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プロローグ② 過去
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「本当に半田桃華さんで間違いないみたいですね。疑ってすみませんでした。」
「もぉーだから言ったじゃないですかぁ!」
不審者というレッテルから解放された半田さんが頬を膨らませて激怒している。
身長が低いからか、敬語だからか、怒っている姿が子供のようにも...
「あ! 今、子供っぽいって思いましたよね!? 」
半田さんがちゃぶ台をすり抜けて俺の目の前まで移動してくる。
「と、通り抜けれるんですね」
「当たり前です! 私だって幽霊の端くれですから・・・・・・って、話題を逸らさないで下さい。ごめんなさいは? 子供っぽいと思ってごめんなさいは? 」
「ご、ごめんなさい...」
「これからは年上を敬うのじゃよ? 」
「は、はぁ...そう言えば、半田さんって何歳の時に亡くなったんですか? 」
「女性の年齢を聞くのは失礼ですよ? まあ、これからは一緒に暮らす訳ですし、一応言っておくと22歳でした」
「そうなんですね。俺は18歳です」
ここで会話が途切れた。誰もが1度は体験するであろう、“大して仲が良いわけでもない人と二人っきり”というパターンだ。
気まずいし、何か言わないと...
「私、今とっても嬉しいんですよ? 」
先に口を開いたのは、半田さんの方だった。
「え?」
思いもしない一言に半田さんの顔を見つめた。
「私が生きていた時は、常に彼氏と一緒に居て、毎日が楽しかったです。
もちろん辛いことはありましたが、それも含めて幸せな日々でした。
でも、私の死んだ後に彼氏は無事に大学を卒業して家業を継ぐために実家へ帰ってしまいました。
その後に、この部屋の住民は何回も入れ替わりました。男子、女子、社会人の人・・・・・・けど、誰も私に気づいてくれませんでした。
私は、私に気づいて欲しくて、仲良くなりたくて...それで、近くにあったものを落としてみたり、わざと足音を立てて歩いたりしました。
でも、それは全て逆効果で、みんな怖がって出て行ってしまったんです。
7年間、誰にも気づいて貰えなくて本当に寂しかったんです。
だから今日、貴方が私に気づいてくれて、話し掛けてくれて。そして先程、出て行かないって言ってくれて・・・・・・」
気づけば、俺と半田さんの1.5人は泣いていた。
「半田さん、これからは一緒に暮らしましょう。そして、半田さんが寂しい思いをした7年間を上回る楽しい思い出を沢山作りましょう!」
「はい! 」
半田さんが胸の中に飛び込んでくる。
俺も抱き返して、優しく頭を撫でてみる。
暖かくも冷たくもない、実体が無いようにも思えるし、実体があるようにも思える。
そんな半田さんの温もりをしっかりと感じ取った。
「もぉーだから言ったじゃないですかぁ!」
不審者というレッテルから解放された半田さんが頬を膨らませて激怒している。
身長が低いからか、敬語だからか、怒っている姿が子供のようにも...
「あ! 今、子供っぽいって思いましたよね!? 」
半田さんがちゃぶ台をすり抜けて俺の目の前まで移動してくる。
「と、通り抜けれるんですね」
「当たり前です! 私だって幽霊の端くれですから・・・・・・って、話題を逸らさないで下さい。ごめんなさいは? 子供っぽいと思ってごめんなさいは? 」
「ご、ごめんなさい...」
「これからは年上を敬うのじゃよ? 」
「は、はぁ...そう言えば、半田さんって何歳の時に亡くなったんですか? 」
「女性の年齢を聞くのは失礼ですよ? まあ、これからは一緒に暮らす訳ですし、一応言っておくと22歳でした」
「そうなんですね。俺は18歳です」
ここで会話が途切れた。誰もが1度は体験するであろう、“大して仲が良いわけでもない人と二人っきり”というパターンだ。
気まずいし、何か言わないと...
「私、今とっても嬉しいんですよ? 」
先に口を開いたのは、半田さんの方だった。
「え?」
思いもしない一言に半田さんの顔を見つめた。
「私が生きていた時は、常に彼氏と一緒に居て、毎日が楽しかったです。
もちろん辛いことはありましたが、それも含めて幸せな日々でした。
でも、私の死んだ後に彼氏は無事に大学を卒業して家業を継ぐために実家へ帰ってしまいました。
その後に、この部屋の住民は何回も入れ替わりました。男子、女子、社会人の人・・・・・・けど、誰も私に気づいてくれませんでした。
私は、私に気づいて欲しくて、仲良くなりたくて...それで、近くにあったものを落としてみたり、わざと足音を立てて歩いたりしました。
でも、それは全て逆効果で、みんな怖がって出て行ってしまったんです。
7年間、誰にも気づいて貰えなくて本当に寂しかったんです。
だから今日、貴方が私に気づいてくれて、話し掛けてくれて。そして先程、出て行かないって言ってくれて・・・・・・」
気づけば、俺と半田さんの1.5人は泣いていた。
「半田さん、これからは一緒に暮らしましょう。そして、半田さんが寂しい思いをした7年間を上回る楽しい思い出を沢山作りましょう!」
「はい! 」
半田さんが胸の中に飛び込んでくる。
俺も抱き返して、優しく頭を撫でてみる。
暖かくも冷たくもない、実体が無いようにも思えるし、実体があるようにも思える。
そんな半田さんの温もりをしっかりと感じ取った。
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