪いがラルド、お前には任せられない。ゴブリン一匹動かすのが限界となると、どうしてもな……」
「ぐっ……父さんまで僕を最弱扱いするのか! エメはすごく強いし、僕自身だって、そこそこやれる!」
「姉を助けたいお前の気持ちは十分にわかる。だがな、ラルド。俺はお前まで失いたくないんだ……。どうか、行かないでくれ……」
「失うって、姉さんは死亡が確認されたわけじゃないだろ! どこかで生きているかもしれないじゃないか!」
「ラルド、頼む。わかってくれ……。この村にはお前より強い者たちがたくさんいる。今はその者たちに任せないか」
「……」
ラルドはすっかり黙りこんでしまった。ルビーは紙をラルドから取り上げると、腕の立つ村人を選び始めた。エメとラルドは大蛇の身体を家まで運んでいった。
自室へ入ったラルドは、枕に顔を押しつけ泣いていた。
「……くそっ! 僕が真面目に勉強していれば、こんなことには……」
「そんなにあいつらに任せるのが心配か? 俺なんかよりよっぽど強いだろうから、安心しろよ」
励まされるラルドだが、未だ納得がいっていない。
「腹減っただろ? そろそろお前の母ちゃんが大蛇の調理をしてくれるだろうから、それ食って元気出しな」
「……晩飯まではもう少しかかるな。よし、やるか」
「うわ! いきなり起き上がった!」
ラルドは紙を一枚取ると、何かを書き始めた。その内容を、エメは横から見つめる。
「何を書くんだ? また呪文の勉強でもするのか?」
「置き手紙だ。今晩、みんなが寝たところで村を出る。王国までの裏の道を探すのはなんとかなるはずだから、他の奴らより早く姉さんを見つけるんだ」
「はぁ……そうか。そうなると俺も行かなきゃダメか」
「ああ。僕たちは二人で一つだからな」
「やれやれ。魔王スゴロクはサフィアさんが見つかるまでお預けか」
ラルドはそのまま置き手紙をどんどん書き進めていった。全てを書き終えたところで、ちょうどラルドの母がドアをノックした。
「ラルドー。エメちゃんー。ご飯よー」
「今行くー。エメ、この紙のことは絶対に誰にも言うなよ」
「わーってるよ。さ、晩飯、いただこうぜ」
エメとラルドは食卓へと向かった。
「……よし。そろそろ良さそうだな。さあいくぞ、エメ」
「まったく。他の奴らに任せておけば良いものを……」
ラルドとエメは窓から外へ出た。夜になり、村は静まりかえっていた。村の出入り口には警備がいるため、柵をこえて森の中を進むことにした。
「父さん、母さん、今までお世話になりました。死ぬつもりはないけど、一応お別れの挨拶だ」
ラルドはツカイ村と両親に別れを告げた。
「魔王! お前は俺が必ず倒す!」
「お前に勝ち目などない。一撃で葬ってやろう!」
お互いの剣が大きな音を立ててぶつかる。すると勇者の手の甲が輝き、とてつもない勢いで魔王を追い詰めていく。
「むむ、我がこんなに押されるとは……」
「これが勇者の力だ! お前を剣ごと真っ二つにしてやる!」
「くっ! 負けるものか……!」
魔王は抵抗するも、剣が欠け始めていた。ジリジリと剣を削りながら、魔王は押されていく。
「これでトドメだ! スーパーファイナルソ「うぃーん。召喚されます。ご注意下さい」
「なに!? くそー! こんないい時に……!」
あと少しというところで、勇者(?)は別の場所へと召喚されていった。
「いでよ! エメ!」
青年がそう言うと空に召喚陣が浮かび上がり、ゴブリンが落ちてきた。
「いって! おい、ラルド! あとちょっとで魔王を倒せるところだったのに、なんで呼び出した!」
「悪いがボードゲームの話をしてる場合じゃない。その大蛇を倒すのを手伝ってくれないか」
エメが後ろに振り向くと、大蛇がこちらを見下ろしていた。二人を敵とみなしているのか、恐ろしい表情でにらみつけている。
「そいつの目玉はそこそこ高値で売れる。僕たちで倒せば、肉も合わせて一週間は食っていけるぞ。さあ、手伝ってくれ」
「……仕方ないな。さっさと倒しちまって、ゲームの続きをするか」
大蛇はエメに噛みつこうと高速で頭を下ろしてきた。エメはそれを避け、大蛇の頭に剣を突き刺した。大蛇は剣を振り払おうと必死に頭を横に揺らす。
「今だラルド! 首をスパッといくんだ!」
「わかった。今すぐやる」
ラルドは大蛇の横へ走ると、首めがけて剣を振り下ろすと、それが見事命中した。落ちた大蛇の頭から目玉をえぐりだし、頭を地面に埋めた。
「さて、身体は二人でかついで持っていこう。エメは後ろの方を持ってくれ」
「……なぁラルド。こいつを使役しようとは思わなかったのか? 俺なんかよりよほど戦力になると思うんだが……」
「どうせ僕には無理だ。お前を使役するだけで精一杯だ。それに、僕がどんなに頑張ったところで姉さんは超えられない」
「……魔王も討伐されたみたいだし、そろそろお前の姉ちゃんも帰ってくる頃だろ? そこでもう一度魔物と仲良くする方法を教えてもらったらどうだ?」
「そうだな。それも考えておこう」
二人は大蛇の身体をかつぎながら、ツカイ村へと向かっていった。
村へ着くと、ラルドの父の前に村人全員が集まっていた。何事かと思ったラルドは、村の入り口から父の名前を呼んだ。
「ルビー父さーん、どうしたんだ?」
「おお、ラルドか。実はな……」
息子に呼ばれたルビーは、村人たちをかき分けてラルドの眼前に立った。
「実は、さきほど王国から手紙が届いたんだ。その内容がこれだ。」
ルビーは紙をラルドに渡した。ラルドはもらった紙に書いてある文字を読むと、全文読み終わる前に驚きの声をあげた。
「なんだって! 姉さんが、行方不明……?」
「にわかには信じがたいが、もし本当ならと思うとな……」
「パレードの後になって行方不明になったのか……。父さん、一体どうすればいいんだ?」
「サフィアの捜索を、誰かに頼もうと思ってな。本当なら俺が行きたいところだが、村長だからと村人たちから止められてしまったんだ」
「……僕が探しにいくのはダメか?」
「悪いがラルド、お前には任せられない。ゴブリン一匹動かすのが限界となると、どうしてもな……」
「ぐっ……父さんまで僕を最弱扱いするのか! エメはすごく強いし、僕自身だって、そこそこやれる!」
「姉を助けたいお前の気持ちは十分にわかる。だがな、ラルド。俺はお前まで失いたくないんだ……。どうか、行かないでくれ……」
「失うって、姉さんは死亡が確認されたわけじゃないだろ! どこかで生きているかもしれないじゃないか!」
「ラルド、頼む。わかってくれ……。この村にはお前より強い者たちがたくさんいる。今はその者たちに任せないか」
「……」
ラルドはすっかり黙りこんでしまった。ルビーは紙をラルドから取り上げると、腕の立つ村人を選び始めた。エメとラルドは大蛇の身体を家まで運んでいった。
自室へ入ったラルドは、枕に顔を押しつけ泣いていた。
「……くそっ! 僕が真面目に勉強していれば、こんなことには……」
「そんなにあいつらに任せるのが心配か? 俺なんかよりよっぽど強いだろうから、安心しろよ」
励まされるラルドだが、未だ納得がいっていない。
「腹減っただろ? そろそろお前の母ちゃんが大蛇の調理をしてくれるだろうから、それ食って元気出しな」
「……晩飯まではもう少しかかるな。よし、やるか」
「うわ! いきなり起き上がった!」
ラルドは紙を一枚取ると、何かを書き始めた。その内容を、エメは横から見つめる。
「何を書くんだ? また呪文の勉強でもするのか?」
「置き手紙だ。今晩、みんなが寝たところで村を出る。王国までの裏の道を探すのはなんとかなるはずだから、他の奴らより早く姉さんを見つけるんだ」
「はぁ……そうか。そうなると俺も行かなきゃダメか」
「ああ。僕たちは二人で一つだからな」
「やれやれ。魔王スゴロクはサフィアさんが見つかるまでお預けか」
ラルドはそのまま置き手紙をどんどん書き進めていった。全てを書き終えたところで、ちょうどラルドの母がドアをノックした。
「ラルドー。エメちゃんー。ご飯よー」
「今行くー。エメ、この紙のことは絶対に誰にも言うなよ」
「わーってるよ。さ、晩飯、いただこうぜ」
エメとラルドは食卓へと向かった。
「……よし。そろそろ良さそうだな。さあいくぞ、エメ」
「まったく。他の奴らに任せておけば良いものを……」
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