『好きピ♡との同棲は心臓に悪いです。』

wacaocacao

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第一章 「同居」

独立

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圭太「じゃあ、一緒に住むか?」

それは突然訪れた。

歩「え!?…いいんですか?」

こんな機会は二度とない。

圭太「当たり前だろ?大切な後輩が困ってるんだから。」

このチャンスは絶対逃しちゃダメだ。

歩「…!よろしくお願いします!」



日曜の朝。

歩「え…?今、なんて?」
歩の母「だーかーらー、明日からは独立してって言ったのよ。」

リビングで寛いでいた僕は、唖然と母さんが言った言葉を聞いていた。

歩「え、なんで?」
歩の母「なんでって、別におかしなこと言ってないわよ?あなたもう高校生なんだし、他の子見習って早く独立してちょうだい。」

確かに、クラスの中で独立してないのは僕くらいだろう。でも僕の家は学校に近いし、弁当だって1人では作れない。

歩「そんなー…」
歩の母「はい、荷物はもうまとめてあるから。」
歩「え!?」

そう言うと、母さんは大きなスーツケースを僕の目の前にドスッと置いた。

歩「ま、待ってよ!僕1人じゃ何も出来ないよ!」
歩の母「だから独立させるんでしょう?いつまでも頼らないでちょうだい。」

母さんは一度決めると、ぜっっったい折れない。きっとどんなに反論しても無駄だろう。

歩「うぅ~…わかったよ。」
歩の母「よろしい。」

せっかくの休みが…部屋探しに時間を取られていく。重い腰を上げて、スーツケースを手に取る。とりあえず、色んな不動産を当たってみた。



不動産A「その条件だと少し難しいですね。」
不動産B「家賃は〇〇万円かかりますが…」
不動産C「未成年だと、ご契約の手続きが沢山ありまして…」

…難しい。思ってたより複雑だ。今まで僕は人に頼って生きてきた。その方が楽で確実だったから。でも実際、独立してみて初めてここまで大変なんだってことを知った。今までの罰が巡ってきたんだろうなぁ。

歩「疲れたー…」

公園のベンチに腰掛けて、ぼーっと空を見上げた。白い雲がゆっくりと青い空を進んでいく。部屋…どうしよう…。

圭太「お、歩か?どした?」

不意に声をかけられた。

歩「あ!先輩!」



圭太「なるほどなー。まぁ、飲め。」
歩「うぅ…グビグビ」
※オレンジジュースです。
歩「僕一人暮らしなんて初めてで、何もかもサッパリわかんなくて…」
圭太「わかるよ。俺にもそういう次期あったからさ。」

先輩は優しい。こんなつまらない話に対して、相槌をうって親身に聞いてくれる。僕の憧れの先輩だ。

歩「先輩、一人暮らしですもんね。」
圭太「おう。俺も最初は、部屋探しにアルバイト、休む暇もなくて目まぐるしい毎日だったよ。」

すると先輩は当時の懐かしい思い出を語り始めた。やっぱり独立って大変だな。と思いつつ、先輩の知らない素顔を知れてちょっぴり嬉しかった。

圭太「あ、悪りぃ。お前の相談に乗ってる途中だったのにな。」
歩「いえいえ!相談に乗ってくれてありがたい限りです!」
圭太「独立かぁ……そうだ!」
歩「え?」



歩「お邪魔しまーす♪」

先輩は、学校から徒歩10分くらいの所にあるアパートに住んでいた。

圭太「ごめんな、ちょっと汚いけど。」
歩「そんなことないですよ!すっごくおしゃれですねー!」

日当たりのいい部屋に、白い壁、高級感のある黒いセミオープンキッチンに、観葉植物。家具やインテリアがおしゃれの塊って感じで、言葉通りすっごくおしゃれな部屋だった。そして僕は思った。

歩「…こんなにいい部屋だと、家賃高いんじゃないんですか?」
圭太「いや~それがびっくり、2万円だったんだよ~。」
歩「え…?」

一瞬、寒気が背中を走った。最低でも5万円くらいはかかるはず。嫌な予感が頭をよぎる。まさか、この部屋…

歩「あのー…この部屋ってもしかして、訳あり…ですか?」
圭太「ん?……あぁ!確か、事故物件って紹介されたよ。」
歩「…」

マジか。僕今日からここに住むの…?ありがたいけど…事故物件だったなんて。僕ビビりなのに…今更断れないよ。

圭太「でも、幽霊とかそういう怪奇現象的なものは住んでて一回も起きてないんだよなぁ。だから、今の今まで忘れてたよ~。」

笑いながら淡々と喋る先輩に、僕は少しだけ安堵した。

歩「えっと、とりあえず…改めて、今日からよろしくお願いします!!」
圭太「アハハ!そんなにかしこまらなくていいよ。俺とお前の仲だろ?後、家では敬語じゃなくてタメ語で喋って欲しいな~。こっちも緊張しちゃう。」
歩「え、でも…」

憧れの先輩相手に、タメ語を使うのはなんとも…嬉しい様な恥ずかしい様な…。

圭太「いいからいいから。な?」
歩「は、はい!」
圭太「『はい』じゃなくて『うん』だろ?」
歩「う…うん///」
圭太「照れてんのか?可愛い奴め!」

そんな平和な会話をしつつ、先輩が物置に使っていた部屋を譲ってもらい、しばらく僕は荷物の整理をして過ごしていた。
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