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第十三話
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デートに誘われなくなってしばらく経った頃、エリヴィラはフィクトルのことを目で追うようになった。好意がバレて開き直ってデートに誘うようになったのに、今度は全く誘わなくなったフィクトルのことがよく分からず、嫌でも気になってしまうのだ。
そういうふうにフィクトルを目で追っていると、時々彼と目が合うことがあった。その時、彼はエリヴィラに対して嬉しそうに微笑みかけるので、エリヴィラは照れてしまって目を逸らす。フィクトルはわざとやっているのだろうか。分からない人だなとエリヴィラは思う。
そんなある日のことだ。久々にフィクトルが声をかけてきた。
「久しぶりにデートに行かないか」
「良いけど、なんで今更?」
「俺にデートに誘われなくなって、エリヴィラが寂しがっているんじゃないかと思ってね」
フィクトルが冗談めかして言った。エリヴィラは顔を赤らめながら反論する。
「寂しがってないけど?!」
「そんなこと言って、俺のことをよく見ていたじゃないか。目が合ったら、恥ずかしそうに目を逸らしていただろう?」
エリヴィラは言い返せず、押し黙った。フィクトルは得意げに笑う。
「何も言えないようだな。では、裏門で待ち合わせしよう」
フィクトルに言われ、エリヴィラは頷いた。
裏門で待ち合わせした二人は、今日は国立公園へと向かうことにした。国立公園は国が運営している公園で、その季節の植物を楽しむことができる。さらに公園内には露店とベンチが設置されているから、植物を見ながら軽食をとれるのだ。
「エリヴィラは何が食べたい?サンドウィッチやクレープ、ケーキもあるぞ」
「えーっと、どれにしよう?」
露店の前で悩んでいると、ホットサンド店の店員が声をかけてきた。
「カップルの方ですか?」
エリヴィラとフィクトルが交際中のカップルに見えたようだ。しかし、二人は付き合っていない。
「まだ付き合ってません」
きっぱりと否定するフィクトル。エリヴィラは「まだ」という言葉が引っかかったが、何も言わなかった。
「お似合いだから、カップルなのかと思ったら……。これはこれは失礼しました」
お似合いと言われ、エリヴィラはフィクトルを見た。すると、フィクトルも彼女の方を見ておりばっちり目が合ってしまった。すぐに二人は顔を逸らす。そんな二人を見て、店員が微笑んだ。
「初々しいお二人にサービスしますから、どうです?うちのホットサンドを食べていきませんか?」
「サービスというのは?」
「飲み物をタダでご提供します」
サービスをしてくれるというので、エリヴィラたちはその言葉に甘えてホットサンドを注文した。
そして、空いているベンチに座ってホットサンドを食べる。
「美味しいな」
フィクトルに言われて、エリヴィラは頷く。
ホットサンドを食べ終わって飲み物を飲んでいると、
「エリヴィラは俺のことをどう思ってる?デートを何度もしているが、気持ちの変化はあったか?」
ととんでもないことをぶっ込んできた。
「いきなり言われても困るんだけど」
「困らせてすまないと思ってる。でも、俺も早くエリヴィラに好きになってほしいんだ」
フィクトルがエリヴィラの手を握る。それをエリヴィラは解かなかった。
「フィクトルとのこと、ちゃんと考えるよ。だから、待っててほしい」
「分かった」
その後、飲み物を飲み終えるまでエリヴィラとフィクトルは他愛のない話をした。
そういうふうにフィクトルを目で追っていると、時々彼と目が合うことがあった。その時、彼はエリヴィラに対して嬉しそうに微笑みかけるので、エリヴィラは照れてしまって目を逸らす。フィクトルはわざとやっているのだろうか。分からない人だなとエリヴィラは思う。
そんなある日のことだ。久々にフィクトルが声をかけてきた。
「久しぶりにデートに行かないか」
「良いけど、なんで今更?」
「俺にデートに誘われなくなって、エリヴィラが寂しがっているんじゃないかと思ってね」
フィクトルが冗談めかして言った。エリヴィラは顔を赤らめながら反論する。
「寂しがってないけど?!」
「そんなこと言って、俺のことをよく見ていたじゃないか。目が合ったら、恥ずかしそうに目を逸らしていただろう?」
エリヴィラは言い返せず、押し黙った。フィクトルは得意げに笑う。
「何も言えないようだな。では、裏門で待ち合わせしよう」
フィクトルに言われ、エリヴィラは頷いた。
裏門で待ち合わせした二人は、今日は国立公園へと向かうことにした。国立公園は国が運営している公園で、その季節の植物を楽しむことができる。さらに公園内には露店とベンチが設置されているから、植物を見ながら軽食をとれるのだ。
「エリヴィラは何が食べたい?サンドウィッチやクレープ、ケーキもあるぞ」
「えーっと、どれにしよう?」
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「カップルの方ですか?」
エリヴィラとフィクトルが交際中のカップルに見えたようだ。しかし、二人は付き合っていない。
「まだ付き合ってません」
きっぱりと否定するフィクトル。エリヴィラは「まだ」という言葉が引っかかったが、何も言わなかった。
「お似合いだから、カップルなのかと思ったら……。これはこれは失礼しました」
お似合いと言われ、エリヴィラはフィクトルを見た。すると、フィクトルも彼女の方を見ておりばっちり目が合ってしまった。すぐに二人は顔を逸らす。そんな二人を見て、店員が微笑んだ。
「初々しいお二人にサービスしますから、どうです?うちのホットサンドを食べていきませんか?」
「サービスというのは?」
「飲み物をタダでご提供します」
サービスをしてくれるというので、エリヴィラたちはその言葉に甘えてホットサンドを注文した。
そして、空いているベンチに座ってホットサンドを食べる。
「美味しいな」
フィクトルに言われて、エリヴィラは頷く。
ホットサンドを食べ終わって飲み物を飲んでいると、
「エリヴィラは俺のことをどう思ってる?デートを何度もしているが、気持ちの変化はあったか?」
ととんでもないことをぶっ込んできた。
「いきなり言われても困るんだけど」
「困らせてすまないと思ってる。でも、俺も早くエリヴィラに好きになってほしいんだ」
フィクトルがエリヴィラの手を握る。それをエリヴィラは解かなかった。
「フィクトルとのこと、ちゃんと考えるよ。だから、待っててほしい」
「分かった」
その後、飲み物を飲み終えるまでエリヴィラとフィクトルは他愛のない話をした。
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