37 / 98
第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?
第37話 やってやるもんね!
しおりを挟む
「ちょっとノエル! どういうつもり!?」
「え、なにが?」
「さっきのアレよ! どうしてスピカちゃんを私の眷属だなんて……!」
ロゼは激しく詰め寄ってくる。
まあそりゃ怒るよね~。
覚悟はしてました。
――マシューに決闘を挑まれたロゼ。
決闘の内容は互いに眷属を連れ、二体二で争う騎士試合。
場所は学園の大決闘場。
『フォルシティ魔導学園』は大勢の貴族が通うため、驚くべきことにマジで決闘場があるんだよな。
話し合いで決まらなかったらレッツ決闘!ってのはどの世界も同じってことらしい。
決闘の日時は一週間後。
そこで「大勢の観客の前で跪かせ、俺こそがアリッサム家に相応しいと示してやる、フハハハ!」とマシューは言っていた。
相変わらずの小者ムーブだよなぁ。
ある意味期待を裏切らないというか……。
――と言っても、別に俺たちに勝ちフラグが立ってるワケでもないんだけど。
まあそんなこんなで俺たちはマシューと別れ、庭園でソリンが作ってきてくれた昼食を頬張っていた。
あ、このサンドイッチ美味しい。
「だけどさ、ああ言っておかなきゃアリッサム家をマシューに乗っ取られてただろ?」
「そ、それは……!」
「スピカと心が通じたんだよ、ロゼを助けたいって」
「きゅーん!」
うん、私がお姉ちゃんの力になる!
とロゼの周りをパタパタと飛ぶスピカ。
そう、俺の背中を押してくれたのは他ならぬスピカなのだ。
本気でロゼを助けたいという彼女の気持ちを、俺は汲んだに過ぎない。
「……ロゼはさ、俺たちを巻き込みたくなかったんだろ?」
「――っ!」
「キミはマシューが眷属を手に入れたことを知ってたはずだ。にもかかわらず、スピカを自分の眷属にしたいと一度も言わなかった」
「だ、だって……」
「葛藤してたんじゃないか? 俺からスピカを奪う真似はしたくないけど、眷属を探す猶予はもうない。でもマシューにアリッサム家を奪われるワケにもいかない。一体どうしたら――って」
ロゼはいい奴だ。
だからなにも言わず、相談もせず、笑顔でスピカと遊んでくれていた。
このままじゃ自分が破滅するとわかっていても。
ただ俺とスピカを、アリッサム家の跡目争いに巻き込みたくないがために。
本当、流石はメインヒロインの風格だよ。
そんな姿見せられちゃったらさあ、助けないワケにいかないじゃん?
っていうか力になれそうなの、俺たちしかいないし。
それにたぶん……ロゼが眷属を作れないのは、ダンプリと同じようにマシューが陰で妨害工作をしてるからだろう。
アリッサム家がドラゴンの卵を入手できないよう、アレコレ手回ししてるはず。
それも、なんとかしないとだな。
いずれにしても放ってはおけない。
やれやれ……本当、主人公は今頃どこでなにしてるのやら。
いつか俺の前に現れたら文句言ってやる。
これお前の仕事やろがい!って。
「俺とスピカが一緒に決めたことだ。ロゼを助けるって。だから一人で抱え込まないでくれ」
「きゅーん♪」
そうだよ、お姉ちゃん!
とロゼに頬擦りするスピカ。
うふふ、お前は本当に優しい子だねぇ。
お父ちゃん嬉しい。
「それに眷属と言っても主従関係を結ぶだけだし、複数ドラゴンを従えても構わないんだろ?」
「それは、まあ……」
「キミにちゃんとした相棒ができたら、その時はスピカを返してもらうさ」
「……後悔しても知らないから」
「やらない後悔よりなんとやら、ってね」
「……ハァ、相変わらず能天気な奴。でも――本当にありがとう」
「どういたしまして。ほら、早く食べないとサンドイッチなくなるよ」
「そうですよ、ロゼさん。元気を出して、一緒に食べましょう?」
「きゅーん♪」
「あなたたち……。そうね、それじゃ頂きます」
ロゼはサンドイッチを一つ口に頬張る。
その瞬間、少しだけ彼女の顔が綻んだように見えた。
「――でも現実的な話、どうするつもりよ」
「どうって?」
「決闘。マシューの剣の腕はともかく、眷属は成長したアース・ドラゴンなのよ? 今のスピカちゃんじゃ騎乗もできないし、勝ち目が――」
「策はある」
「……え?」
「一か八かだけどね。スピカ、今日から決闘に向けて――強化週間を始めるよ」
「きゅきゅーん!」
やってやるもんね!
とサンドイッチを食べながら、彼女は意気込むのだった。
「え、なにが?」
「さっきのアレよ! どうしてスピカちゃんを私の眷属だなんて……!」
ロゼは激しく詰め寄ってくる。
まあそりゃ怒るよね~。
覚悟はしてました。
――マシューに決闘を挑まれたロゼ。
決闘の内容は互いに眷属を連れ、二体二で争う騎士試合。
場所は学園の大決闘場。
『フォルシティ魔導学園』は大勢の貴族が通うため、驚くべきことにマジで決闘場があるんだよな。
話し合いで決まらなかったらレッツ決闘!ってのはどの世界も同じってことらしい。
決闘の日時は一週間後。
そこで「大勢の観客の前で跪かせ、俺こそがアリッサム家に相応しいと示してやる、フハハハ!」とマシューは言っていた。
相変わらずの小者ムーブだよなぁ。
ある意味期待を裏切らないというか……。
――と言っても、別に俺たちに勝ちフラグが立ってるワケでもないんだけど。
まあそんなこんなで俺たちはマシューと別れ、庭園でソリンが作ってきてくれた昼食を頬張っていた。
あ、このサンドイッチ美味しい。
「だけどさ、ああ言っておかなきゃアリッサム家をマシューに乗っ取られてただろ?」
「そ、それは……!」
「スピカと心が通じたんだよ、ロゼを助けたいって」
「きゅーん!」
うん、私がお姉ちゃんの力になる!
とロゼの周りをパタパタと飛ぶスピカ。
そう、俺の背中を押してくれたのは他ならぬスピカなのだ。
本気でロゼを助けたいという彼女の気持ちを、俺は汲んだに過ぎない。
「……ロゼはさ、俺たちを巻き込みたくなかったんだろ?」
「――っ!」
「キミはマシューが眷属を手に入れたことを知ってたはずだ。にもかかわらず、スピカを自分の眷属にしたいと一度も言わなかった」
「だ、だって……」
「葛藤してたんじゃないか? 俺からスピカを奪う真似はしたくないけど、眷属を探す猶予はもうない。でもマシューにアリッサム家を奪われるワケにもいかない。一体どうしたら――って」
ロゼはいい奴だ。
だからなにも言わず、相談もせず、笑顔でスピカと遊んでくれていた。
このままじゃ自分が破滅するとわかっていても。
ただ俺とスピカを、アリッサム家の跡目争いに巻き込みたくないがために。
本当、流石はメインヒロインの風格だよ。
そんな姿見せられちゃったらさあ、助けないワケにいかないじゃん?
っていうか力になれそうなの、俺たちしかいないし。
それにたぶん……ロゼが眷属を作れないのは、ダンプリと同じようにマシューが陰で妨害工作をしてるからだろう。
アリッサム家がドラゴンの卵を入手できないよう、アレコレ手回ししてるはず。
それも、なんとかしないとだな。
いずれにしても放ってはおけない。
やれやれ……本当、主人公は今頃どこでなにしてるのやら。
いつか俺の前に現れたら文句言ってやる。
これお前の仕事やろがい!って。
「俺とスピカが一緒に決めたことだ。ロゼを助けるって。だから一人で抱え込まないでくれ」
「きゅーん♪」
そうだよ、お姉ちゃん!
とロゼに頬擦りするスピカ。
うふふ、お前は本当に優しい子だねぇ。
お父ちゃん嬉しい。
「それに眷属と言っても主従関係を結ぶだけだし、複数ドラゴンを従えても構わないんだろ?」
「それは、まあ……」
「キミにちゃんとした相棒ができたら、その時はスピカを返してもらうさ」
「……後悔しても知らないから」
「やらない後悔よりなんとやら、ってね」
「……ハァ、相変わらず能天気な奴。でも――本当にありがとう」
「どういたしまして。ほら、早く食べないとサンドイッチなくなるよ」
「そうですよ、ロゼさん。元気を出して、一緒に食べましょう?」
「きゅーん♪」
「あなたたち……。そうね、それじゃ頂きます」
ロゼはサンドイッチを一つ口に頬張る。
その瞬間、少しだけ彼女の顔が綻んだように見えた。
「――でも現実的な話、どうするつもりよ」
「どうって?」
「決闘。マシューの剣の腕はともかく、眷属は成長したアース・ドラゴンなのよ? 今のスピカちゃんじゃ騎乗もできないし、勝ち目が――」
「策はある」
「……え?」
「一か八かだけどね。スピカ、今日から決闘に向けて――強化週間を始めるよ」
「きゅきゅーん!」
やってやるもんね!
とサンドイッチを食べながら、彼女は意気込むのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!
DAI
ファンタジー
【第一部完結!】
99回のさよならを越えた、究極の『ただいま』
99回転生した最強エルフは、のんびり暮らしたいだけなのに――なぜか家族が増えていく。
99回も転生したエルフの魔法使いフィーネは、
もう世界を救うことにも、英雄になることにも飽きていた。
今世の望みはただひとつ。
――森の奥の丸太小屋で、静かにのんびり暮らすこと。
しかしその願いは、
**前世が日本人の少女・リリィ(12歳)**を拾ったことで、あっさり崩れ去る。
女神の力を秘めた転生少女、
水竜の神・ハク、
精霊神アイリス、
訳ありの戦士たち、
さらには――
猫だと思って連れ帰ったら王女だった少女まで加わり、
丸太小屋はいつの間にか“大所帯”に!?
一方その裏で、
魔神教は「女神の魂」と「特別な血」を狙い、
世界を揺るがす陰謀を進めていた。
のんびり暮らしたいだけなのに、
なぜか神々と魔王と魔神教に囲まれていくエルフ。
「……面倒くさい」
そう呟きながらも、
大切な家族を守るためなら――
99回分の経験と最強の魔法で、容赦はしない。
これは、
最強だけど戦いたくないエルフと、
転生1回目の少女、
そして増え続ける“家族”が紡ぐ、
癒しと激闘の異世界スローライフファンタジー。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
『推しの「貧乏騎士」を養うつもりでしたが、正体は「王弟殿下」だったようです。
とびぃ
ファンタジー
応援ありがとうございます。
本作は多くの方にお届けする準備のため、2月6日(金)で、一旦、非公開といたします。
今後の展開については、是非、各電子書籍ストアなどでチェックいただければ幸いです。
短い間でしたが、たくさんのハートとお気に入りを
ありがとうございました。
〜「管理人のふり」をして別荘に連れ込まれましたが、過保護な溺愛が止まりません〜
【作品紹介】社畜根性が染み付いた悪役令嬢、推しの『モブ騎士』を養うつもりが、国の裏支配者に溺愛されていました!?
◆あらすじ
「貴方を、私が養います!」
前世はブラック企業の社畜、現世は借金のカタに「豚侯爵」へ売られそうになっていた伯爵令嬢エリーゼ。
絶望的な状況の中、彼女が起死回生の一手として選んだのは、夜会で誰の目にも留まらずに立っていた「推し」の『背景(モブ)騎士』への求婚だった!
実家を捨て、身分を捨て、愛する推しを支える慎ましいスローライフを夢見て駆け落ちしたエリーゼ。
しかし、彼女は知らなかった。
自分が拾ったその騎士の正体が、実は冷酷無比な『影の宰相』にして、国一番の権力者である王弟殿下レオンハルトその人であることを――!
◆見どころポイント
① 勘違いが止まらない!「福利厚生」という名の規格外な溺愛
逃避行の馬車は王族仕様の超高級車、新居は湖畔の豪華別荘、家事は精鋭部隊(暗殺者)が神速で完遂!
あまりの厚遇に「近衛騎士団の福利厚生ってすごいのね!」と斜め上の解釈で感動する元社畜のエリーゼと、そんな彼女を「俺の全権力を使って守り抜く」と誓うレオンハルト様の、噛み合っているようで全く噛み合っていない甘々な新婚(?)生活は必見です。
② 伝説の魔獣も「わんこ」扱い!?
庭で拾った泥だらけの毛玉を「お洗濯(浄化魔法)」したら、出てきたのは伝説の終焉魔獣フェンリル!
「ポチ」と名付けられ、エリーゼの膝の上を巡ってレオンハルト様と大人気ないマウント合戦を繰り広げる最強のペット(?)との癒やしの日々も見逃せません。
③ 迫りくる追手は、玄関先で「お掃除(物理)」
エリーゼを連れ戻そうと迫る実家の魔手や悪徳侯爵の刺客たち。
しかし、彼らがエリーゼの目に触れることはありません。なぜなら、最強の執事と「お掃除スタッフ」たちが、文字通り塵一つ残さず「処理」してしまうから!
本人が鼻歌交じりにお菓子を焼いている裏で、敵が完膚なきまでに叩き潰される爽快な「ざまぁ」展開をお楽しみください。
◆こんな方におすすめ!
すれ違い勘違いラブコメが好き!
ハイスペックなヒーローによる重すぎる溺愛を浴びたい!
無自覚な主人公が、周りを巻き込んで幸せになる話が読みたい!
悪役たちがコテンパンにされるスカッとする展開が好き!
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる