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第三章 ウスト遺跡編
第四十一話 図書館
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「ふふふ、貴様ら、我々の情報を集めようと色んな場所を回ってるみたいだな」
(君たちが何も教えてくれないからじゃないか)
ラルドは昨日見た夢の世界にいた。相変わらず空が黒い。
「今度はベッサ王国の図書館に行こうとしてるみたいだな。だが無駄だ。あんな新しい国に古代文明について記された本などない」
(なんで断定出来るんだ? もしかして君、一度ウスト遺跡から出たことがあるんじゃないか? 番人のくせに)
「ふん。我々が守っているのは古代文明の宝などではない。守っている物を教えたのは、あの女だけだ」
(あの女って……姉さんのことか?)
「さあな。何も教えてやらないよ。とにかく、我々に対処しようとか、ウスト遺跡に眠る物を探し出そうと考えるのはやめておけ。いくら探したって、答えは出ない」
(いいや、僕たちは君たちのことを知って、姉さんを見つけだす。君たちの方こそ、いちいち僕の夢に現れて諦めろ諦めろとしつこく粘着するのをやめるんだ)
ラルドがそう言うと、何かは腹を抱えて笑った。
「ハハハハ! 我々の警告を粘着と受け取るか。それならば仕方ない。いずれウスト遺跡から脱出する方法を見つけて、お前たちを殺しにいけるようになってやる」
(……お前、今、墓穴掘ったな)
「は?」
今度はラルドが腹を抱えて笑った。
(はっはっは! 変な奴だと思ってた君たちが、まさかこんな人間らしいミスをするなんてな。君たちがウスト遺跡から出られないのならば、ウスト遺跡の外から攻撃すれば良いんじゃないか)
「我々の耐久力をなめているのか? 射程の長い呪文の威力なぞたかが知れている」
ラルドはずっと笑っている。
「な、何がおかしいんだ」
(その必死な顔、めちゃくちゃ笑えるぞ、ふはははは! さて、そろそろ目覚めるか)
「ま、待て。何がそんなにおかしいんだ」
(お得意の記憶探りでもしたらどうだ? まあもう僕は目覚めちゃうけどね)
「おい、待……」
ラルドは起きた。小鳥のさえずりが聞こえる。
(とりあえず今日は図書館に行くとして、何かたちを倒す方法を考えよう)
「今日は普通に目覚めたな」
「あ、エメ、おはよう。実は今日も夢に何かが出てきたんだ。そこで、大事な情報を聞いた」
「お前の姉ちゃんの行方か?」
「それとは違うけど、とにかく大事な情報だ。レイフ様たちにもこの話をしようと思ってる」
「そうか。じゃあ、早速あの部屋へ行くぞ」
二人はいつもの部屋に向かうため、階段を降りた。いつもの部屋には、既にレイフたちが集まっていた。あいさつを済ませた後、ラルドは夢で得た情報を話した。
「なるほど。奴らは遺跡から出ないんじゃなくて、出られないんだな」
「それを知ったときは勝ちを確信しましたよ。僕たちにも勝機があるってことですから」
「だからって、どうやってあいつらを攻撃するんだ? 夢で言ってた通り、頑丈だろうし」
「実は、僕が火の呪文を覚えた本があったのは、あの図書館なんです。だから、呪文に関する本を探して、威力の高い呪文の書かれた本を見つければ良いんです。何かたちへの対処法を見つけるより、可能性があると思います」
「そんな恐ろしい呪文が書かれた本があるかしらね?」
「もしもなければ、ジシャン様が僕に一番威力の高い呪文を教えてくれれば良いですよ」
「確かに魔法学校の教師は高威力の呪文を教えてもらえるわ。でも、ラルド君の身体が持つ保証はないわよ。覚悟、出来る?」
「……ちょっと怖いです」
「あまり無理はしないでね。最悪私が撃てば良いから」
「それじゃあ、行くか」
食事を終えた一行はさっさと片付けを済ませ、図書館へ向かった。当然後ろにはカタラたちがくっついている。
(あいつら、図書館にまで入ってくるんじゃないだろうな……)
「ラルド君、初めて図書館に入るときは王の許可が必要なんだ。俺たちが案内するから、謁見の間に行って王から許可をもらってくれないか?」
「わかりました」
城へ着いた一行は、謁見の間へと向かった。
謁見の間では、王が足を組んで頬杖をつきながら座っていた。レイフたちは膝を床につけ、深々と頭を下げた。ラルドとエメもそれを真似する。
「レイフよ、何用じゃ」
「実は、ラルド君を図書館に入れたいと思いまして。あとは、ラルド君の使い魔であるエメ君とオークたちの入室許可もいただきたいです」
「ほう、その子がラルドか。ラルドよ、良く顔を見せておくれ」
「は、はい」
ラルドは立ち上がり、玉座に近づいた。
「こう見ると、本当にサフィアそっくりだな。しかし、テイマー最弱と聞いていたが、まさかオークたちを従えているとは」
「王、それだけではありません。ラルド君はダークホースや竜までテイムしています」
「ポテンシャルはあったのだな。良かろう。図書館を自由に使って良い。ただ、くれぐれも騒いだりしてはいけないぞ」
「ありがとうございます」
一行は立ち上がると、図書館の方へと向かっていった。
「お前たちは城に入る資格はない。立ち去れ」
「なんだとー! テイマーだからって差別してんのか!」
「お前たちの噂は聞いてるぞ。門番に攻撃して、脅したそうじゃないか。そんな奴、危なくて王に会わせることなど出来ない」
「ちっ! もう良い。別の入り口を探してやる。べーだ!」
図書館に着いた一行は、早速散り散りになって呪文の本を探すついでに何かについて記された本も探す。オークたちのおかげで、通常よりもかなり早く本を探すことが出来ている。しかし結果、呪文の本はそれなりに見つかったが、何かについて記された本は見つからなかった。
「これだけ探してないなら、やはり真っ向から立ち向かうしかないな。ラルド君、ジシャン、頼めるか?」
「良いけど、物理担当のあなたたちにも手伝ってもらうわよ」
ラルドとジシャンは、呪文の本を読み漁り、強力な呪文がないか探す。最後の一冊、そこにジシャンの知る最大威力の呪文より更に強い呪文が記されていた。
「ラルド君、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちから聞きたい?」
「良いニュースからお願いします」
「最強の呪文とされる【スーパーノヴァ】についての記述があったわ。悪いニュースは、この呪文、禁忌術みたい」
「禁忌術?」
「あまりにも強すぎて、存在そのものをこの世から消されてしまった呪文のことよ。この本も、使い方の部分だけやぶられてる。ほら」
ラルドはジシャンが前に出した本を見る。確かに、使用方法の欄は破られていた。
「全てを破壊する究極の呪文、スーパーノヴァ……一体どれほどの威力だったんだろう」
「こんな呪文考えるなんて、正気の沙汰じゃないわ。ラルド君、大人しく私が知ってるうちの最強の呪文を使いましょうね」
「はい(スーパーノヴァのこと、知りたかったなぁ……)」
一行は本をしまうと、すぐに城から出ていった。
レイフの家の裏庭で、ジシャンは己の知る最強の呪文をラルドに教えていた。
「良い? この呪文、連発できるようなものじゃないし、魔導機がすぐ近くにないと出せない呪文よ。まあ、私のこれがあれば良いから、場所は関係ないけど」
「はい。それじゃあ早速見せてください」
ジシャンは呼吸を整え、手を前に出し、目をつむった。そして、一瞬カッと目を開き、大爆発を起こした。裏庭に大きな穴が空くほどの威力だった。ジシャンはすぐに周りを元の状態に戻した。
「ふぅ……これはあのとき、クシーが放った呪文よりもう一段強い爆発呪文よ。ラルド君、出来るかしら?」
「やってみます」
ラルドはさっきのジシャンと同じポーズをとる。そして、ジシャンがやったように、一瞬カッと目を開き、爆発を起こす。少しジシャンには劣るが、十分な爆発だった。ジシャンはまた裏庭を元の形に戻した。ラルドは息切れしている。
「はぁ、はぁ……ジシャン様、僕にも出来ました」
「やるじゃない! 爆発の流れは読みにくいのに、上出来よ」
「それじゃあ、明日、これでいきましょう」
「でも、ラルド君、これ、あと何発撃てそう?」
「……良くて二発でしょうか」
「それまでにあの何かが倒れてくれれば良いけど。ま、とにかく明日、頑張りましょ。そろそろお昼にしましょうか」
「はい!」
ラルドとジシャンは、レイフの家へと戻った。
「なんか凄い音が聞こえたから来てみたら、ラルド、あんな呪文を使おうとしてんのか? えげつない呪文を良く教えるな、あの女……」
「カタラ、ラルドが倒れたらすぐに保護できるようにしましょ。あんな呪文、何発も撃ってたら倒れちゃうわ」
「そうだな。あいつらからラルドを奪還する口実にもなる」
(君たちが何も教えてくれないからじゃないか)
ラルドは昨日見た夢の世界にいた。相変わらず空が黒い。
「今度はベッサ王国の図書館に行こうとしてるみたいだな。だが無駄だ。あんな新しい国に古代文明について記された本などない」
(なんで断定出来るんだ? もしかして君、一度ウスト遺跡から出たことがあるんじゃないか? 番人のくせに)
「ふん。我々が守っているのは古代文明の宝などではない。守っている物を教えたのは、あの女だけだ」
(あの女って……姉さんのことか?)
「さあな。何も教えてやらないよ。とにかく、我々に対処しようとか、ウスト遺跡に眠る物を探し出そうと考えるのはやめておけ。いくら探したって、答えは出ない」
(いいや、僕たちは君たちのことを知って、姉さんを見つけだす。君たちの方こそ、いちいち僕の夢に現れて諦めろ諦めろとしつこく粘着するのをやめるんだ)
ラルドがそう言うと、何かは腹を抱えて笑った。
「ハハハハ! 我々の警告を粘着と受け取るか。それならば仕方ない。いずれウスト遺跡から脱出する方法を見つけて、お前たちを殺しにいけるようになってやる」
(……お前、今、墓穴掘ったな)
「は?」
今度はラルドが腹を抱えて笑った。
(はっはっは! 変な奴だと思ってた君たちが、まさかこんな人間らしいミスをするなんてな。君たちがウスト遺跡から出られないのならば、ウスト遺跡の外から攻撃すれば良いんじゃないか)
「我々の耐久力をなめているのか? 射程の長い呪文の威力なぞたかが知れている」
ラルドはずっと笑っている。
「な、何がおかしいんだ」
(その必死な顔、めちゃくちゃ笑えるぞ、ふはははは! さて、そろそろ目覚めるか)
「ま、待て。何がそんなにおかしいんだ」
(お得意の記憶探りでもしたらどうだ? まあもう僕は目覚めちゃうけどね)
「おい、待……」
ラルドは起きた。小鳥のさえずりが聞こえる。
(とりあえず今日は図書館に行くとして、何かたちを倒す方法を考えよう)
「今日は普通に目覚めたな」
「あ、エメ、おはよう。実は今日も夢に何かが出てきたんだ。そこで、大事な情報を聞いた」
「お前の姉ちゃんの行方か?」
「それとは違うけど、とにかく大事な情報だ。レイフ様たちにもこの話をしようと思ってる」
「そうか。じゃあ、早速あの部屋へ行くぞ」
二人はいつもの部屋に向かうため、階段を降りた。いつもの部屋には、既にレイフたちが集まっていた。あいさつを済ませた後、ラルドは夢で得た情報を話した。
「なるほど。奴らは遺跡から出ないんじゃなくて、出られないんだな」
「それを知ったときは勝ちを確信しましたよ。僕たちにも勝機があるってことですから」
「だからって、どうやってあいつらを攻撃するんだ? 夢で言ってた通り、頑丈だろうし」
「実は、僕が火の呪文を覚えた本があったのは、あの図書館なんです。だから、呪文に関する本を探して、威力の高い呪文の書かれた本を見つければ良いんです。何かたちへの対処法を見つけるより、可能性があると思います」
「そんな恐ろしい呪文が書かれた本があるかしらね?」
「もしもなければ、ジシャン様が僕に一番威力の高い呪文を教えてくれれば良いですよ」
「確かに魔法学校の教師は高威力の呪文を教えてもらえるわ。でも、ラルド君の身体が持つ保証はないわよ。覚悟、出来る?」
「……ちょっと怖いです」
「あまり無理はしないでね。最悪私が撃てば良いから」
「それじゃあ、行くか」
食事を終えた一行はさっさと片付けを済ませ、図書館へ向かった。当然後ろにはカタラたちがくっついている。
(あいつら、図書館にまで入ってくるんじゃないだろうな……)
「ラルド君、初めて図書館に入るときは王の許可が必要なんだ。俺たちが案内するから、謁見の間に行って王から許可をもらってくれないか?」
「わかりました」
城へ着いた一行は、謁見の間へと向かった。
謁見の間では、王が足を組んで頬杖をつきながら座っていた。レイフたちは膝を床につけ、深々と頭を下げた。ラルドとエメもそれを真似する。
「レイフよ、何用じゃ」
「実は、ラルド君を図書館に入れたいと思いまして。あとは、ラルド君の使い魔であるエメ君とオークたちの入室許可もいただきたいです」
「ほう、その子がラルドか。ラルドよ、良く顔を見せておくれ」
「は、はい」
ラルドは立ち上がり、玉座に近づいた。
「こう見ると、本当にサフィアそっくりだな。しかし、テイマー最弱と聞いていたが、まさかオークたちを従えているとは」
「王、それだけではありません。ラルド君はダークホースや竜までテイムしています」
「ポテンシャルはあったのだな。良かろう。図書館を自由に使って良い。ただ、くれぐれも騒いだりしてはいけないぞ」
「ありがとうございます」
一行は立ち上がると、図書館の方へと向かっていった。
「お前たちは城に入る資格はない。立ち去れ」
「なんだとー! テイマーだからって差別してんのか!」
「お前たちの噂は聞いてるぞ。門番に攻撃して、脅したそうじゃないか。そんな奴、危なくて王に会わせることなど出来ない」
「ちっ! もう良い。別の入り口を探してやる。べーだ!」
図書館に着いた一行は、早速散り散りになって呪文の本を探すついでに何かについて記された本も探す。オークたちのおかげで、通常よりもかなり早く本を探すことが出来ている。しかし結果、呪文の本はそれなりに見つかったが、何かについて記された本は見つからなかった。
「これだけ探してないなら、やはり真っ向から立ち向かうしかないな。ラルド君、ジシャン、頼めるか?」
「良いけど、物理担当のあなたたちにも手伝ってもらうわよ」
ラルドとジシャンは、呪文の本を読み漁り、強力な呪文がないか探す。最後の一冊、そこにジシャンの知る最大威力の呪文より更に強い呪文が記されていた。
「ラルド君、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちから聞きたい?」
「良いニュースからお願いします」
「最強の呪文とされる【スーパーノヴァ】についての記述があったわ。悪いニュースは、この呪文、禁忌術みたい」
「禁忌術?」
「あまりにも強すぎて、存在そのものをこの世から消されてしまった呪文のことよ。この本も、使い方の部分だけやぶられてる。ほら」
ラルドはジシャンが前に出した本を見る。確かに、使用方法の欄は破られていた。
「全てを破壊する究極の呪文、スーパーノヴァ……一体どれほどの威力だったんだろう」
「こんな呪文考えるなんて、正気の沙汰じゃないわ。ラルド君、大人しく私が知ってるうちの最強の呪文を使いましょうね」
「はい(スーパーノヴァのこと、知りたかったなぁ……)」
一行は本をしまうと、すぐに城から出ていった。
レイフの家の裏庭で、ジシャンは己の知る最強の呪文をラルドに教えていた。
「良い? この呪文、連発できるようなものじゃないし、魔導機がすぐ近くにないと出せない呪文よ。まあ、私のこれがあれば良いから、場所は関係ないけど」
「はい。それじゃあ早速見せてください」
ジシャンは呼吸を整え、手を前に出し、目をつむった。そして、一瞬カッと目を開き、大爆発を起こした。裏庭に大きな穴が空くほどの威力だった。ジシャンはすぐに周りを元の状態に戻した。
「ふぅ……これはあのとき、クシーが放った呪文よりもう一段強い爆発呪文よ。ラルド君、出来るかしら?」
「やってみます」
ラルドはさっきのジシャンと同じポーズをとる。そして、ジシャンがやったように、一瞬カッと目を開き、爆発を起こす。少しジシャンには劣るが、十分な爆発だった。ジシャンはまた裏庭を元の形に戻した。ラルドは息切れしている。
「はぁ、はぁ……ジシャン様、僕にも出来ました」
「やるじゃない! 爆発の流れは読みにくいのに、上出来よ」
「それじゃあ、明日、これでいきましょう」
「でも、ラルド君、これ、あと何発撃てそう?」
「……良くて二発でしょうか」
「それまでにあの何かが倒れてくれれば良いけど。ま、とにかく明日、頑張りましょ。そろそろお昼にしましょうか」
「はい!」
ラルドとジシャンは、レイフの家へと戻った。
「なんか凄い音が聞こえたから来てみたら、ラルド、あんな呪文を使おうとしてんのか? えげつない呪文を良く教えるな、あの女……」
「カタラ、ラルドが倒れたらすぐに保護できるようにしましょ。あんな呪文、何発も撃ってたら倒れちゃうわ」
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