モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したけど、モブに恋愛はムリなので赤ちゃん白竜を育ててみる~

メソポ・たみあ

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第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?

第37話 やってやるもんね!

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「ちょっとノエル! どういうつもり!?」

「え、なにが?」

「さっきのアレよ! どうしてスピカちゃんを私の眷属だなんて……!」

 ロゼは激しく詰め寄ってくる。

 まあそりゃ怒るよね~。
 覚悟はしてました。


 ――マシューに決闘を挑まれたロゼ。

 決闘の内容は互いに眷属ドラゴンを連れ、二体二で争う騎士試合。

 場所は学園の大決闘場。

 『フォルシティ魔導学園』は大勢の貴族が通うため、驚くべきことにマジで決闘場があるんだよな。

 話し合いで決まらなかったらレッツ決闘!ってのはどの世界も同じってことらしい。

 決闘の日時は一週間後。

 そこで「大勢の観客の前で跪かせ、俺こそがアリッサム家に相応しいと示してやる、フハハハ!」とマシューは言っていた。

 相変わらずの小者ムーブだよなぁ。

 ある意味期待を裏切らないというか……。

 ――と言っても、別に俺たちに勝ちフラグが立ってるワケでもないんだけど。

 まあそんなこんなで俺たちはマシューと別れ、庭園でソリンが作ってきてくれた昼食を頬張っていた。

 あ、このサンドイッチ美味しい。

「だけどさ、ああ言っておかなきゃアリッサム家をマシューに乗っ取られてただろ?」

「そ、それは……!」

「スピカと心が通じたんだよ、ロゼを助けたいって」

「きゅーん!」

 うん、私がお姉ちゃんの力になる!
 とロゼの周りをパタパタと飛ぶスピカ。

 そう、俺の背中を押してくれたのは他ならぬスピカなのだ。

 本気でロゼを助けたいという彼女の気持ちを、俺は汲んだに過ぎない。

「……ロゼはさ、俺たちを巻き込みたくなかったんだろ?」

「――っ!」

「キミはマシューが眷属を手に入れたことを知ってたはずだ。にもかかわらず、スピカを自分の眷属にしたいと一度も言わなかった」

「だ、だって……」

「葛藤してたんじゃないか? 俺からスピカを奪う真似はしたくないけど、眷属を探す猶予はもうない。でもマシューにアリッサム家を奪われるワケにもいかない。一体どうしたら――って」

 ロゼはいい奴だ。
 だからなにも言わず、相談もせず、笑顔でスピカと遊んでくれていた。

 このままじゃ自分が破滅するとわかっていても。

 ただ俺とスピカを、アリッサム家の跡目争いに巻き込みたくないがために。

 本当、流石はメインヒロインの風格だよ。

 そんな姿見せられちゃったらさあ、助けないワケにいかないじゃん?

 っていうか力になれそうなの、俺たちしかいないし。

 それにたぶん……ロゼが眷属を作れないのは、ダンプリと同じようにマシューが陰で妨害工作をしてるからだろう。

 アリッサム家がドラゴンの卵を入手できないよう、アレコレ手回ししてるはず。

 それも、なんとかしないとだな。
 いずれにしても放ってはおけない。

 やれやれ……本当、主人公は今頃どこでなにしてるのやら。

 いつか俺の前に現れたら文句言ってやる。

 これお前の仕事やろがい!って。

「俺とスピカが一緒に決めたことだ。ロゼを助けるって。だから一人で抱え込まないでくれ」

「きゅーん♪」

 そうだよ、お姉ちゃん!
 とロゼに頬擦りするスピカ。

 うふふ、お前は本当に優しい子だねぇ。
 お父ちゃん嬉しい。

「それに眷属と言っても主従関係を結ぶだけだし、複数ドラゴンを従えても構わないんだろ?」

「それは、まあ……」

「キミにちゃんとした相棒ができたら、その時はスピカを返してもらうさ」

「……後悔しても知らないから」

「やらない後悔よりなんとやら、ってね」

「……ハァ、相変わらず能天気な奴。でも――本当にありがとう」

「どういたしまして。ほら、早く食べないとサンドイッチなくなるよ」

「そうですよ、ロゼさん。元気を出して、一緒に食べましょう?」

「きゅーん♪」

「あなたたち……。そうね、それじゃ頂きます」

 ロゼはサンドイッチを一つ口に頬張る。
 その瞬間、少しだけ彼女の顔が綻んだように見えた。

「――でも現実的な話、どうするつもりよ」

「どうって?」

「決闘。マシューの剣の腕はともかく、眷属は成長したアース・ドラゴンなのよ? 今のスピカちゃんじゃ騎乗もできないし、勝ち目が――」

「策はある」

「……え?」

「一か八かだけどね。スピカ、今日から決闘に向けて――強化週間を始めるよ」

「きゅきゅーん!」

 やってやるもんね!
 とサンドイッチを食べながら、彼女は意気込むのだった。
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