25 / 30
第25話
あい。ーー愛?
聞き間違えでなければ、モクレンは今、『愛しい』と言わなかったか。
「……ぶへーーーーーーーーっっ!!」
告白を受けたシルフィアから飛び出したのは感動の言葉ではなく、女性にあるまじき奇声だった。
無意味に立ち上がってオタオタすると、モクレンは心底不思議そうな顔をする。目が合えばますます人語を発することができない。
「うお、だっ、な、あ、おま、」
「いったん落ち着きましょうか、シルフィア様。ホラ、深呼吸してみてください」
見かねた彼に宥められ、何とか呼吸を整える。
けれど背中を撫でられていることに気付くと、シルフィアは素早く距離を取った。
体が燃えるように熱く、もはや動揺を隠しようがない。
「あ、あっ……愛って、いきなりお前……! そんな甘ったるい台詞、よくも真顔で!」
「全然いきなりじゃないですよ。どう考えてもそういう流れだったじゃないですか」
しれっと真顔で返され、シルフィアはわなわなと震えた。なぜ自分ばかり動揺しているのか。
「何でお前そんな冷静なんだよ!? 動揺しすぎなこっちが逆に恥ずかしいだろ!」
吠えた途端に我に返る。
極めて理不尽な文句の上に、不慣れ感が丸出しだ。さすがに情けなさすぎる。
「あああぁもう……というか混乱しすぎて地が、いえ、また荒っぽい口調になってしまったわ……」
どんなに恥ずかしくても、子爵令嬢が『ぶへー!』はまずかったかもしれない。
気持ちが乱高下して定まらないシルフィアに対し、モクレンはあくまで余裕の態度だ。
「いいですよ。どんなあなただって、俺にとっては全てが可愛らしいですから」
「だ、だからよくそんな恥ずかしいことを……」
また憎まれ口を叩こうとするも、ふと照れるばかりで何も応えていないことに気付いた。
「あ、えっと、私もモクレンのこと、す、すす……」
「無理をする必要はないですよ。ーーその分、俺が気持ちを伝えればいいだけですから」
「だ、駄目だ。それじゃ男が廃るだろ」
「あなたは今女性でしょうに」
モクレンが苦笑を漏らし、そっと指先に触れる。シルフィアの動揺を煽らないようにか、ごく慎重な仕草だった。
「ダンスの時、不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。せっかくあなたと踊れたのに、もったいないことをした」
ワルツを終え、気まずい空気で別れたことを思い出す。
自分のせいで楽しいひとときが台無しになったと後悔していたけれど、彼も同じように思ってくれていたのなら、それは少しだけ嬉しい。
「モクレンが謝ることないわ。それも、私自身の考えの甘さが招いたことだもの」
「いいえ、あんなのはただの八つ当たりです」
モクレンは苦しげに首を振った。
「エニシダが言うように、あなたを独占したくて仕方がなかった。大人げない自覚はありましたが、他の男に触れられるなんて我慢できなかったんです」
シルフィアの指先をきつく握り込むと、彼は自らの頬に当てた。確かめるように、反応を窺うように、少しずつ指が移動していく。
頬をなぞり、形のよい薄い唇へ。
緑の瞳がじっとシルフィアを見つめていた。
「あなたはとても魅力的です。きっとこれからも、無自覚に色んな人を惹き付ける。だから目が離せないんですよ」
ややかさついた唇が動くたびに、敏感な指先をくすぐる。吐息は火傷しそうなほど熱かった。
「先ほどは伝えそびれてしまいましたがーーそのドレス、とても似合ってる」
「う、あぅ」
「エニシダの見立てというのが悔しいほどに」
眼差しも声も、何もかもが甘い。
シルフィアはクラクラして、あえぐように口を開いた。
「あ、あなた、何だか手慣れてない……?」
「それは当然でしょう。今の俺はあなたより七歳も上ですから。ーーって、ああ」
モクレンが意地悪げに目を細める。
「確かにボスは二十六歳にもなって、喧嘩ばかりの無味乾燥な日々を送ってましたもんね」
「悪かったな、恋愛経験皆無で!」
クシェルだけならまだしも、前々世の頃も正妻持ちの愛人。まともな恋愛などしたことがなかった。
ーーモクレンは、慣れていて当然か……。
顔立ちが整っている上に真面目で優しく、フィソーロの代表という社会的地位もある。
今さらながら嫉妬が膨れ上がり、泣きたくなった。想いが通じ合った途端に独占欲を剥き出しにするなんて、ひどい傲慢だ。
シルフィアはモクレンの胸に、ポスンと顔を埋めた。
「シ、シルフィア様?」
彼の声が僅かに上ずる。
「……見ないで。あなたの過去に嫉妬して、私すごく醜い女になってるから」
みっともなく、浅ましい。
こんな自分を知られたくなかった。
きっと今、ひどい顔をしている。
俯いたままでにいると、なぜか舌打ちが降ってきた。
「……くそ」
不穏な呟きに顔を上げると、そこには凶悪なほど不機嫌そうな表情があった。
けれどその頬は、驚くほど赤い。
「モクレン、真っ赤……」
「言われなくても分かっています」
ピシャリと言い返され、慌てて口を噤む。
体を離そうとしたが、がっちりと腕が回された。
「少しくらい、優位に立っていたかったのに……」
シルフィアの肩に頭を預け、モクレンが弱々しく呟く。
ーーもしかしてモクレンも、緊張してる……?
髪が首筋をくすぐるけれど、もう怖くなかった。
伝わる鼓動が、シルフィアと同じくらいの早さで脈打っていると分かったから。
彼はため息をつきながら上体を起こした。
「本当は最初から、余裕なんてないですよ。俺の方が好きすぎるに決まってるんですから」
「そんなことないわ。私の方があなたを、す、す……」
どうしても大事なところで詰まってしまうシルフィアに、モクレンはずいと顔を寄せた。
「では、口付けを許してくださいますか?」
「はい!? な、何をいきなり……あ! 今あなた、わざと動揺させようとしてるでしょ!?」
「いけませんか?」
「あっさり認めた! よし、ならばこちらも受けて立つわ! 口付けを許可します!」
「なっ!?」
互いに真っ赤になり、どちらからともなく吹き出した。
「やめましょう。こんな張り合っても意味がないもの」
「そうですね、馬鹿馬鹿しい」
微笑みながら、モクレンの胸に身を預ける。
そこにぎこちなさはなく、溶けるように自然な動作で温度を分かち合う。
もしかしたらこれが彼の目論見なのかもしれない。
おかげで、こうして素直に甘えられる。
「こんな傷だらけの女がいいなんて、相当変わってるわ」
「その程度の傷、一週間もすれば跡形もなくなってますよ。それに万が一残ったとしても」
モクレンの繊細な指が、頬を覆う包帯をなぞった。
「この傷を見るたびに、あなたが勇ましく戦う姿を、思い出すことができますから」
「…………見ていたの!?」
驚きすぎて体を離すと、モクレンは悪びれず笑った。
「あなたが攻撃されているというのに、手を出せないのは非常に歯痒かった」
「嘘でしょ……」
剣さばきは覚束ない上、卑怯な隠し玉で辛勝して。勝利に貪欲で野蛮な姿を、よりにもよってモクレンに見られてしまうなんて。
「恥ずかしい。あなたにだけは見られたくなかった……」
顔を覆うと、彼はシルフィアの金髪をすくい上げた。
「綺麗でしたよ。戦うあなたは誰より目映く、気高い」
「だから……そういう恥ずかしいことをサラリと言わないで。やらないで」
物語の王子様でもあるまいし。
また真っ赤になっているだろう顔を隠すため、シルフィアはのそのそとモクレンの懐に戻った。
彼の清潔な匂いは、不思議と心を穏やかにする。
石鹸と、僅かに消毒薬の香り。
「……まずは、お父様に認めてもらうところからね」
昔からシルフィアの結婚相手を吟味し続けているクロードは、誰より越えがたい難関だろう。
「そうですね。ご領主様がどれほど娘を溺愛しているか、側にいるだけで分かりますから」
彼の表情に、やや疲れの色が混じった。
「何といっても身分の隔たりが障害になるでしょうね。シオンのように貴族の養子になろうにも年齢が行きすぎてますし、かくなる上はそれなりの功績をあげる他ないか」
フィソーロに在籍していればいずれ機会は巡ってくる。その時はシルフィアも協力を惜しむつもりはなかった。
「私も、あなたに見合う人間にならなくてはね」
当然とばかり頷いてみせると、なぜかモクレンは目を見開いて固まってしまった。
そうしてシルフィアをとっくりと眺めたのち、腹を抱えて思いきり笑いだす。
「な、何よ!?」
全開の笑顔も魅力的だけれど、笑われているのが自分だと思うと素直に見惚れることもできない。
シルフィアは眉を寄せてじろりと睨み上げる。
「すみません。身分違いの恋なんて、普通の令嬢ならば泣く泣く諦めるところだろうと思えば、何だかおかしくなってしまって」
彼は銀縁眼鏡をかけ直し、いたずらっぽく目を細める。
「それでこそ、俺のシルフィア様だ」
まるで子ども同士の触れ合いのように、ぎゅむっと無邪気に抱き直される。シルフィアまでおかしくなってきて、声を上げて笑ってしまった。
「当たり前でしょう。何といっても私の人生、これで三度目なのだから」
「ええ。本当に、敵わない」
今はただ、こうしていられる時を大切にしたい。
甘い雰囲気にはほど遠いやり取りさえ、自分達らしいと思えば愛おしいのだから。
目が合うたびに微笑みを交わす。
何気ない幸せを噛み締めながら、シルフィアは穏やかなひとときを過ごした。
聞き間違えでなければ、モクレンは今、『愛しい』と言わなかったか。
「……ぶへーーーーーーーーっっ!!」
告白を受けたシルフィアから飛び出したのは感動の言葉ではなく、女性にあるまじき奇声だった。
無意味に立ち上がってオタオタすると、モクレンは心底不思議そうな顔をする。目が合えばますます人語を発することができない。
「うお、だっ、な、あ、おま、」
「いったん落ち着きましょうか、シルフィア様。ホラ、深呼吸してみてください」
見かねた彼に宥められ、何とか呼吸を整える。
けれど背中を撫でられていることに気付くと、シルフィアは素早く距離を取った。
体が燃えるように熱く、もはや動揺を隠しようがない。
「あ、あっ……愛って、いきなりお前……! そんな甘ったるい台詞、よくも真顔で!」
「全然いきなりじゃないですよ。どう考えてもそういう流れだったじゃないですか」
しれっと真顔で返され、シルフィアはわなわなと震えた。なぜ自分ばかり動揺しているのか。
「何でお前そんな冷静なんだよ!? 動揺しすぎなこっちが逆に恥ずかしいだろ!」
吠えた途端に我に返る。
極めて理不尽な文句の上に、不慣れ感が丸出しだ。さすがに情けなさすぎる。
「あああぁもう……というか混乱しすぎて地が、いえ、また荒っぽい口調になってしまったわ……」
どんなに恥ずかしくても、子爵令嬢が『ぶへー!』はまずかったかもしれない。
気持ちが乱高下して定まらないシルフィアに対し、モクレンはあくまで余裕の態度だ。
「いいですよ。どんなあなただって、俺にとっては全てが可愛らしいですから」
「だ、だからよくそんな恥ずかしいことを……」
また憎まれ口を叩こうとするも、ふと照れるばかりで何も応えていないことに気付いた。
「あ、えっと、私もモクレンのこと、す、すす……」
「無理をする必要はないですよ。ーーその分、俺が気持ちを伝えればいいだけですから」
「だ、駄目だ。それじゃ男が廃るだろ」
「あなたは今女性でしょうに」
モクレンが苦笑を漏らし、そっと指先に触れる。シルフィアの動揺を煽らないようにか、ごく慎重な仕草だった。
「ダンスの時、不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。せっかくあなたと踊れたのに、もったいないことをした」
ワルツを終え、気まずい空気で別れたことを思い出す。
自分のせいで楽しいひとときが台無しになったと後悔していたけれど、彼も同じように思ってくれていたのなら、それは少しだけ嬉しい。
「モクレンが謝ることないわ。それも、私自身の考えの甘さが招いたことだもの」
「いいえ、あんなのはただの八つ当たりです」
モクレンは苦しげに首を振った。
「エニシダが言うように、あなたを独占したくて仕方がなかった。大人げない自覚はありましたが、他の男に触れられるなんて我慢できなかったんです」
シルフィアの指先をきつく握り込むと、彼は自らの頬に当てた。確かめるように、反応を窺うように、少しずつ指が移動していく。
頬をなぞり、形のよい薄い唇へ。
緑の瞳がじっとシルフィアを見つめていた。
「あなたはとても魅力的です。きっとこれからも、無自覚に色んな人を惹き付ける。だから目が離せないんですよ」
ややかさついた唇が動くたびに、敏感な指先をくすぐる。吐息は火傷しそうなほど熱かった。
「先ほどは伝えそびれてしまいましたがーーそのドレス、とても似合ってる」
「う、あぅ」
「エニシダの見立てというのが悔しいほどに」
眼差しも声も、何もかもが甘い。
シルフィアはクラクラして、あえぐように口を開いた。
「あ、あなた、何だか手慣れてない……?」
「それは当然でしょう。今の俺はあなたより七歳も上ですから。ーーって、ああ」
モクレンが意地悪げに目を細める。
「確かにボスは二十六歳にもなって、喧嘩ばかりの無味乾燥な日々を送ってましたもんね」
「悪かったな、恋愛経験皆無で!」
クシェルだけならまだしも、前々世の頃も正妻持ちの愛人。まともな恋愛などしたことがなかった。
ーーモクレンは、慣れていて当然か……。
顔立ちが整っている上に真面目で優しく、フィソーロの代表という社会的地位もある。
今さらながら嫉妬が膨れ上がり、泣きたくなった。想いが通じ合った途端に独占欲を剥き出しにするなんて、ひどい傲慢だ。
シルフィアはモクレンの胸に、ポスンと顔を埋めた。
「シ、シルフィア様?」
彼の声が僅かに上ずる。
「……見ないで。あなたの過去に嫉妬して、私すごく醜い女になってるから」
みっともなく、浅ましい。
こんな自分を知られたくなかった。
きっと今、ひどい顔をしている。
俯いたままでにいると、なぜか舌打ちが降ってきた。
「……くそ」
不穏な呟きに顔を上げると、そこには凶悪なほど不機嫌そうな表情があった。
けれどその頬は、驚くほど赤い。
「モクレン、真っ赤……」
「言われなくても分かっています」
ピシャリと言い返され、慌てて口を噤む。
体を離そうとしたが、がっちりと腕が回された。
「少しくらい、優位に立っていたかったのに……」
シルフィアの肩に頭を預け、モクレンが弱々しく呟く。
ーーもしかしてモクレンも、緊張してる……?
髪が首筋をくすぐるけれど、もう怖くなかった。
伝わる鼓動が、シルフィアと同じくらいの早さで脈打っていると分かったから。
彼はため息をつきながら上体を起こした。
「本当は最初から、余裕なんてないですよ。俺の方が好きすぎるに決まってるんですから」
「そんなことないわ。私の方があなたを、す、す……」
どうしても大事なところで詰まってしまうシルフィアに、モクレンはずいと顔を寄せた。
「では、口付けを許してくださいますか?」
「はい!? な、何をいきなり……あ! 今あなた、わざと動揺させようとしてるでしょ!?」
「いけませんか?」
「あっさり認めた! よし、ならばこちらも受けて立つわ! 口付けを許可します!」
「なっ!?」
互いに真っ赤になり、どちらからともなく吹き出した。
「やめましょう。こんな張り合っても意味がないもの」
「そうですね、馬鹿馬鹿しい」
微笑みながら、モクレンの胸に身を預ける。
そこにぎこちなさはなく、溶けるように自然な動作で温度を分かち合う。
もしかしたらこれが彼の目論見なのかもしれない。
おかげで、こうして素直に甘えられる。
「こんな傷だらけの女がいいなんて、相当変わってるわ」
「その程度の傷、一週間もすれば跡形もなくなってますよ。それに万が一残ったとしても」
モクレンの繊細な指が、頬を覆う包帯をなぞった。
「この傷を見るたびに、あなたが勇ましく戦う姿を、思い出すことができますから」
「…………見ていたの!?」
驚きすぎて体を離すと、モクレンは悪びれず笑った。
「あなたが攻撃されているというのに、手を出せないのは非常に歯痒かった」
「嘘でしょ……」
剣さばきは覚束ない上、卑怯な隠し玉で辛勝して。勝利に貪欲で野蛮な姿を、よりにもよってモクレンに見られてしまうなんて。
「恥ずかしい。あなたにだけは見られたくなかった……」
顔を覆うと、彼はシルフィアの金髪をすくい上げた。
「綺麗でしたよ。戦うあなたは誰より目映く、気高い」
「だから……そういう恥ずかしいことをサラリと言わないで。やらないで」
物語の王子様でもあるまいし。
また真っ赤になっているだろう顔を隠すため、シルフィアはのそのそとモクレンの懐に戻った。
彼の清潔な匂いは、不思議と心を穏やかにする。
石鹸と、僅かに消毒薬の香り。
「……まずは、お父様に認めてもらうところからね」
昔からシルフィアの結婚相手を吟味し続けているクロードは、誰より越えがたい難関だろう。
「そうですね。ご領主様がどれほど娘を溺愛しているか、側にいるだけで分かりますから」
彼の表情に、やや疲れの色が混じった。
「何といっても身分の隔たりが障害になるでしょうね。シオンのように貴族の養子になろうにも年齢が行きすぎてますし、かくなる上はそれなりの功績をあげる他ないか」
フィソーロに在籍していればいずれ機会は巡ってくる。その時はシルフィアも協力を惜しむつもりはなかった。
「私も、あなたに見合う人間にならなくてはね」
当然とばかり頷いてみせると、なぜかモクレンは目を見開いて固まってしまった。
そうしてシルフィアをとっくりと眺めたのち、腹を抱えて思いきり笑いだす。
「な、何よ!?」
全開の笑顔も魅力的だけれど、笑われているのが自分だと思うと素直に見惚れることもできない。
シルフィアは眉を寄せてじろりと睨み上げる。
「すみません。身分違いの恋なんて、普通の令嬢ならば泣く泣く諦めるところだろうと思えば、何だかおかしくなってしまって」
彼は銀縁眼鏡をかけ直し、いたずらっぽく目を細める。
「それでこそ、俺のシルフィア様だ」
まるで子ども同士の触れ合いのように、ぎゅむっと無邪気に抱き直される。シルフィアまでおかしくなってきて、声を上げて笑ってしまった。
「当たり前でしょう。何といっても私の人生、これで三度目なのだから」
「ええ。本当に、敵わない」
今はただ、こうしていられる時を大切にしたい。
甘い雰囲気にはほど遠いやり取りさえ、自分達らしいと思えば愛おしいのだから。
目が合うたびに微笑みを交わす。
何気ない幸せを噛み締めながら、シルフィアは穏やかなひとときを過ごした。
あなたにおすすめの小説
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。
甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。
だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。
それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。
後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース…
身体から始まる恋愛模様◎
※タイトル一部変更しました。
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。