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照れている弟が可愛すぎるっ!
小説の流れ通り、ルーカスとフィーロの婚約話が持ち上がった。執務室に呼び出されたフィーロは、両親に睨まれて縮み込んでいる。
「父上、フィーロはベータです。アルファのルーカス様と婚約を結ばせるのは無理ではないでしょうか」
フィーロに付き添って話を聞いていたゼンは庇うように反論した。
婚約自体なしになってしまえば出会いを阻止できる。シャノンをルーカスに会わせるのは最終手段だ。
「やけにその役立たずをかばっているそうだな。なにを考えている?」
「弟を可愛がるのは兄の務めです」
冷たい声で言い返すと父親が鼻を鳴らした。
「聖人君子にでもなったつもりか?まぁいい、そいつはオメガとして婚約させる。お前は余計なことをせず黙っていろ」
魔法で凍らせてやろうか?
怒りのせいでこめかみが動いている。フィーロはゼンの怒りを感じ取ったのか、落ち着かせるようにジャケットの裾を掴んできた。
その行動に心が微かに癒された。
「俺も人のことは言えませんが父上はもっとひどい。フィーロ行くぞ。お前の使用人を決めたから会いに行こう」
「は、はい!」
これ以上話をしていたら怒りが増すだけのため、フィーロの手を取って挨拶もせず部屋の外に出た。
怒りで眉間のシワが消えない。それを感じ取っているフィーロが様子をうかがうように何度もこちらへと視線を向けてきた。
「すまない。止まることができなかった」
「お兄様が味方になってくださっただけで嬉しいです。でも婚約なんてしたくありません……」
「俺もまだフィーロには早いと思っている」
ルーカスだけは絶対にだめだ。
前世を思い出す前の意識も残っているからか、ルーカスに対してはあまり良い印象がない。ルーカスという男はいつもゼンの自尊心を刺激しては苛立たせてくる。
でも大丈夫だ。
婚約回避作戦は完璧なのだから。
フィーロの部屋につくと、すでにシャノンが清掃を始めていた。
「シャノンこちらに来い」
「はい!」
手を止めたシャノンが駆け寄ってくる。
窓から射す光がやけに眩しくシャノンのことを照らしていた。ゼンから手を離したフィーロがシャノンへと近づく。
視線はシャノンからそれることはなかった。
(主人公と悪役令息の対面だな……。本当は会わせたくはなかったけれど仕方ない)
フィーロは、オメガでありルーカスの運命の番であるシャノンに嫉妬してひどい嫌がらせをしていた。けれどすでに小説の内容からそれつつある。
「シャノンといいます。これからフィーロ様のお世話をさせていただきます。僕でよろしいでしょうか?」
少し緊張しながらもハキハキと挨拶をしたシャノンを、フィーロがじっと見つめ続ける。
一向に喋ろうとしないためフィーロの背に軽く手を添えると、意識を引き戻したかのように肩を跳ねさせた。
「……あ……その……っ、勝手にすればっ」
そっぽを向いて小さくつぶやいたフィーロは少しだけ照れているようにも見える。
微笑ましい光景にゼンは内心でニヤニヤと頬を緩ませた。
挨拶を終えると、シャノンが仕事のために部屋を出ていく。
「どうしたんだフィーロ」
いつもよりもツンとした態度だったため尋ねると、落ち着かない様子で視線を彷徨わせたフィーロが「可愛かったから……」と小さくつぶやくのが聞こえてきた。
──可愛いのはフィーロだよっっっ!
「そうか」
真顔で返事をしたけれど内心は悶えまくってしまっている。
照れて冷たい態度をとってしまうフィーロがあまりにも可愛くて抱きしめてやりたくなった。
とりあえずこれでもかというほどに頭を撫でくり回してやる。
「仲良くするんだぞ」
「……はい……」
シャノンのことを思い出しているのか、まだ少し頬が赤い。そんなフィーロのことを見守りながら、なんだかんだうまくいきそうだと安心した。
「父上、フィーロはベータです。アルファのルーカス様と婚約を結ばせるのは無理ではないでしょうか」
フィーロに付き添って話を聞いていたゼンは庇うように反論した。
婚約自体なしになってしまえば出会いを阻止できる。シャノンをルーカスに会わせるのは最終手段だ。
「やけにその役立たずをかばっているそうだな。なにを考えている?」
「弟を可愛がるのは兄の務めです」
冷たい声で言い返すと父親が鼻を鳴らした。
「聖人君子にでもなったつもりか?まぁいい、そいつはオメガとして婚約させる。お前は余計なことをせず黙っていろ」
魔法で凍らせてやろうか?
怒りのせいでこめかみが動いている。フィーロはゼンの怒りを感じ取ったのか、落ち着かせるようにジャケットの裾を掴んできた。
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怒りで眉間のシワが消えない。それを感じ取っているフィーロが様子をうかがうように何度もこちらへと視線を向けてきた。
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「俺もまだフィーロには早いと思っている」
ルーカスだけは絶対にだめだ。
前世を思い出す前の意識も残っているからか、ルーカスに対してはあまり良い印象がない。ルーカスという男はいつもゼンの自尊心を刺激しては苛立たせてくる。
でも大丈夫だ。
婚約回避作戦は完璧なのだから。
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「シャノンこちらに来い」
「はい!」
手を止めたシャノンが駆け寄ってくる。
窓から射す光がやけに眩しくシャノンのことを照らしていた。ゼンから手を離したフィーロがシャノンへと近づく。
視線はシャノンからそれることはなかった。
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「シャノンといいます。これからフィーロ様のお世話をさせていただきます。僕でよろしいでしょうか?」
少し緊張しながらもハキハキと挨拶をしたシャノンを、フィーロがじっと見つめ続ける。
一向に喋ろうとしないためフィーロの背に軽く手を添えると、意識を引き戻したかのように肩を跳ねさせた。
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挨拶を終えると、シャノンが仕事のために部屋を出ていく。
「どうしたんだフィーロ」
いつもよりもツンとした態度だったため尋ねると、落ち着かない様子で視線を彷徨わせたフィーロが「可愛かったから……」と小さくつぶやくのが聞こえてきた。
──可愛いのはフィーロだよっっっ!
「そうか」
真顔で返事をしたけれど内心は悶えまくってしまっている。
照れて冷たい態度をとってしまうフィーロがあまりにも可愛くて抱きしめてやりたくなった。
とりあえずこれでもかというほどに頭を撫でくり回してやる。
「仲良くするんだぞ」
「……はい……」
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