けだものどもの孕み腹

ソウ

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 意識を失い、折り重なって山積みにされる子どもたちを、身を裂かれずに済んだ少年たちが腰を抜かして凝視する。ガタガタ身体を震わせて、顔色を失って嘔吐いている。泣きすぎて涙は枯れたのか、水滴が落ちることない白い頬には涙の痕ができていた。

 自分たちは物だ、玩具だ、人ではないと。

 その現実を受けとめるには十分すぎた。哀れな状況に逆らうものは、逆らえるものはどこにもいない。

 だが、凄惨な光景にも皇帝は動じなかった。ルトを除く最後のひとりがドサッと投げ捨てられるのを、つまらなそうに確認している。手足となって動く獣人たちが、己の後ろに控えるのを黙認した皇帝は、退屈そうに口を開いた。

「人間ども。お前らには後宮で、獣人の子を産んでもらう。ここツエルディング後宮が、お前らの生涯の住処となろう」

 張りのある声は静かながらも、中央から離れたルトの耳まではっきり届く。獣人に抱かれながら、朦朧とするルトの意識が線を結んだ。ツエルディング、という意味を思い出した。そうだ、繁殖だ。ではここは後宮とは名ばかりの、繁殖宿とでもいうのか。

 だがそれはおかしい。ルトを含め、集められたのは少年たちだ。まだ幼く発達が未熟で、男らしい身体つきはしていなくともれっきとした男だ。こうして体内に獣人の種をばら撒かれても、子を孕むなどあるわけがない。

 獣人の精を受けとめるルトの傍で、誰かが囁いた。

「おい、ガキ。俺が、お前をいちばん最初に孕ませてやるからな」

 これは、誰の声だ。――ああ、確か……、名を思い出す前にルトの意識は暗い色に閉ざされた。もうなにも見たくないと、重い瞼を完全に閉ざす。ちっ、という舌打ちが鳴った。

「――おい。聞いてんのか」
「……ッ!」

 ルトの細い身体がいきなりがんっと揺さぶられる。深く埋めた杭を抜けもしないのに、無理やり抜こうと体内で引っ張られたのだ。乱暴に、加減なく獣人が腰を引く。腹に居座る杭は、突きあがる辛さとはまた別の衝撃を細い身体にもたらした。

「ああっ、あっ……いや……っ」
「目ぇ覚めたか? まだ、もうちょいだ……」

 どぽどぽどぽと大量の熱流を体内で受け止めきれば、獣人の猛りがようやく収まりをみせた。くてんと、力を失ったルトの負担など考えもせず、獣人が長い陰茎を勢いよく引き抜く。

「んあ……っ」



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