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第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?
第45話 とっておき
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ワアアアアアッ!という歓声と共に、双方は駆け出した。
中でも動きが速かったのはスピカである。
「きゅーん!」
先手必勝!
と〔コメット・アタック〕を発動し、眩い閃光と共に彼女は突撃する。
『おおーっと、最初に仕掛けたのはスピカ選手だ! 光のように速い攻撃! これは避けられない!』
ミスミが解説してくれる。
その言葉通り、攻撃はアース・ドラゴンの背中に直撃。
しかし――
「ブオオォォ……」
防御力に秀でる彼には有効なダメージとならず、逆に尻尾を振って反撃。
辛うじてスピカはそれを回避した。
『ふぅ~む、どうやらスピカちゃんのレベルはアース・ドラゴンに大きく劣っているようじゃの?』
続けて解説するデイヴィス学園長。
まあ、今の攻防を見ればすぐ気付きますよね……。
「やっぱり弱点属性以外の攻撃じゃ通用しないか……!」
――歯痒い。
でも――まだだ。
まだだよ、スピカ。
仕掛けるチャンスを待つんだ。
その時は、いずれ必ずやって来る。
ドラゴン同士が戦いを始めるのに少し遅れて、ロゼとマシューの剣がキインッ!と噛み合う。
「見くびらないことね、マシュー! あなたの剣の腕じゃ私には勝てないわよ!」
「……ああ、そうだな。知っているとも」
「――なん……!?」
「勝てないからどうした? 負けなければいいだけの話だろう?」
刃と刃が鍔迫り合う中、マシューは口の両端を吊り上げた。
「負けないよう時間さえ稼げば、アース・ドラゴンがあのクソチビを始末して加勢に来る。それでゲームセットだ」
「あなた……! それでも誇り高い騎士!? 本当に貴族の端くれなの!?」
「勿論! 少なくともお前よりは、アリッサム家当主に近い立場だなぁ!」
――まるでおちょくるような防御一辺倒。
たまに踏み込んで攻撃するような素振りこそ取るが、あくまで見せかけ。
自分は戦っていますよというパフォーマンスだ。
『ロゼ選手、マシュー選手の防御を切り崩せなーい! 攻めあぐねているー!』
『おおう、ベイベー……こいつはとんだ茶番だぜ……』
『……』
マシューの意図に気付いたのか、険しい表情を見せるコボルト村長とデイヴィス学園長。
一方その頃――ドラゴン同士の戦いには、変化が見え始めていた。
「きゅーんッ!」
「ブオオォォォッ!」
果敢に攻撃を繰り出し合う両者。
しかしスピカの攻撃はダメージが通らず、アース・ドラゴンの攻撃は素早く回避するスピカに当たらない。
速度優勢と防御優勢の、まさしく一進一退。
そんな予断を許さない状況下で、先にしびれを切らしたのは――アース・ドラゴンだった。
「オオォォ……!」
唸るような咆哮と同時に、アース・ドラゴンの尻尾の先端が肥大化。
まるで巨大ハンマーのような形状となる。
きた――!
このタイミングを待ってたんだ!
「きゅきゅーんッ!!!」
スピカはアース・ドラゴンの動きを見極め、回避に集中。
次の瞬間――
「ブゥオオオオォォォッ!!!」
アース・ドラゴンは上空へ飛び上がり――スピカ目掛け、ハンマー化した尻尾を全力で振り下ろした。
アース・ドラゴン種がもっとも得意とする技であり、一撃必殺の威力を誇る〔ハンマー・テイル〕である。
「きゅぅーんッ!」
直撃すれば致命傷は必至。
だが攻撃を読んでいた彼女は素早く動き、回避に成功。
けれど――
ズドオオオォォンッッッ!!!
「きゅう……っ!?」
振り下ろされた尻尾が地面を叩き割り――その衝撃で飛び散った石つぶてが、スピカを襲った。
ダメージを負った彼女は、力なく地面へと落ちる。
「――ッ! スピカ!」
彼女の小さな身体は、一時ピクリとも動かなくなる。
しかし動けないのは、アース・ドラゴンも一緒だった。
「ブオオォ……!」
肥大化した尻尾が地面にめり込み、抜けなくなっているのだ。
〔ハンマー・テイル〕は強力無比な技だが、その分隙が非常に大きい。
当たらなければ終わりという諸刃の剣なのだ。
――俺がスピカに伝えていた作戦は、この技を誘発させて隙を突くこと。
そして今、その隙が生まれた。
この戦い――先に動いた方が勝つ。
「スピカ……! 立て、立つんだ!」
立つんだ――。
立ってくれ――。
キミなら立ち上がれる――。
だって――ロゼのために、あんなに頑張ってきたんだから!
「…………きゅーん……!」
白色の鱗に覆われた小さな身体が、ゆっくりと起き上がる。
負ける、もんか……!
そんな強い想いを、足と翼に込めて。
そして――彼女は翼をはためかせ、宙へと舞い上がった。
「きゅーんッ!!!」
スピカの白い翼が、真っ赤に燃え上がる。
不死鳥を思わせる灼熱の炎をまとい、彼女は天高くから滑空。
彼女の新しい技――〔クリムゾン・ウイング〕だ。
「いっけえええええええッ!」
この瞬間のために取っておいた、スピカの新必殺技。
その一撃は、アース・ドラゴンの脇腹へと直撃した。
中でも動きが速かったのはスピカである。
「きゅーん!」
先手必勝!
と〔コメット・アタック〕を発動し、眩い閃光と共に彼女は突撃する。
『おおーっと、最初に仕掛けたのはスピカ選手だ! 光のように速い攻撃! これは避けられない!』
ミスミが解説してくれる。
その言葉通り、攻撃はアース・ドラゴンの背中に直撃。
しかし――
「ブオオォォ……」
防御力に秀でる彼には有効なダメージとならず、逆に尻尾を振って反撃。
辛うじてスピカはそれを回避した。
『ふぅ~む、どうやらスピカちゃんのレベルはアース・ドラゴンに大きく劣っているようじゃの?』
続けて解説するデイヴィス学園長。
まあ、今の攻防を見ればすぐ気付きますよね……。
「やっぱり弱点属性以外の攻撃じゃ通用しないか……!」
――歯痒い。
でも――まだだ。
まだだよ、スピカ。
仕掛けるチャンスを待つんだ。
その時は、いずれ必ずやって来る。
ドラゴン同士が戦いを始めるのに少し遅れて、ロゼとマシューの剣がキインッ!と噛み合う。
「見くびらないことね、マシュー! あなたの剣の腕じゃ私には勝てないわよ!」
「……ああ、そうだな。知っているとも」
「――なん……!?」
「勝てないからどうした? 負けなければいいだけの話だろう?」
刃と刃が鍔迫り合う中、マシューは口の両端を吊り上げた。
「負けないよう時間さえ稼げば、アース・ドラゴンがあのクソチビを始末して加勢に来る。それでゲームセットだ」
「あなた……! それでも誇り高い騎士!? 本当に貴族の端くれなの!?」
「勿論! 少なくともお前よりは、アリッサム家当主に近い立場だなぁ!」
――まるでおちょくるような防御一辺倒。
たまに踏み込んで攻撃するような素振りこそ取るが、あくまで見せかけ。
自分は戦っていますよというパフォーマンスだ。
『ロゼ選手、マシュー選手の防御を切り崩せなーい! 攻めあぐねているー!』
『おおう、ベイベー……こいつはとんだ茶番だぜ……』
『……』
マシューの意図に気付いたのか、険しい表情を見せるコボルト村長とデイヴィス学園長。
一方その頃――ドラゴン同士の戦いには、変化が見え始めていた。
「きゅーんッ!」
「ブオオォォォッ!」
果敢に攻撃を繰り出し合う両者。
しかしスピカの攻撃はダメージが通らず、アース・ドラゴンの攻撃は素早く回避するスピカに当たらない。
速度優勢と防御優勢の、まさしく一進一退。
そんな予断を許さない状況下で、先にしびれを切らしたのは――アース・ドラゴンだった。
「オオォォ……!」
唸るような咆哮と同時に、アース・ドラゴンの尻尾の先端が肥大化。
まるで巨大ハンマーのような形状となる。
きた――!
このタイミングを待ってたんだ!
「きゅきゅーんッ!!!」
スピカはアース・ドラゴンの動きを見極め、回避に集中。
次の瞬間――
「ブゥオオオオォォォッ!!!」
アース・ドラゴンは上空へ飛び上がり――スピカ目掛け、ハンマー化した尻尾を全力で振り下ろした。
アース・ドラゴン種がもっとも得意とする技であり、一撃必殺の威力を誇る〔ハンマー・テイル〕である。
「きゅぅーんッ!」
直撃すれば致命傷は必至。
だが攻撃を読んでいた彼女は素早く動き、回避に成功。
けれど――
ズドオオオォォンッッッ!!!
「きゅう……っ!?」
振り下ろされた尻尾が地面を叩き割り――その衝撃で飛び散った石つぶてが、スピカを襲った。
ダメージを負った彼女は、力なく地面へと落ちる。
「――ッ! スピカ!」
彼女の小さな身体は、一時ピクリとも動かなくなる。
しかし動けないのは、アース・ドラゴンも一緒だった。
「ブオオォ……!」
肥大化した尻尾が地面にめり込み、抜けなくなっているのだ。
〔ハンマー・テイル〕は強力無比な技だが、その分隙が非常に大きい。
当たらなければ終わりという諸刃の剣なのだ。
――俺がスピカに伝えていた作戦は、この技を誘発させて隙を突くこと。
そして今、その隙が生まれた。
この戦い――先に動いた方が勝つ。
「スピカ……! 立て、立つんだ!」
立つんだ――。
立ってくれ――。
キミなら立ち上がれる――。
だって――ロゼのために、あんなに頑張ってきたんだから!
「…………きゅーん……!」
白色の鱗に覆われた小さな身体が、ゆっくりと起き上がる。
負ける、もんか……!
そんな強い想いを、足と翼に込めて。
そして――彼女は翼をはためかせ、宙へと舞い上がった。
「きゅーんッ!!!」
スピカの白い翼が、真っ赤に燃え上がる。
不死鳥を思わせる灼熱の炎をまとい、彼女は天高くから滑空。
彼女の新しい技――〔クリムゾン・ウイング〕だ。
「いっけえええええええッ!」
この瞬間のために取っておいた、スピカの新必殺技。
その一撃は、アース・ドラゴンの脇腹へと直撃した。
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