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始まりは唐突に
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俺の名前は大槻仁。
俺は頭の回転には自信があった。
学歴なんかよりも、頭の回転が速い奴が成り上がれると信じていた。
でもね、現実は甘くなかったよ。そもそも内定がもらえなかった。
やっとの事で入社した企業はまさにブラック企業だった。
最後に家に帰ったのはいつだったか。数えるのも億劫なほど前だった気がする。
俺たちの魂が、命の炎が、日本の夜景を美しく飾る。
今日3本目のレッドブルに手を掛けたとき、俺の意識は混濁の闇へと落ちた。
疲れて意識が飛んだのか。よくあることだ。
いや、今回は少し違う。すごく気持ちいい感覚が全身を襲う。
ん?何だあれ
目を凝らすと死んだ婆ちゃんが手を振ってるのが見える。
あ、俺死ぬんだ
死にたくない
よく考えれば、いい歳してまだ童貞じゃないか
反り立つ息子は何時だって俺の右手によって鎮められてきた
誰だよ、魔法使いになれるなんてホラ吹いた野郎は
今の俺は魔法使いより召使いに近いぞ
独身貴族? 貴族はいいから家族が欲しいよ
童貞のまま死ぬなんて嫌だ
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
童貞のままじゃ終われないんだよ!
心の声が、静かに響く。
願いは通じ、意識が覚醒へと向かう。
それは、海底から海面へ急浮上するかのように。
爛々と輝く光の方へ。
目を開け、横になっていた体を起こす。
ここは・・・・・・会社ではなさそうだ。ゴツゴツとした岩肌に囲まれたここは、地下の強制労働施設だろうか?
こーいうところは多重債務者が来るところのはずだ。俺は借金はしてなかった。会社が家みたいなものだったから、金を使う先がなかったのだ。
そんな事より、明日納期の仕事があるんだ。会社に戻らねば。
立ち上がった俺は、どちらに進めば良いか分からないが、取り敢えず歩いてみることにした。
しかし、謎だな。光もないのに視界は良好だ。
《報告。スキル「暗視」を獲得。夜間等の暗闇で不自由なく行動可能です。》
脳内に謎の声が響く。
誰だ。どこから話しかけている?
《報告。約10分前、加護である「叡智」を獲得。想像した事柄の解答を行います。》
なるほど。siriの上位互換ということか。
ここはどこだ? 早く戻らないと納期に間に合わない。
《報告。現在地はメビウス大森林、封印の洞窟地下98階です。マップを展開しますか?》
《YES or NO》
よく分からないし、一旦NOだ。
メビウス大森林?日本じゃないのか?
《報告。地球、日本より個体名オオツキシノブの生体反応の消滅を確認。強い未練により、特殊召喚が行われました。》
なるほど、やっぱり俺は死んでいたのね。まあ、あれだけ働いてりゃ過労死しても仕方ないわ。
しかし、強い未練?
あ・・・・・・なんか分かった気がする。恥ずかしいから言わないけどね。
ところで、スキルと加護の違いってなんだ?
《報告。生誕時に世界から祝福を得ることで加護を獲得することが可能です。またスキルは特定の条件下において世界の承認を受けることで獲得されます。》
世界から祝福か。嬉しい事だ。
スキルはゲームの雑魚キャラでも1,2個は持ってるイメージだけど、この世界ではスキルを得ることも大変なのか?
《報告。上位ランクの魔物ほどスキルを獲得しやすく、下位ランクの魔物ほどスキルを獲得しずらくなっています。》
じゃあ、俺は上位ランクって事か?
《報告。「叡智」の力により条件を満たした全てのスキルを獲得可能です。》
なるほど、俺は加護の力でスキルを得ることができたのか。
加護って素晴らしいな!
《報告。加護が素晴らしいと言うより、私の力です。》
あ、そうなんだ。加護なら何でもいいって事じゃないのね。
それじゃあ叡智、マップを展開してくれ。折角だし、1番下まで降りてみよう。
俺は頭の回転には自信があった。
学歴なんかよりも、頭の回転が速い奴が成り上がれると信じていた。
でもね、現実は甘くなかったよ。そもそも内定がもらえなかった。
やっとの事で入社した企業はまさにブラック企業だった。
最後に家に帰ったのはいつだったか。数えるのも億劫なほど前だった気がする。
俺たちの魂が、命の炎が、日本の夜景を美しく飾る。
今日3本目のレッドブルに手を掛けたとき、俺の意識は混濁の闇へと落ちた。
疲れて意識が飛んだのか。よくあることだ。
いや、今回は少し違う。すごく気持ちいい感覚が全身を襲う。
ん?何だあれ
目を凝らすと死んだ婆ちゃんが手を振ってるのが見える。
あ、俺死ぬんだ
死にたくない
よく考えれば、いい歳してまだ童貞じゃないか
反り立つ息子は何時だって俺の右手によって鎮められてきた
誰だよ、魔法使いになれるなんてホラ吹いた野郎は
今の俺は魔法使いより召使いに近いぞ
独身貴族? 貴族はいいから家族が欲しいよ
童貞のまま死ぬなんて嫌だ
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
童貞のままじゃ終われないんだよ!
心の声が、静かに響く。
願いは通じ、意識が覚醒へと向かう。
それは、海底から海面へ急浮上するかのように。
爛々と輝く光の方へ。
目を開け、横になっていた体を起こす。
ここは・・・・・・会社ではなさそうだ。ゴツゴツとした岩肌に囲まれたここは、地下の強制労働施設だろうか?
こーいうところは多重債務者が来るところのはずだ。俺は借金はしてなかった。会社が家みたいなものだったから、金を使う先がなかったのだ。
そんな事より、明日納期の仕事があるんだ。会社に戻らねば。
立ち上がった俺は、どちらに進めば良いか分からないが、取り敢えず歩いてみることにした。
しかし、謎だな。光もないのに視界は良好だ。
《報告。スキル「暗視」を獲得。夜間等の暗闇で不自由なく行動可能です。》
脳内に謎の声が響く。
誰だ。どこから話しかけている?
《報告。約10分前、加護である「叡智」を獲得。想像した事柄の解答を行います。》
なるほど。siriの上位互換ということか。
ここはどこだ? 早く戻らないと納期に間に合わない。
《報告。現在地はメビウス大森林、封印の洞窟地下98階です。マップを展開しますか?》
《YES or NO》
よく分からないし、一旦NOだ。
メビウス大森林?日本じゃないのか?
《報告。地球、日本より個体名オオツキシノブの生体反応の消滅を確認。強い未練により、特殊召喚が行われました。》
なるほど、やっぱり俺は死んでいたのね。まあ、あれだけ働いてりゃ過労死しても仕方ないわ。
しかし、強い未練?
あ・・・・・・なんか分かった気がする。恥ずかしいから言わないけどね。
ところで、スキルと加護の違いってなんだ?
《報告。生誕時に世界から祝福を得ることで加護を獲得することが可能です。またスキルは特定の条件下において世界の承認を受けることで獲得されます。》
世界から祝福か。嬉しい事だ。
スキルはゲームの雑魚キャラでも1,2個は持ってるイメージだけど、この世界ではスキルを得ることも大変なのか?
《報告。上位ランクの魔物ほどスキルを獲得しやすく、下位ランクの魔物ほどスキルを獲得しずらくなっています。》
じゃあ、俺は上位ランクって事か?
《報告。「叡智」の力により条件を満たした全てのスキルを獲得可能です。》
なるほど、俺は加護の力でスキルを得ることができたのか。
加護って素晴らしいな!
《報告。加護が素晴らしいと言うより、私の力です。》
あ、そうなんだ。加護なら何でもいいって事じゃないのね。
それじゃあ叡智、マップを展開してくれ。折角だし、1番下まで降りてみよう。
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