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セールストーク
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△▼△▼△▼△▼
「驚くのも無理はないがの?なっちまったもんはしょうがないんよ。神様直々に認められるなんて滅多にない事さ、誇りな!!」
ヒッヒッと魔女笑いをしながら機嫌良さそうに語りかけるテン婆さん
「お婆ちゃん、主ど…/// 轟さんは何もわからないんだからもっと初めの方から説明しないと!」
真美さんナイス!
あと主殿って呼ばれるのも変な感じだったので名字で呼んでくれるのもナイスです!
ここに来て評価うなぎ登りの真美さんである
「真美さんの言う通りです、とりあえずどうしてこうなったのかとこれからどうすればいいのかを教えてくれませんか??」
前者よりは後者の方が聞きたいが、順を追って説明した方が理解しやすいのが世の常だ
栄治は今までの常識を取っ払って話を聞く体制を整えた
「そうさね、そしたらまず常世神様の話になるねぇ。常世神様は人の信じる力である“信念”を司っておられる御一柱さ」
「信じる力…願えば叶うって事ですか?」
とんでもない御利益に思わず聞き返してしまう
「当たらずとも遠からずかの、確かに願えば叶うがそれは“信念”をもった行動の結果じゃ。常世神様が直接願いを叶える事は無い」
そりゃそうだと納得する
「しかし人々は神を信仰する。かつて常世神様は祀るだけで富と長寿が授けられると曲解されて多く広まるも、願うだけの者に富がやって来るはずもなく勝手に望まれ願われ、そして恨まれた」
「うわぁ…」
思わず声が出てしまった
顔も大いに顰めていることだろう
「哀しみに暮れた常世神様は僅かばかりの巫女と禰宜にこの場所を託し、お隠れになられたのさ」
「補足しますと当時の宮司は常世神様の事をわざと歪めて教え広め、信者から金を巻き上げていた為に天罰が下り一族郎党全て廃れています」
真美さんの補足に胸がスッとする
「巫女は常世神様を祀り続け、鎮めた。そして忘れてはならぬ過去とこの土地を永劫継承していくものと思っていたのじゃが、そこに主様が現れての」
テン婆さんは俺をチラリと見る
「試しに契約してみたら成立したから驚いたよものよ!ヒッヒッ!その時点で主殿は宮司見習いとして認められ、ここに住んで徳を積み、来たるべき日に宮司となる予定…いやもうなったのじゃが」
「精々入社して3年くらいとの神託だったのよ?それがいきなり今朝になるわこの場所も“聖域”になってて繋がりが無いと入れないだわで…」
テン婆さんも真美さんも喋りだすが
「すみません、その“聖域”とか“繋がり”とかのシステムがよくわかっていなくて…」
噛み砕けない疑問をそのままぶつけた
「あぁすまないね、“聖域”とは現世から切り離された神々の自室のようなものさ。“繋がり”が無いと見ることさえ出来ない場所の事だね」
「わかりやすいのは神隠しでしょうか、人が“聖域”に迷い込んだり招かれたりして帰らないとそうなります」
「なるほど」
「主殿も今神隠しの状態と言えるのぅ」
「なるほどません」
テン婆さんの説明と真美さんの補足に納得するもの聞き捨てならない事を言われて変な言葉が出た
真美さんがクスクス笑っている
ちょっと嬉しい
「我が相模商事は社の維持と巫女と禰宜らの生活の為に創設されたこの世で唯一の常世神様の加護を受ける会社なのですが、あまり目立ち過ぎると欲に塗れた人間が沸いて常世神様のトラウマを刺激してしまうので敢えて中堅で止まっています」
いきなり真美さんが会社の裏事情を話し始める
「常世神様は轟さんを大層お気に召したらしく、轟さんの“信念”である仕事をバリバリやって貰いたいのは山々なのですが、この世ではもう目立ちたく無い」
「なるほど」
「そこで異世界です」
「なるほどません」
ツボに入ったのか真美さんが吹き出した
テン婆さんも大笑いしている
あまり嬉しく無い
つまり異世界で商人として物を売り、その世界でバリバリ働けって事か?“現地”ってのはその世界の事ね
「何かあったら【直帰】して下さい、危険な事があっても“労災”で死ぬ事なくこの部屋に帰れます」
任意で姿を晦ますことも出来るし
不意打ち食らっても大丈夫ってことか!
“労災”は補償じゃなくて保証なんだな
そいつは安心だ
って
「普通に命狙われるって事ですよね!?」
「剣と魔法の世界はそうなりがちらしいです」
「魔法が廃れて化学が発展したこの世界が特殊なくらいじゃからのう」
「だからこそチャンスでもあるんですよ!轟さん!脳筋世界は発展し辛く、こちらのように効率的に品物を作る事が出来ません。更に輸送はコストも時間もかけずに【直行】出来ます!儲からない訳がありません!」
うん?楽しそうに思えてきたぞ?
「驚くのも無理はないがの?なっちまったもんはしょうがないんよ。神様直々に認められるなんて滅多にない事さ、誇りな!!」
ヒッヒッと魔女笑いをしながら機嫌良さそうに語りかけるテン婆さん
「お婆ちゃん、主ど…/// 轟さんは何もわからないんだからもっと初めの方から説明しないと!」
真美さんナイス!
あと主殿って呼ばれるのも変な感じだったので名字で呼んでくれるのもナイスです!
ここに来て評価うなぎ登りの真美さんである
「真美さんの言う通りです、とりあえずどうしてこうなったのかとこれからどうすればいいのかを教えてくれませんか??」
前者よりは後者の方が聞きたいが、順を追って説明した方が理解しやすいのが世の常だ
栄治は今までの常識を取っ払って話を聞く体制を整えた
「そうさね、そしたらまず常世神様の話になるねぇ。常世神様は人の信じる力である“信念”を司っておられる御一柱さ」
「信じる力…願えば叶うって事ですか?」
とんでもない御利益に思わず聞き返してしまう
「当たらずとも遠からずかの、確かに願えば叶うがそれは“信念”をもった行動の結果じゃ。常世神様が直接願いを叶える事は無い」
そりゃそうだと納得する
「しかし人々は神を信仰する。かつて常世神様は祀るだけで富と長寿が授けられると曲解されて多く広まるも、願うだけの者に富がやって来るはずもなく勝手に望まれ願われ、そして恨まれた」
「うわぁ…」
思わず声が出てしまった
顔も大いに顰めていることだろう
「哀しみに暮れた常世神様は僅かばかりの巫女と禰宜にこの場所を託し、お隠れになられたのさ」
「補足しますと当時の宮司は常世神様の事をわざと歪めて教え広め、信者から金を巻き上げていた為に天罰が下り一族郎党全て廃れています」
真美さんの補足に胸がスッとする
「巫女は常世神様を祀り続け、鎮めた。そして忘れてはならぬ過去とこの土地を永劫継承していくものと思っていたのじゃが、そこに主様が現れての」
テン婆さんは俺をチラリと見る
「試しに契約してみたら成立したから驚いたよものよ!ヒッヒッ!その時点で主殿は宮司見習いとして認められ、ここに住んで徳を積み、来たるべき日に宮司となる予定…いやもうなったのじゃが」
「精々入社して3年くらいとの神託だったのよ?それがいきなり今朝になるわこの場所も“聖域”になってて繋がりが無いと入れないだわで…」
テン婆さんも真美さんも喋りだすが
「すみません、その“聖域”とか“繋がり”とかのシステムがよくわかっていなくて…」
噛み砕けない疑問をそのままぶつけた
「あぁすまないね、“聖域”とは現世から切り離された神々の自室のようなものさ。“繋がり”が無いと見ることさえ出来ない場所の事だね」
「わかりやすいのは神隠しでしょうか、人が“聖域”に迷い込んだり招かれたりして帰らないとそうなります」
「なるほど」
「主殿も今神隠しの状態と言えるのぅ」
「なるほどません」
テン婆さんの説明と真美さんの補足に納得するもの聞き捨てならない事を言われて変な言葉が出た
真美さんがクスクス笑っている
ちょっと嬉しい
「我が相模商事は社の維持と巫女と禰宜らの生活の為に創設されたこの世で唯一の常世神様の加護を受ける会社なのですが、あまり目立ち過ぎると欲に塗れた人間が沸いて常世神様のトラウマを刺激してしまうので敢えて中堅で止まっています」
いきなり真美さんが会社の裏事情を話し始める
「常世神様は轟さんを大層お気に召したらしく、轟さんの“信念”である仕事をバリバリやって貰いたいのは山々なのですが、この世ではもう目立ちたく無い」
「なるほど」
「そこで異世界です」
「なるほどません」
ツボに入ったのか真美さんが吹き出した
テン婆さんも大笑いしている
あまり嬉しく無い
つまり異世界で商人として物を売り、その世界でバリバリ働けって事か?“現地”ってのはその世界の事ね
「何かあったら【直帰】して下さい、危険な事があっても“労災”で死ぬ事なくこの部屋に帰れます」
任意で姿を晦ますことも出来るし
不意打ち食らっても大丈夫ってことか!
“労災”は補償じゃなくて保証なんだな
そいつは安心だ
って
「普通に命狙われるって事ですよね!?」
「剣と魔法の世界はそうなりがちらしいです」
「魔法が廃れて化学が発展したこの世界が特殊なくらいじゃからのう」
「だからこそチャンスでもあるんですよ!轟さん!脳筋世界は発展し辛く、こちらのように効率的に品物を作る事が出来ません。更に輸送はコストも時間もかけずに【直行】出来ます!儲からない訳がありません!」
うん?楽しそうに思えてきたぞ?
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