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11・そ う と う か ん ! !
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結果から言おう。
友鶴事故は事故調査の段階では原因が未解明な部分も多く、結局は水槽試験による各種実験によって原因の推定が行われ、追波という状況下における操艦ミスが原因ではないかとされた。千鳥型水雷艇の性能に起因する原因は見つからず、設計に関してはさすが平賀譲と高い評価を受け、適度に武装面を修正した藤本喜久雄の評価も上がった。
が、平賀譲は無断で他人の設計を横取りした事が決定打となり史実よりも長い現役生活を終え、予備役となる。藤本喜久雄も他人の設計を黙認したうえ、委員会に混乱を振りまいたという咎で停職謹慎が言い渡された。
解せぬ。
まあ、暇なんだからその間に出来ることをやろう。
停職?何それ美味しい定食かな?
謹慎?船の設計に手を出さなければ良いんでしょ?
という事で、この暇な時間で例の57ミリ機関砲に関する画策をやろうと、まずは謎の神さまツールでググって調べ物をしてみた。
そこで分かったことと言えば、かの有名なボフォース40ミリ機関砲って、その砲尾は源流をたどると保式6斤速射砲と同時期に開発されたスウェーデン製6斤速射砲に至るらしい。
そんな砲尾を半自動化し、そこに自動装填機構を備え付けたのが、傑作との呼び声高い60口径40ミリ機関砲であり、第二次大戦後にジェット機に対応して大口径化したのが、知名度の低い60口径57ミリ連装機関砲であるという。
なるほど、そしてさらに漁ってみると実に面白いモノが存在する事を知った。
有名な英国の対戦車砲であるQF6ポンド砲にも自動装填機構を有するモーリンズ砲なるものが存在するらしい。
しかも、軽便で簡易な装置の後付けなので、発射速度も決して高くはないが、常用で20発前後、最大で50発なら、平射砲としては良いんじゃない?それでいてマウント重量は短8センチ高角砲より軽くできるようだ。
という事で、モーリンズ砲を参考に、現行の6斤速射砲に自動装填ユニットを載せられないかと色々画策し、実際に担当部署へと出向くと、その斬新さに驚かれてしまった。
「こんなことが出来るとですか?」
というのがまず第一声だった。
そこから実際に試作をしてもらうと、はじめは上手く作動しなかったが、機構の改善が進むと自動砲として問題なく使えることが分かり、早速適用されることとなり、6斤速射砲Bと称されることと相成った。
そして、6斤速射砲ではさすがに性能不足という事で、砲身に関しても新規開発という方向性が示されたころには、年も暮れを迎えていた。
そんな、停職とは何ぞや?謹慎とは何ぞや?といった事をやっている間の事は半ば公然の秘密状態であり、現場復帰と共に、正式にそこに関わるという、どうにもよく分からない事態とあいなっていた。
直接関わっていなかった間の出来事としては、巡視船モドキの艦種名が口走った掃討という発言から掃討艦に決まったと言われた。
掃討艦の主要な任務は海洋権益の保全、治安維持、犯罪取り締まりだという。
そんな掃討艦である奄美型は千鳥型水雷艇をベースとして設計したアレであり、そもそもが即席の船である。
本格的に掃討艦としての役割を担う目的で一から作る船を満賢君に任せたわけだが、ステップバウ艦首を備え、居住性の向上した構造物が艦上に並ぶ艦容へと変貌している。それはもう史実の占守型海防艦に近いものではないだろうか?
確かに掃討艦とは警備機能強化型巡視船みたいなもんだから、そうなるのは確かなんだがね?
そして、武装も1番12センチ砲の直後に6斤B砲のスポンソンが設けられ、角ばった艦橋を挟んで、構造物左右にも6斤B砲が鎮座し、構造物上に2番12センチ砲、そして、爆風避けの後方に後部6斤B砲その下方に3番12センチ砲という、まあ、配置がかなり海防艦である。
さらに、簡易射撃方位盤を搭載するため、奄美型よりもその射撃能力はかなり高くなるともいう。もちろん、奄美型もB砲への改修が行われる予定だ。
さて、そんな微笑ましい話と共に、とうとう条約脱退が本決まりとなったらしく、駆逐艦は再び特型サイズへと回帰するとの事である。
初春型は何の問題も無く運用できているが、そもそもの要求航続距離を達成できないサイズだったので、用兵側には不満があるらしい。
そして要求された大型駆逐艦だが、コイツには当然ながら、12.7センチ連装砲を搭載する。
しかも、両用砲としても使える完全仕様を搭載するため、史実朝潮型どころか、夕雲型よりも大型化し、全長121m、水線長120m、満載排水量2820トンにもなっている。だって、あの連装砲が重いから。
そして、その連装砲を管制する射撃指揮装置は軽量簡易型ではなく、最新の高射平射両用型の九四式射撃指揮装置になるらしい。これも賢吾君が開発したものであるらしい。もはや海軍は大西兄弟抜きでは立ち行かなくなってるんじゃないか?本当にチート持ちって、憑依付きの藤本氏何ですかね?大西兄弟なんじゃね?
さて、そんな事をやっているうちに1935年も1月が終ろ・・・、え?
歴史は変わってしまったようでござる。
友鶴事故は事故調査の段階では原因が未解明な部分も多く、結局は水槽試験による各種実験によって原因の推定が行われ、追波という状況下における操艦ミスが原因ではないかとされた。千鳥型水雷艇の性能に起因する原因は見つからず、設計に関してはさすが平賀譲と高い評価を受け、適度に武装面を修正した藤本喜久雄の評価も上がった。
が、平賀譲は無断で他人の設計を横取りした事が決定打となり史実よりも長い現役生活を終え、予備役となる。藤本喜久雄も他人の設計を黙認したうえ、委員会に混乱を振りまいたという咎で停職謹慎が言い渡された。
解せぬ。
まあ、暇なんだからその間に出来ることをやろう。
停職?何それ美味しい定食かな?
謹慎?船の設計に手を出さなければ良いんでしょ?
という事で、この暇な時間で例の57ミリ機関砲に関する画策をやろうと、まずは謎の神さまツールでググって調べ物をしてみた。
そこで分かったことと言えば、かの有名なボフォース40ミリ機関砲って、その砲尾は源流をたどると保式6斤速射砲と同時期に開発されたスウェーデン製6斤速射砲に至るらしい。
そんな砲尾を半自動化し、そこに自動装填機構を備え付けたのが、傑作との呼び声高い60口径40ミリ機関砲であり、第二次大戦後にジェット機に対応して大口径化したのが、知名度の低い60口径57ミリ連装機関砲であるという。
なるほど、そしてさらに漁ってみると実に面白いモノが存在する事を知った。
有名な英国の対戦車砲であるQF6ポンド砲にも自動装填機構を有するモーリンズ砲なるものが存在するらしい。
しかも、軽便で簡易な装置の後付けなので、発射速度も決して高くはないが、常用で20発前後、最大で50発なら、平射砲としては良いんじゃない?それでいてマウント重量は短8センチ高角砲より軽くできるようだ。
という事で、モーリンズ砲を参考に、現行の6斤速射砲に自動装填ユニットを載せられないかと色々画策し、実際に担当部署へと出向くと、その斬新さに驚かれてしまった。
「こんなことが出来るとですか?」
というのがまず第一声だった。
そこから実際に試作をしてもらうと、はじめは上手く作動しなかったが、機構の改善が進むと自動砲として問題なく使えることが分かり、早速適用されることとなり、6斤速射砲Bと称されることと相成った。
そして、6斤速射砲ではさすがに性能不足という事で、砲身に関しても新規開発という方向性が示されたころには、年も暮れを迎えていた。
そんな、停職とは何ぞや?謹慎とは何ぞや?といった事をやっている間の事は半ば公然の秘密状態であり、現場復帰と共に、正式にそこに関わるという、どうにもよく分からない事態とあいなっていた。
直接関わっていなかった間の出来事としては、巡視船モドキの艦種名が口走った掃討という発言から掃討艦に決まったと言われた。
掃討艦の主要な任務は海洋権益の保全、治安維持、犯罪取り締まりだという。
そんな掃討艦である奄美型は千鳥型水雷艇をベースとして設計したアレであり、そもそもが即席の船である。
本格的に掃討艦としての役割を担う目的で一から作る船を満賢君に任せたわけだが、ステップバウ艦首を備え、居住性の向上した構造物が艦上に並ぶ艦容へと変貌している。それはもう史実の占守型海防艦に近いものではないだろうか?
確かに掃討艦とは警備機能強化型巡視船みたいなもんだから、そうなるのは確かなんだがね?
そして、武装も1番12センチ砲の直後に6斤B砲のスポンソンが設けられ、角ばった艦橋を挟んで、構造物左右にも6斤B砲が鎮座し、構造物上に2番12センチ砲、そして、爆風避けの後方に後部6斤B砲その下方に3番12センチ砲という、まあ、配置がかなり海防艦である。
さらに、簡易射撃方位盤を搭載するため、奄美型よりもその射撃能力はかなり高くなるともいう。もちろん、奄美型もB砲への改修が行われる予定だ。
さて、そんな微笑ましい話と共に、とうとう条約脱退が本決まりとなったらしく、駆逐艦は再び特型サイズへと回帰するとの事である。
初春型は何の問題も無く運用できているが、そもそもの要求航続距離を達成できないサイズだったので、用兵側には不満があるらしい。
そして要求された大型駆逐艦だが、コイツには当然ながら、12.7センチ連装砲を搭載する。
しかも、両用砲としても使える完全仕様を搭載するため、史実朝潮型どころか、夕雲型よりも大型化し、全長121m、水線長120m、満載排水量2820トンにもなっている。だって、あの連装砲が重いから。
そして、その連装砲を管制する射撃指揮装置は軽量簡易型ではなく、最新の高射平射両用型の九四式射撃指揮装置になるらしい。これも賢吾君が開発したものであるらしい。もはや海軍は大西兄弟抜きでは立ち行かなくなってるんじゃないか?本当にチート持ちって、憑依付きの藤本氏何ですかね?大西兄弟なんじゃね?
さて、そんな事をやっているうちに1935年も1月が終ろ・・・、え?
歴史は変わってしまったようでござる。
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