上 下
6 / 7

第六話 戻った日常

しおりを挟む
それは突然だった。

「戻るか?元の世界に」

不意にロミオから爆弾発言が投下される。
罠か?とも思ったけど、ロミオの表情は真剣。

「いきなりなんで?」

「いや、俺と離れたくないんならいいんだけどな。俺と離れて寂しいだろ?」

「あ、間に合ってます」

「ちょっと間を開けろ」

「……………………ごめんね」

「そっちじゃない」

知らねーよ。とツッコミを入れたいことが、終わりが見えないから抑える。

「でも、どうして?」

だって、可笑しい。
逃げたら両親殺す、とか言ってた人がいきなり言うか?

「気まぐれ。なんだったらまた攫ったらすむし」

最低だ、こいつ。

「で、どうする?」

「帰るに決まってんでしょ、くそロミオ」

ピキッ…と固まるロミオ。

「調子に乗んなよ、小娘ふぜいが」

「私いなくなったら泣くくせに!!」

「早く帰れ!」

「言われなくても帰るわよ!!」
しおりを挟む

処理中です...