バンクーバーナイト

ミムラ

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後編

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「ミホさん?もう寝た?」

遅い夕食をとって、ゆっくりと順番にお風呂に入り、後からベットに入ってきたリョウくんが私に尋ねる。リョウくんは週末、金曜日と土曜日はほとんど私の家に泊まる。平日も食事を気にしてよくお婆さんの家に帰るようになり、大学の寮には週のうち一日か二日しか帰らなくなったと言っていた。私の家に泊まる時は私が先にベットに入り、壁際に寝る。その後、リョウくんがベットに入ってきて、いつもちょっと恥ずかしそうに私に尋ねるのだ。

「寝てないよ、リョウくん…。」

私もつられてちょっと恥ずかしそうに答える。するとリョウクンは嬉しそうに、私を仰向けにし、顔を覗き込んだら、肩口に顔を埋める。

「1週間、寂しかったよ…。」

率直なリョウくんの言葉に私もグッとくる。

「ミホサンの匂いだ…。」

リョウくんが肩口に顔を埋めたまま囁く、私もリョウくんの肩に手を回す。リョウクンは175cmとアイスホッケーの選手としてはかなり小柄だ。その分全身が見事に鍛え上げられていて、どこを触ってもバネのようだ。

リョウくんが肩口から顔をあげて、私を見つめる。その顔はわかりやすく欲情している。外は寒いが、部屋はセントラルヒーティングで十分に温かく、私もリョウくんもTシャツとスウェットだ。布地を通して固いリョウくんを私も感じる。

「ミホサン…。」

リョウくんに名前を呼ばれながら唇を合わせる。たくみというわけではないが、リョウくんに求められてるのが伝わってくる。リョウくんは若いせいかすごくストレートに私を求めてくれる。その気持ちが嬉しくて、私の体も準備を始める。最初は啄むようだった、リョウくんのキスが深くなる。私が少し舌の動きを合わせてあげると、リョウくんがビクッと反応して、私を抱きしめる手に力が入る。連れてリョウくんの欲情の色が深くなる。貪っても貪っても足りないというように私の唇を味わいながら、リョウくんの手が私のTシャツの中に入ってくる。今日もきっとこうなるだろうなと思っていた私はブラをつけてない。リョウくんは変に焦らしたりせず、それでも優しく私の胸を愛撫する。私は暖かなリョウくんの手のひらを感じて、声が漏れる。

「ミホサン」

私の微かにもれた声が聞こえたのか、リョウくんがほとんど力を込めていないように、私を抱き起こす。正直に言うと、私は世の日本人女性の平均より、ぽっちゃりしている。でもリョウくんはそんな私を華奢なお姫様のように軽々と扱ってくれる。抱き起こした私のTシャツをリョウくんが脱がす。部屋は薄暗いけど、まろびでた私の乳房を見て、リョウくんの欲情が、また増すのがわかる。リョウくんもTシャツを脱ぎ、見事な筋肉をまとった上半身が現れる。リョウくんは私をゆっくりと横たえてから、腕を上に上げさせ、私の二の腕から脇に舌を這わせる。私は恥ずかしいのと快感で身を捩るが、リョウくんが優しく押さえて、それを許してくれない。脇から乳房にかけてのラインが特に私は弱い。リョウくんもそれはわかっていて、執拗に攻めてくる。私の動きを片手で制して、片方の乳房を優しく愛撫しながら、もう片方の胸の頂点をリョウくんが味わい始める。優しく啄むように愛撫され、私は身を捩りながら声を漏らす。

大分と出来上がってきた私の体の向きをリョウくんは軽く調整し、今度は首筋に舌を這わせる。その間も片手での乳房への愛撫は続き、頂点を直接指で挟むように優しく揉み込まれ、私の体に快感が走る。

「ミホサン、綺麗だよ…。」

リョウくんが耳元で囁いた後、私の耳たびを軽く喰む。それからもう一度、リョウくんは、私を正面に向かせ、深いキスをする。片方の手で私を抱き寄せ、自由な方の手が私の下半身に伸びてくる。私の準備が十分整っているのがわかると、もう一度私にキスをしながらスウェットと下着を脱がせにかかる。何も身に纏うものがなくなった私をリョウくんが凝視し息を呑む。私は太ももまで溢れるほど、しっかりと準備ができている自分自身が恥ずかしく、リョウくんを直視できない。

リョウくんはもう我慢ができないと薄いゴムをまとって、私に入ってこようとする。私はこういった経験が豊富でないけれど、リョウくんのそれは少し大きいと思う。ゆっくりと奥まで入ってくると、一杯に満たされたようになり、切なくなってリョウくんをぎゅっと抱きしめる。

「待って、ミホサンっ。今はちょっとそのままでっ…。」

リョウくんの切羽詰まったような声を聞いても、構わず私は力一杯、彼を抱き寄せる。しばらくじっとしたら、リョウくんは何とか大丈夫になったようで、ゆっくりと動き始める。私は私自身を擦り上げられる快感に耐えられなくなり、彼の唇を求める。リョウくんは私とキスをしながらそれでも規則的に動き続ける。しばらく二人の湿った吐息と、淫らなうめき声が続く。私はリョウくんが与えてくれる快感に何もわからなくなって、彼に足を回し、全身でしがみつく。リョウくんは私が力一杯しがみついても気にならないようで、丁寧に動き続ける。でも、その頃にはリョウくんも限界が近くなる。

「ミホサンっ、ミホサンっ…、ああっ、ごめんっ、もうっ」

「いいよっ、リョウくん、私もっ、私もっ、もおおっっ、むっっ!!

「ミホサンっ!!!」

薄い膜を通して、リョウくんの脈動が伝わると、私の我慢できない快感に将来への不安も何もかも飲み込まれていくのであった。


「それで?どうする気だい?」

食卓のテーブルを挟んでお祖母様が僕に尋ねる。

「ずっと待たせるものでも無いよ?」

僕がまだ何も答えていないのに、お祖母様がさらに重ねる。

「分かってる…。」

僕だって、自分の人生で何が大切か、全部分かっている訳じゃないけど、一番が何かくらいは知っている。

「助けてやろうか?」

お祖母様が意地悪く言う。

「いや、まだ大丈夫、でも来年のドラフトがダメならその時は相談するかも…。」

僕がそこまで言うと、お祖母様が満足そうに頷く。

「言っておくけど、あの子を逃したらお前は正真正銘の大馬鹿だよ…。」

お祖母様が駄目をおす。

「分かってるよ…。」

食事がどうとか言うだけではない、彼女といると本当に安らぐ。それが自分自身の人生にとってどれだけ大切か、また彼女が自分を好ましく思ってくれていることがどんなに幸運か僕は知ってる。実際、彼女と関係を持ってから僕の人生は好転したと言っても言い過ぎじゃない。今はまだ自分の力が足りない。でも、来年のドラフトで上位は無理でも指名はされる可能性はかなり高いと思う。プロの選手として超一流になること、長く続けることは難しくても、若いうちに纏まった額の契約金を手にできることは、人生に大きなアドバンテージだと思う。

「そうなれば…。」

僕は彼女に人生を共に歩んで下さいと、胸を張って言えるだろう。
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