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第三章 ウスト遺跡編
第三十八話 何か
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「えーっと、確かさっきは何かをテイム出来ないか確かめるためにウスト遺跡に行こうという話をしてたな。どうだラルド君、その気にならないかい?」
「確かに、テイムするためにはそいつの素性を調べる必要があります。だからそのために行くっていうのも十分ありだと思います。けど……」
「けど?」
「勘ですが、何かたちは恐らく話が通じません。動物や魔物ならなんとかして会話出来ないことはないですが、あれは動物でも魔物でも、当然人間でもない。そう感じるんです。実際カタラたちは多分仲間に出来なくて逃げてきたんだろうし」
「じゃあ、魔物でも動物でも人間でも竜でも神でもない、新たな生物だってことか?」
「あいつらはきっと古代文明が墓荒らし対策に遺したしもべです。古代人の手によって作られた、新たな生物……」
「そもそも身体が金属で出来てる以上、生物と呼べるかどうかも怪しいわね。中に魔導機が入ってて、それで動いている奴だと思うわ」
「古代文明にも魔導機があったのかどうか。うーんやっぱり考えてるだけじゃダメな気がするな。直接調べにいくべきだ」
「結局そこに行き着くか。死にたくないが、俺も行くことにしよう。ラルドとエメはどうする?」
「あいつらは群れてこその強さだ。一匹程度ならなんとか戦えるだろう。一匹だけ引きつけるのが可能なら、俺は賛成だ」
「一匹だけか……確かにそれなら、数の暴力でなんとかなりそうだな。ラルドはどうする?」
「ラルド、スカイで何度も殺し合いを制しただろ? 今さらあんな変な奴にやられるお前じゃないだろ」
「……わかった。そこまで言うなら僕もウスト遺跡に向かいます」
「その返事、待ってたぞ。レイフ、これで全員ウスト遺跡に行くことに賛成になったぞ」
「それじゃあ、明日から向かうことにしよう。今日は俺、疲れちゃったからな。じゃあみんな、好きな場所で寝てくれ」
「寝るって、今はまだ昼前だろ? 寝るには早すぎるんじゃないか」
「俺は良い感じに疲れて眠たい。もしお前たちが眠くなかったら、各々好きなことをするんだ。じゃあ、また明日」
レイフは部屋を出て、寝室へ向かっていった。取り残された者たちは、どうして時間を潰すかについて話し始めた。
「夜まで暇ね。何か娯楽はないかしら」
「僕が持ってるのは、魔王スゴロクくらいです」
「あら、良いじゃない。やりましょやりましょ」
「人数が多いので、僕はゲームマスターをやります」
一行は魔王スゴロクを始めた。
そしてあっという間に一日が過ぎると思われていた。しかし、夜、何者かが扉をノックした。ラルドが対応する。扉の穴から外を覗くと、そこにはカタラたちが立っていた。ラルドは躊躇したが、名前を呼ばれたので仕方なく扉を開けた。
「カタラ、どうしたんだ?」
「お前の親父、カンカンに怒ってる。今すぐお前になだめにいってもらいたいのだが、頼めるか?」
「ああ。多分王様に何か言われたんだろう。ほっとけば一日で忘れるよ」
「そうか? それにしては怒りすぎな気がするぞ」
「とにかく大丈夫だ。安心して寝るんだ。もうすぐ寝る時間だぞ」
「あ、待てラルド。お前、明日からどうするんだ?」
「そんなことを知って、どうするつもりだ? また俺を原因にしてレイフ様と喧嘩するつもりか?」
「おい、俺はお前を助けようと思ってあんなことをしたんだぞ。その言い方は酷くないか」
「ごめん。でも、あのときの僕の気持ちなんか想像できないと思うが、ああなるのは二度と御免だ」
「そんなに話したくないんだな……こっそりで良いから教えてくれよ。決して干渉するつもりはないからさ」
カタラは小声でラルドに頼む。ラルドは葛藤し、顎を触り、うなり声をあげる。中々決心がつかない。
「なぁ、教えてくれよ。俺とお前の仲だろ?」
「あんなに見下してたのに、良く言うな」
「うっ。でも、俺たち友達だろ? いざというときは助け合ってきたじゃないか。な? 頼むから教えてくれよ」
カタラは粘り続ける。お互いに粘り続け、気づけば一時間は経っていた。もう人々が寝る時間だ。その時間を知らせる鐘が鳴る。
「あ、この音は」
「はぁ、負けた。だけど、明日までここで待って、後をつけていくことにしよう。このことは絶対にレイフには伝えるなよ? 無駄な争いを発生させたくないならな」
「気分による」
そう言うとラルドは扉を閉めた。それと同時に、起きていたジシャンがラルドに近づいてくる。
「結構長話だったみたいね。誰と話してたの?」
「あぁ、カタ……僕の友人です。久しく会ってなかったので、つい会話がはずんでしまいました」
「私は日記をつけたら寝ちゃうから、ラルド君も夜更かししないで、早めに寝るのよ」
「はい、わかりました」
「じゃあね。おやすみなさい」
(僕も寝るとするか。にしてもカタラ、本気であんなことを言ったのか? 夜でテンションがおかしくなってるだけな気がする)
ラルドはそんなことを考えながら、自分の寝室へ向かった。
寝室は既に灯りが消されていた。どうやらエメが消したようだ。ラルドは指パッチンをして火の呪文を使い、ベッドまで足元を照らしながら歩く。ベッドまで着いたら、その火を消し、ベッドに横になった。
(ああ。ちょうど今寝られそうだ……)
ラルドはそのまま眠りに落ちた。
(ん? ここは、遺跡か。ウスト遺跡なのかな?)
ラルドは周りを見渡す。例の何かがいるようには見えなかった。しかし、それよりも気になることがあった。
(空が黒い……ここは、一体どこなんだ?)
ほとんど何も見えない暗闇の中へ、ラルドは進んでいった。光が差していたのはラルドが最初にいた場所のみで、後の場所は全て暗闇であるようだ。ラルドは少しでも灯りになればと、火の呪文を使った。すると、あの何かがいた。ラルドはギョッとして、急いで後ずさる。しかし、その何かは追ってこなかった。不審に思ったラルドはもう一度近づいてみる。すると、何かが喋りだした。
「お前が、ラルドか?」
(あ、うん、そうだよ。僕はラルド。君はこんなところで何を?)
「我々を調査しようとしている者がいると聞いてな。夢の世界であらかじめ伝えておこうと思ったことがあるんだ」
(それはなんだ?(なんだ、話が通じるじゃないか))
「悪いことは言わない。すぐにやめろ。我々のうち一人だけ引きつけるなど、不可能に近い。それをやろうとして失敗したら、目も当てられないぞ」
(じゃあ、一人だけ引きつける方法を教えてくれ。僕たちは決して君たちの敵じゃない)
「へっ、そう言って、我々を殺そうと考えていたではないか」
(な、なぜそれを……?)
「お前の夢の世界に入る途中、その記憶を見た」
(な、君は夢の世界に入ることが出来るのか?)
「ああ。可能さ。古代文明をなめるな」
(それならますます仲間にしたくなってきた。お願いだ。僕たちの仲間になってくれ)
「嫌だね。今からお前たちが今後どうなるかまとめた映像があるから、それを見て考えを改めろ」
そう言うと、何かの頭部が裂ける。そこから謎の物体を伸ばした。そこから、映像が流れる。それは、大量の何かによってやられていく仲間たちが映されていた。
「明日、お前たちはこうなる。それが嫌なら、今すぐこの遺跡にくることはやめろ」
(ああ。考えておくよ。それより、一つだけ教えてほしいことがある)
「言っとくが仲間にはならんぞ」
(違うよ。姉さんがお前たちのところに来たのかどうか知りたいんだ)
「教える義理はない。それより、そろそろ目が覚めるんじゃないか?」
何かがそう言うと、ラルドの身体が浮かび始めた。夢から覚める合図である。
(待ってくれ! 君の名前も、仲間にする方法も、姉さんの行方も、何もわかってない! 全部教えてくれよ!)
必死で抵抗するラルドだが、身体は浮かびあがり続ける。何かはそっぽを向いて、突っ立っている。
(待て、待て!)
「待て!」
小鳥のさえずりが聞こえる。窓から太陽光が差す。どうやら目覚めてしまったようだ。
「うーん……ラルド、うるさいぞ。また変な夢でも見たのか?」
「ああ。見たさ。レイフ様たちに伝えるついでにお前にも夢の内容を教えてやる」
「ラルド君、どうしたんだい!」
「あ、レイフ様。夢を見ました」
「そ、それだけか?」
「はい、それだけです」
「なんだ、あんな大声出すもんだから、てっきり大変なことが起きたのかと思ったよ。夢の話、聞かせてくれよ」
「はい。じゃあエメ、一緒にいつもの部屋に行くか」
「俺は先に行って待ってるから、自分のタイミングで来てくれな」
レイフは階段を降りていった。一方エメは、ようやく上半身を起こした。
「ふあーぁ、さて、めんどくさいけど起き上がるか。ラルド、行こうぜ」
二人はいつもの部屋へ向かうため、階段を降りていった。
「確かに、テイムするためにはそいつの素性を調べる必要があります。だからそのために行くっていうのも十分ありだと思います。けど……」
「けど?」
「勘ですが、何かたちは恐らく話が通じません。動物や魔物ならなんとかして会話出来ないことはないですが、あれは動物でも魔物でも、当然人間でもない。そう感じるんです。実際カタラたちは多分仲間に出来なくて逃げてきたんだろうし」
「じゃあ、魔物でも動物でも人間でも竜でも神でもない、新たな生物だってことか?」
「あいつらはきっと古代文明が墓荒らし対策に遺したしもべです。古代人の手によって作られた、新たな生物……」
「そもそも身体が金属で出来てる以上、生物と呼べるかどうかも怪しいわね。中に魔導機が入ってて、それで動いている奴だと思うわ」
「古代文明にも魔導機があったのかどうか。うーんやっぱり考えてるだけじゃダメな気がするな。直接調べにいくべきだ」
「結局そこに行き着くか。死にたくないが、俺も行くことにしよう。ラルドとエメはどうする?」
「あいつらは群れてこその強さだ。一匹程度ならなんとか戦えるだろう。一匹だけ引きつけるのが可能なら、俺は賛成だ」
「一匹だけか……確かにそれなら、数の暴力でなんとかなりそうだな。ラルドはどうする?」
「ラルド、スカイで何度も殺し合いを制しただろ? 今さらあんな変な奴にやられるお前じゃないだろ」
「……わかった。そこまで言うなら僕もウスト遺跡に向かいます」
「その返事、待ってたぞ。レイフ、これで全員ウスト遺跡に行くことに賛成になったぞ」
「それじゃあ、明日から向かうことにしよう。今日は俺、疲れちゃったからな。じゃあみんな、好きな場所で寝てくれ」
「寝るって、今はまだ昼前だろ? 寝るには早すぎるんじゃないか」
「俺は良い感じに疲れて眠たい。もしお前たちが眠くなかったら、各々好きなことをするんだ。じゃあ、また明日」
レイフは部屋を出て、寝室へ向かっていった。取り残された者たちは、どうして時間を潰すかについて話し始めた。
「夜まで暇ね。何か娯楽はないかしら」
「僕が持ってるのは、魔王スゴロクくらいです」
「あら、良いじゃない。やりましょやりましょ」
「人数が多いので、僕はゲームマスターをやります」
一行は魔王スゴロクを始めた。
そしてあっという間に一日が過ぎると思われていた。しかし、夜、何者かが扉をノックした。ラルドが対応する。扉の穴から外を覗くと、そこにはカタラたちが立っていた。ラルドは躊躇したが、名前を呼ばれたので仕方なく扉を開けた。
「カタラ、どうしたんだ?」
「お前の親父、カンカンに怒ってる。今すぐお前になだめにいってもらいたいのだが、頼めるか?」
「ああ。多分王様に何か言われたんだろう。ほっとけば一日で忘れるよ」
「そうか? それにしては怒りすぎな気がするぞ」
「とにかく大丈夫だ。安心して寝るんだ。もうすぐ寝る時間だぞ」
「あ、待てラルド。お前、明日からどうするんだ?」
「そんなことを知って、どうするつもりだ? また俺を原因にしてレイフ様と喧嘩するつもりか?」
「おい、俺はお前を助けようと思ってあんなことをしたんだぞ。その言い方は酷くないか」
「ごめん。でも、あのときの僕の気持ちなんか想像できないと思うが、ああなるのは二度と御免だ」
「そんなに話したくないんだな……こっそりで良いから教えてくれよ。決して干渉するつもりはないからさ」
カタラは小声でラルドに頼む。ラルドは葛藤し、顎を触り、うなり声をあげる。中々決心がつかない。
「なぁ、教えてくれよ。俺とお前の仲だろ?」
「あんなに見下してたのに、良く言うな」
「うっ。でも、俺たち友達だろ? いざというときは助け合ってきたじゃないか。な? 頼むから教えてくれよ」
カタラは粘り続ける。お互いに粘り続け、気づけば一時間は経っていた。もう人々が寝る時間だ。その時間を知らせる鐘が鳴る。
「あ、この音は」
「はぁ、負けた。だけど、明日までここで待って、後をつけていくことにしよう。このことは絶対にレイフには伝えるなよ? 無駄な争いを発生させたくないならな」
「気分による」
そう言うとラルドは扉を閉めた。それと同時に、起きていたジシャンがラルドに近づいてくる。
「結構長話だったみたいね。誰と話してたの?」
「あぁ、カタ……僕の友人です。久しく会ってなかったので、つい会話がはずんでしまいました」
「私は日記をつけたら寝ちゃうから、ラルド君も夜更かししないで、早めに寝るのよ」
「はい、わかりました」
「じゃあね。おやすみなさい」
(僕も寝るとするか。にしてもカタラ、本気であんなことを言ったのか? 夜でテンションがおかしくなってるだけな気がする)
ラルドはそんなことを考えながら、自分の寝室へ向かった。
寝室は既に灯りが消されていた。どうやらエメが消したようだ。ラルドは指パッチンをして火の呪文を使い、ベッドまで足元を照らしながら歩く。ベッドまで着いたら、その火を消し、ベッドに横になった。
(ああ。ちょうど今寝られそうだ……)
ラルドはそのまま眠りに落ちた。
(ん? ここは、遺跡か。ウスト遺跡なのかな?)
ラルドは周りを見渡す。例の何かがいるようには見えなかった。しかし、それよりも気になることがあった。
(空が黒い……ここは、一体どこなんだ?)
ほとんど何も見えない暗闇の中へ、ラルドは進んでいった。光が差していたのはラルドが最初にいた場所のみで、後の場所は全て暗闇であるようだ。ラルドは少しでも灯りになればと、火の呪文を使った。すると、あの何かがいた。ラルドはギョッとして、急いで後ずさる。しかし、その何かは追ってこなかった。不審に思ったラルドはもう一度近づいてみる。すると、何かが喋りだした。
「お前が、ラルドか?」
(あ、うん、そうだよ。僕はラルド。君はこんなところで何を?)
「我々を調査しようとしている者がいると聞いてな。夢の世界であらかじめ伝えておこうと思ったことがあるんだ」
(それはなんだ?(なんだ、話が通じるじゃないか))
「悪いことは言わない。すぐにやめろ。我々のうち一人だけ引きつけるなど、不可能に近い。それをやろうとして失敗したら、目も当てられないぞ」
(じゃあ、一人だけ引きつける方法を教えてくれ。僕たちは決して君たちの敵じゃない)
「へっ、そう言って、我々を殺そうと考えていたではないか」
(な、なぜそれを……?)
「お前の夢の世界に入る途中、その記憶を見た」
(な、君は夢の世界に入ることが出来るのか?)
「ああ。可能さ。古代文明をなめるな」
(それならますます仲間にしたくなってきた。お願いだ。僕たちの仲間になってくれ)
「嫌だね。今からお前たちが今後どうなるかまとめた映像があるから、それを見て考えを改めろ」
そう言うと、何かの頭部が裂ける。そこから謎の物体を伸ばした。そこから、映像が流れる。それは、大量の何かによってやられていく仲間たちが映されていた。
「明日、お前たちはこうなる。それが嫌なら、今すぐこの遺跡にくることはやめろ」
(ああ。考えておくよ。それより、一つだけ教えてほしいことがある)
「言っとくが仲間にはならんぞ」
(違うよ。姉さんがお前たちのところに来たのかどうか知りたいんだ)
「教える義理はない。それより、そろそろ目が覚めるんじゃないか?」
何かがそう言うと、ラルドの身体が浮かび始めた。夢から覚める合図である。
(待ってくれ! 君の名前も、仲間にする方法も、姉さんの行方も、何もわかってない! 全部教えてくれよ!)
必死で抵抗するラルドだが、身体は浮かびあがり続ける。何かはそっぽを向いて、突っ立っている。
(待て、待て!)
「待て!」
小鳥のさえずりが聞こえる。窓から太陽光が差す。どうやら目覚めてしまったようだ。
「うーん……ラルド、うるさいぞ。また変な夢でも見たのか?」
「ああ。見たさ。レイフ様たちに伝えるついでにお前にも夢の内容を教えてやる」
「ラルド君、どうしたんだい!」
「あ、レイフ様。夢を見ました」
「そ、それだけか?」
「はい、それだけです」
「なんだ、あんな大声出すもんだから、てっきり大変なことが起きたのかと思ったよ。夢の話、聞かせてくれよ」
「はい。じゃあエメ、一緒にいつもの部屋に行くか」
「俺は先に行って待ってるから、自分のタイミングで来てくれな」
レイフは階段を降りていった。一方エメは、ようやく上半身を起こした。
「ふあーぁ、さて、めんどくさいけど起き上がるか。ラルド、行こうぜ」
二人はいつもの部屋へ向かうため、階段を降りていった。
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