メイドさんは最強の鑑定師

からあげ定食

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序章

はじめに

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背中とは、もう一つの顔である。

背中を預ける、大きな背中を見て育つ──背中には、経験という顔が存在する。
それは技術であったり、包容力であったり、威厳であったり、様々な一面を見せる。
物理的に広い背中、丸まった背中、疲れの溜まった背中。
後姿一つで人の風格は違って見えるものだろう。

野生動物に対し背を向けてはいけない、と言われる。
何故なら、背中に顔があるからだ。
野生に生きるものたちには背中の顔が見えている。
背を向けるということは、己よりも弱者であることを意味する。

さる慎重な男は言った。
曰く、俺の背後に立つな、と。
何故か? 背中に顔があるからだ。
彼の背には、他人に見られてはいけない顔があった。
顔を見られないために、彼は今日も壁を背に立っている。

兎角、背中にある顔というものは、即ちステータス画面のようなもの。
自分では視認しづらい、だからこそ冒険者は日々の鍛錬を欠かさぬ。
人に背中を見られないように、また、見られても困らぬように。


これは、そんな鍛え上げられた背中をメイドさんがリフレついでにステータス鑑定する物語である。
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