モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したけど、モブに恋愛はムリなので赤ちゃん白竜を育ててみる~

メソポ・たみあ

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第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?

第43話 最後までキミの味方だよ

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 尋ねると、彼女は首を横に振る。

「いいえ、違うわ。マシューなんてちっとも怖くない。三回半殺しにした上で手足を縛ってマンティコアの檻に放り込めるくらいには、余裕で勝てると思う」

「あ、そう」

 ……怖いよぉ。
 別の意味で怖い。

 それってめちゃくちゃ余裕ってことですよね。

 なんなら楽勝で半殺し以上にできちゃうってことですよね。

 彼女が強いってことはダンプリで知ってるけど、そんな言われ方すると恐怖しか感じないって……。

 今後ロゼと喧嘩するのだけは避けないとな……うん……。

「でも……スピカちゃんや皆が傷付くのが怖いの」

「――え?」

「スピカちゃんがアース・ドラゴンと戦って、無傷でいられる保証なんてどこにもないでしょ?」

「……」

「それにいくら私でも、アース・ドラゴンに騎乗したマシューが相手となれば勝てる自信なんてない……。でも私が負ければ、私に味方したノエルたちにも危害が及ぶわ」

 ……それは、確かにそうだろう。

 ロゼがマシューとの一対一に負けるとは思えないが、”アース・ドラゴンに騎乗したマシュー”が相手となれば話が違う。

 もしもスピカが先にアース・ドラゴンに敗れてしまえば、その時点で勝敗が決まる可能性がかなり濃厚。

 そしてなにより……この決闘はぶっちゃけ権力争いだ。

 負けた方があらゆる意味で立場を失うことになる。

 ロゼは勿論、俺やソリンも”アリッサム家当主に歯向かった愚か者”として後ろ指を指されることになるだろう。

 学園から追放される可能性だってある。

 貴族にとって『フォルシティ魔導学園』から追われることは、落ちこぼれのレッテルを張られるのと同義。

 それは名誉や肩書きを重んじる貴族社会から村八分にされることを意味する。

 いくら俺が辺境貴族だとしても、影響は免れない。

 おそらく家名を汚した罰として、両親は俺をリントヴルム家から追放するだろうな。

 だけど――

「……ロゼ、これだけは言っておく」

「……?」

「仮にどんな結果になろうと……俺もスピカも、最後までキミの味方・・・・・だよ」

「――ッ!」

 ロゼはとても驚いた顔をした。

 もしかしたら予想外の言葉だったのかもしれない。

「俺はドラゴンに優しくしてくれる人が好きなんだ。スピカもきっとそう。遊んでくれるロゼのことが大好きなはずだよ」

「で、でも……!」

「味方でいる理由なんてそれで十分。だからキミは、自分を信じて堂々と戦ってくれればいい」

 ――きっと不安だったはずだ。
 重責を感じていたはずだ。

 自分の敗北が、友人の人生を台無しにしてしまうかもしれない。

 自分のことはいい。
 でも大事な友達が不幸になるなんて、耐えられない――。

 どうせそんなことを思っていたのだろう。

 そこまで思い詰めることないのに。

「あ、そうだ! 万が一負けたら辺境でドラゴン調教師として一緒に開業しようよ。きっと楽しいって! ん、でもそれだとロゼの剣術がイマイチ生かせないか……? だったら――」

「……フフっ」

 クスッとロゼが笑った。
 
「あなた……やっぱり変わってるわ。本当に頭の中がドラゴンでいっぱいなのね」

「褒め言葉として受け取っておくよ」

「ええ、褒めてる。なんだか気が楽になっちゃった」

 ロゼはそう言うと、俺を正面に見据える。

「……ノエル、私必ず勝つわ。頑張ってくれたスピカちゃんのためにも、必ず」

「ああ、信じてるよ。それに――スピカのこともね」

 ――今日でスピカもなんとか仕上がる・・・・だろう。

 できるだけのことはやった。

 あとは――本番あるのみ。
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