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【後編】紫藤香雪の場合
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賢一が絶望の谷底へ落ちることとなってしまったその数時間前、賢一よりも先に絶望している男がいた。
「浅賀ちゃん、今なんて言った?」
「ですから、紫藤さんにはボーイズラブドラマに出演していただきます」
喫茶店の入り口に掛けられたベルは、誰かが扉を開け閉めするたびに心地よい音を奏でる。レトロな趣のある喫茶店は、香雪にとっては大変居心地が良い場所である。
ただし心地よいと感じるのは、香雪にとって好ましい事態を伴っていた場合にのみ、限る。たとえば新たな舞台の話が舞い込んできただとか、活躍を目にした雑誌の編集長によって表紙モデルとして抜擢されただとか、プライベートが充実して趣味の時間を堪能できているだとか。
香雪の今の状況はそのどれにも当てはまってはいなかった。それどころか思いもよらない話が耳に飛び込んできたわけである。故に今の彼にとって、入り口のベルの音は最終宣告を告げる鐘の音に聞こえてしまっていた。
「いや」
香雪はかぶりを振った。目の前には店長自ら淹れてくれた、本日のブレンド。目の前の相手にろくに返答もせず、美しいコーヒーカップを手に取り、一口啜った。やはり店長の焙煎したコーヒーは格別だと、香雪の口から吐息が漏れる。
「なんで?」
けれど気持ちを落ち着かせたところで、香雪の口から飛び出したのは、純粋な疑問のみであった。目の前の担当マネージャー、浅賀は、この味わい深いコーヒーを堪能できる舌を残念ながら持ち合わせていないため、メロンソーダを口に含んでいる。
浅賀は一重のきりっとした瞳で香雪を見つめた。
「最近、どうもオファーの来る配役がマンネリしているような気がして。デビューしてから丸五年、私たち二人三脚で頑張ってきましたけど」
浅賀は香雪が十九のとき、華々しく俳優デビューしたときから付いてきてくれている、頼りになる担当マネージャーだ。淡々と仕事をこなし、香雪に対してときには厳しくも優しく接し、面倒を見てくれている。香雪はこれまで、マネージャーから無茶苦茶な仕事を振られた覚えはない。浅賀は影ながらに香雪の意志をいつでも汲んでくれている有能なマネージャーであり、今の香雪の地位を築き上げた陰の立役者だ。それほど浅賀という人間は、香雪の数少ない信用できる女性なのである。
だからこそ、彼女の言葉に香雪は動揺を隠しきれなかった。
「それで、なんでBL?」
「あら、BLをご存じでしたか」
「知らないわけないでしょ」
進んで楽しむ趣向を持ち合わせているわけではなかったが、いまやボーイズラブは世間に浸透した一大ジャンルと言っても過言ではない。一般常識として、ある程度その言葉がどういったジャンルを指すのか、くらいは一応表現者を生業としている以上、香雪とて知っていた。
「でしたら話が早いですね。この夏から放映予定の月曜深夜ドラマのボーイズラブ作品への出演が決まりました。先方からの熱いオファーということで、オーディションなしですよ。役どころは、ちょっと強引で鼻につくようなナルシスト……これまでのイメージとは程遠いですね。あとは紫藤さんが頷いてくださるだけです」
「待って、浅賀ちゃん」
香雪はテーブルの上のシュガーポットの蓋を開け、角砂糖を手に取った。いつもはブラックを貫くのだが、この時ばかりは口の中に広がる、コーヒー以外の苦みに耐えきれなかった。
ふむ、と浅賀は長い前髪を耳にかき分けた。きつい顔立ちだが華のある美しい女性だと思う。だが一般的に美人と分類されたとしても、彼女には少し突拍子のないところが散見される。
「紫藤さんは、これまで舞台にドラマ、映画とミュージカル。多方面の演劇に携わりつつ、様々なジャンルに挑戦されてきました。それこそデビュー作のミステリ作品を皮切りに、歴史物、サスペンス、青春もの……」
つらつらと並べられた香雪の経歴に嘘偽りはない。浅賀が詰まることなく挙げたのは、香雪が今まで出演してきた舞台や映像作品。この芸歴でここまで経験を積ませてもらっているのは、香雪としては誇らしく、また有難いことでもあった。
なんとなく暇を持て余した大学一年生、町中を歩いていたところ浅賀の目にとまりそのままスカウトされ、あれよあれよと初舞台。付け焼き刃の演技ながらもビジュアルと持ち前の要領の良さで高評価をもらい、以降は順風満帆。脚光を一身に浴びる若手俳優として誰もが羨む道を歩いてきた。
舞台ならばチケットは即日完売、映画もその年の興行収入上位を叩きだし、マスコミは香雪の出演作について、こぞって特集を組む。いまや紫藤香雪の顔と名前を知らない日本人はほとんど居ない。そのおかげでプライベートが無いに近い、仕事にまみれた日常を送っているのだが、香雪はなんら文句もなかった。
「ですがここ一年、まるで型にはまったようなイケメンかつ、手に届かない王子のようなキャラクターの配役ばかり。オファーを出す側はもはや狙っているのでしょう。貴方の顔や立ち姿からイメージするキャラクターを」
くるくるりと、浅賀はメロンソーダに刺さったストローをかき混ぜる。緑色の水の中で細やかな粒がぱちぱちと弾けた。
「ですから、ここで停滞しがちな貴方のキャラクターに風穴を開けたい。このオファーはまたとないビッグチャンスです」
「そこで、俺にボーイズラブに出演してほしいって?」
無茶苦茶だ、と香雪は苦々しい顔で浅賀を睨んだ。だが浅賀は全く動じては居ない。伊達に長年敏腕マネージャーとして時に香雪の尻を蹴飛ばし、マスコミに目を光らせ、「紫藤香雪」という俳優のマネージメントに尽力してきただけのことはある。彼女は眉一つ動かさず冷静にストローを咥えた。飲んでいるのはポップなメロンソーダだが。
「……ボーイズラブ、にわざわざこだらなくてもよくね? 今回のオファーは有難いけど一旦見送らせていただいて。俺側から、型に嵌らないキャラクターのオーディションばんばん受けに行くからさ」
「いえ。ボーイズラブでよろしくお願い致します」
香雪は思わず、がくっと脱力した。
「え、なに? なんで、BLにこだわるの? 別に新たな領域に踏み出すなら、わざわざカテゴライズされたボーイズラブにこだわらなくても」
「――ここだけの話、うちの社長に脅されていまして」
は? と香雪は声を上げた。きらきら光る浅賀のジェルネイルは一ミリの歪みもなく美しい。その彩られた指先がガラスのコップをするするなぞっていく。
「早く紫藤の現状を何とかしろと。売れているうちはいいがその内飽きられてしまう恐れを、社長も危惧していらっしゃいます。ここまで来たら社長をぐっと黙らせる新境地、新たなファン層を掴める起爆剤のような作品に出演頂かなくてはなりません。それこそ、いまや一大市場を誇るBLドラマというジャンルに喜び勇んで踏み入れるくらいは」
香雪はぐっと押し黙った。目の前の恐ろしいマネージャーは暗に言っているのだ。「この現状はオマエに一因があるぞ、決まった役どころしかオファーされない演技ばかりしてるだろう」と実力を咎められている。つまりいまこの場で、香雪に拒否権は無い。言うことを聞いてさっさと首を縦に振れ、NOは許さないといったところであろうか。
さらにはいま「紫藤香雪」というキャラクターをひっくり返すために、オファーの来ているBLドラマ以外を求めるならば、オーディションに参加するしかない。社長を黙らせるような役どころのオーディションに参加したとして、今の実力でオマエは勝ち取れるのか、という問いかけも含んでいた。
実のところ、演技の面で少々スランプに陥っているのは事実だ。だからこそ、ここまで浅賀に言われてしまっては、香雪としては面と向かって言い返す術は残されていないのであった。
ボーイズラブは近年世間に浸透してきたジャンル。若手俳優の登竜門とも言われ、ワンシーズンで必ず一作品は見かけるようにもなった。香雪にとって新たなる領域に踏み出すのは苦ではないが、ここまで挑戦的になる必要はあるのかと反抗心だって浮かぶのだ。
「それとも、ボーイズラブが演じられない理由がほかにおありでしょうか?」
「ないけど……」
ないけれど、香雪は受け取った台本を眺めた。漫画や小説等の原作の存在しない、完全オリジナルの脚本だ。身勝手で、強引すぎるところが非常に魅力的に描かれている。
香雪の困惑はここにある。彼は実体験した経験を伸ばし、糧として演技の飯とする。多少周囲の人間に被害を与えても、自分の能力を伸ばすためならば割り切ってしまう。もちろん、相手には悪いと思えどもこちらの利益優先だ。
今回のドラマはストレートの男性を弄ぶ、遊び人としての役割の強い演技が必要になる。自身がストレートの香雪は男性と密接な関係になったことがない。だからこそ……自分と同じ性別の男をそそのかして、弄ぶ経験をしてみなければ役が作れないのだ。ドラマの脚本を、最低限なぞらなければ。
(そんな、都合のいい存在、引っかけられるかね……。まあ、騙して脅したとしても、相手がストレートなら演技の練習でしたって後でバラしてもそんなに大事にはならないでしょ)
さて、神は誰に味方したのかそれとも面白がったのか、その夜、見事香雪は男を引っかけることになる。
こうして、さまざまな事情が絡み合い、ふたつのすれ違いカップルが誕生した。
男の恋人に振られ傷心の賢一は、香雪を自分と”同類”で、自分に一目ぼれしたのだと思い込み。
香雪はドラマの役作りのため、「薫ちゃん」という女性と付き合っていた”ストレートの男”を引っかけたと思い込んでいる。
互いの誤解のすえにすれ違い、喧嘩し、時に惹かれあい。
真実を明かすとき、騙していた罪と向かい合うことになり。
打算と誤解に塗れた彼らに本当の恋が訪れるのは、いまだ遥か先のことである。
「浅賀ちゃん、今なんて言った?」
「ですから、紫藤さんにはボーイズラブドラマに出演していただきます」
喫茶店の入り口に掛けられたベルは、誰かが扉を開け閉めするたびに心地よい音を奏でる。レトロな趣のある喫茶店は、香雪にとっては大変居心地が良い場所である。
ただし心地よいと感じるのは、香雪にとって好ましい事態を伴っていた場合にのみ、限る。たとえば新たな舞台の話が舞い込んできただとか、活躍を目にした雑誌の編集長によって表紙モデルとして抜擢されただとか、プライベートが充実して趣味の時間を堪能できているだとか。
香雪の今の状況はそのどれにも当てはまってはいなかった。それどころか思いもよらない話が耳に飛び込んできたわけである。故に今の彼にとって、入り口のベルの音は最終宣告を告げる鐘の音に聞こえてしまっていた。
「いや」
香雪はかぶりを振った。目の前には店長自ら淹れてくれた、本日のブレンド。目の前の相手にろくに返答もせず、美しいコーヒーカップを手に取り、一口啜った。やはり店長の焙煎したコーヒーは格別だと、香雪の口から吐息が漏れる。
「なんで?」
けれど気持ちを落ち着かせたところで、香雪の口から飛び出したのは、純粋な疑問のみであった。目の前の担当マネージャー、浅賀は、この味わい深いコーヒーを堪能できる舌を残念ながら持ち合わせていないため、メロンソーダを口に含んでいる。
浅賀は一重のきりっとした瞳で香雪を見つめた。
「最近、どうもオファーの来る配役がマンネリしているような気がして。デビューしてから丸五年、私たち二人三脚で頑張ってきましたけど」
浅賀は香雪が十九のとき、華々しく俳優デビューしたときから付いてきてくれている、頼りになる担当マネージャーだ。淡々と仕事をこなし、香雪に対してときには厳しくも優しく接し、面倒を見てくれている。香雪はこれまで、マネージャーから無茶苦茶な仕事を振られた覚えはない。浅賀は影ながらに香雪の意志をいつでも汲んでくれている有能なマネージャーであり、今の香雪の地位を築き上げた陰の立役者だ。それほど浅賀という人間は、香雪の数少ない信用できる女性なのである。
だからこそ、彼女の言葉に香雪は動揺を隠しきれなかった。
「それで、なんでBL?」
「あら、BLをご存じでしたか」
「知らないわけないでしょ」
進んで楽しむ趣向を持ち合わせているわけではなかったが、いまやボーイズラブは世間に浸透した一大ジャンルと言っても過言ではない。一般常識として、ある程度その言葉がどういったジャンルを指すのか、くらいは一応表現者を生業としている以上、香雪とて知っていた。
「でしたら話が早いですね。この夏から放映予定の月曜深夜ドラマのボーイズラブ作品への出演が決まりました。先方からの熱いオファーということで、オーディションなしですよ。役どころは、ちょっと強引で鼻につくようなナルシスト……これまでのイメージとは程遠いですね。あとは紫藤さんが頷いてくださるだけです」
「待って、浅賀ちゃん」
香雪はテーブルの上のシュガーポットの蓋を開け、角砂糖を手に取った。いつもはブラックを貫くのだが、この時ばかりは口の中に広がる、コーヒー以外の苦みに耐えきれなかった。
ふむ、と浅賀は長い前髪を耳にかき分けた。きつい顔立ちだが華のある美しい女性だと思う。だが一般的に美人と分類されたとしても、彼女には少し突拍子のないところが散見される。
「紫藤さんは、これまで舞台にドラマ、映画とミュージカル。多方面の演劇に携わりつつ、様々なジャンルに挑戦されてきました。それこそデビュー作のミステリ作品を皮切りに、歴史物、サスペンス、青春もの……」
つらつらと並べられた香雪の経歴に嘘偽りはない。浅賀が詰まることなく挙げたのは、香雪が今まで出演してきた舞台や映像作品。この芸歴でここまで経験を積ませてもらっているのは、香雪としては誇らしく、また有難いことでもあった。
なんとなく暇を持て余した大学一年生、町中を歩いていたところ浅賀の目にとまりそのままスカウトされ、あれよあれよと初舞台。付け焼き刃の演技ながらもビジュアルと持ち前の要領の良さで高評価をもらい、以降は順風満帆。脚光を一身に浴びる若手俳優として誰もが羨む道を歩いてきた。
舞台ならばチケットは即日完売、映画もその年の興行収入上位を叩きだし、マスコミは香雪の出演作について、こぞって特集を組む。いまや紫藤香雪の顔と名前を知らない日本人はほとんど居ない。そのおかげでプライベートが無いに近い、仕事にまみれた日常を送っているのだが、香雪はなんら文句もなかった。
「ですがここ一年、まるで型にはまったようなイケメンかつ、手に届かない王子のようなキャラクターの配役ばかり。オファーを出す側はもはや狙っているのでしょう。貴方の顔や立ち姿からイメージするキャラクターを」
くるくるりと、浅賀はメロンソーダに刺さったストローをかき混ぜる。緑色の水の中で細やかな粒がぱちぱちと弾けた。
「ですから、ここで停滞しがちな貴方のキャラクターに風穴を開けたい。このオファーはまたとないビッグチャンスです」
「そこで、俺にボーイズラブに出演してほしいって?」
無茶苦茶だ、と香雪は苦々しい顔で浅賀を睨んだ。だが浅賀は全く動じては居ない。伊達に長年敏腕マネージャーとして時に香雪の尻を蹴飛ばし、マスコミに目を光らせ、「紫藤香雪」という俳優のマネージメントに尽力してきただけのことはある。彼女は眉一つ動かさず冷静にストローを咥えた。飲んでいるのはポップなメロンソーダだが。
「……ボーイズラブ、にわざわざこだらなくてもよくね? 今回のオファーは有難いけど一旦見送らせていただいて。俺側から、型に嵌らないキャラクターのオーディションばんばん受けに行くからさ」
「いえ。ボーイズラブでよろしくお願い致します」
香雪は思わず、がくっと脱力した。
「え、なに? なんで、BLにこだわるの? 別に新たな領域に踏み出すなら、わざわざカテゴライズされたボーイズラブにこだわらなくても」
「――ここだけの話、うちの社長に脅されていまして」
は? と香雪は声を上げた。きらきら光る浅賀のジェルネイルは一ミリの歪みもなく美しい。その彩られた指先がガラスのコップをするするなぞっていく。
「早く紫藤の現状を何とかしろと。売れているうちはいいがその内飽きられてしまう恐れを、社長も危惧していらっしゃいます。ここまで来たら社長をぐっと黙らせる新境地、新たなファン層を掴める起爆剤のような作品に出演頂かなくてはなりません。それこそ、いまや一大市場を誇るBLドラマというジャンルに喜び勇んで踏み入れるくらいは」
香雪はぐっと押し黙った。目の前の恐ろしいマネージャーは暗に言っているのだ。「この現状はオマエに一因があるぞ、決まった役どころしかオファーされない演技ばかりしてるだろう」と実力を咎められている。つまりいまこの場で、香雪に拒否権は無い。言うことを聞いてさっさと首を縦に振れ、NOは許さないといったところであろうか。
さらにはいま「紫藤香雪」というキャラクターをひっくり返すために、オファーの来ているBLドラマ以外を求めるならば、オーディションに参加するしかない。社長を黙らせるような役どころのオーディションに参加したとして、今の実力でオマエは勝ち取れるのか、という問いかけも含んでいた。
実のところ、演技の面で少々スランプに陥っているのは事実だ。だからこそ、ここまで浅賀に言われてしまっては、香雪としては面と向かって言い返す術は残されていないのであった。
ボーイズラブは近年世間に浸透してきたジャンル。若手俳優の登竜門とも言われ、ワンシーズンで必ず一作品は見かけるようにもなった。香雪にとって新たなる領域に踏み出すのは苦ではないが、ここまで挑戦的になる必要はあるのかと反抗心だって浮かぶのだ。
「それとも、ボーイズラブが演じられない理由がほかにおありでしょうか?」
「ないけど……」
ないけれど、香雪は受け取った台本を眺めた。漫画や小説等の原作の存在しない、完全オリジナルの脚本だ。身勝手で、強引すぎるところが非常に魅力的に描かれている。
香雪の困惑はここにある。彼は実体験した経験を伸ばし、糧として演技の飯とする。多少周囲の人間に被害を与えても、自分の能力を伸ばすためならば割り切ってしまう。もちろん、相手には悪いと思えどもこちらの利益優先だ。
今回のドラマはストレートの男性を弄ぶ、遊び人としての役割の強い演技が必要になる。自身がストレートの香雪は男性と密接な関係になったことがない。だからこそ……自分と同じ性別の男をそそのかして、弄ぶ経験をしてみなければ役が作れないのだ。ドラマの脚本を、最低限なぞらなければ。
(そんな、都合のいい存在、引っかけられるかね……。まあ、騙して脅したとしても、相手がストレートなら演技の練習でしたって後でバラしてもそんなに大事にはならないでしょ)
さて、神は誰に味方したのかそれとも面白がったのか、その夜、見事香雪は男を引っかけることになる。
こうして、さまざまな事情が絡み合い、ふたつのすれ違いカップルが誕生した。
男の恋人に振られ傷心の賢一は、香雪を自分と”同類”で、自分に一目ぼれしたのだと思い込み。
香雪はドラマの役作りのため、「薫ちゃん」という女性と付き合っていた”ストレートの男”を引っかけたと思い込んでいる。
互いの誤解のすえにすれ違い、喧嘩し、時に惹かれあい。
真実を明かすとき、騙していた罪と向かい合うことになり。
打算と誤解に塗れた彼らに本当の恋が訪れるのは、いまだ遥か先のことである。
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