45 / 52
???
授業中3
しおりを挟む
今日も厳しくも自分の為になる授業が始まる。
今日の先生の授業は合成魔法だ。普通合成魔法というのは錬金術のように素材と魔法陣を書いて行うものだが、先生は光魔法を使って合成魔法を行う事が出来る。というわけで、その実践というわけだ。これまた魔力分子の形が面白いから、あたしは結構好きな授業。
(大丈夫。叱られないように先生の言う通り数をこなして練習してきた。その上で結果を見せて、より魅力的な魔法になるにはどうしたらいいのか、先生からアドバイスをもらおう。そうしよう)
「今日は合成魔法の課題を渡していたけど、練習してきたかい?」
あたし達はにこりと笑った。
やってない人達は冷や汗を流した。
「ま、一人ずつ見ていこうかね。やってない奴は知らないよ。……まあ、見本がないと出来るもんも出来ないかね」
ふと、先生が懐に手を入れた。
「ちょっとこいつを見てほしいんだがね」
あたし達は先生が懐から取り出した万年筆に注目した。レトロなデザインで、ちょっと高級そうだ。
「これは光の魔力を操って素材を合成させて作ったものだよ」
「わあ」
「綺麗」
「ああ。見た目だけは綺麗でね」
先生が溜め息を吐き、万年筆を眺めた。
「弟子が作ったんだよ」
「えー!」
「すごい!」
「合成魔法ですか?」
「ああ。弟子も光魔法を専攻しているからね。お前達と同じように課題を渡したら、これを作って――私にプレゼントしてきたんだよ」
「なんか、レトロな感じでいいですね」
(お洒落)
「こういうところのセンスは良いんだけどね、なんで魔法のセンスはないんだかね。これを作るのに朝から晩まで唸っていたよ」
「先生、それは万年筆を合成魔法で作るっていう課題だったんですか?」
「いいや? 今からお前達にしてもらうことと同じだよ。何でも良いから合成魔法を得意な魔法の魔力を使い、一つ物を作ってごらんって言っただけ。だけどね、わかるかい? お前達は週に何回かしか私の授業がないだろう? 他の授業の課題もある。それもやらなければいけない。課題の積み重ねが起きれば、どこかで何かを捨てなければいけない時だってある。それがこの授業の課題だった奴もいるかもしれないね。大目には見ないけどね、ま、百歩譲って、そこは理解しよう。だがね、あいつは毎日私の家にいて、毎日私の元で魔法を学んでいる環境にある。お前達よりもずっと恵まれてる環境だよ。なのになんでそこで唸るんだい? やれと言われて「はい。やります」と一言言って一秒後にはぱっと魔法を使っている。いいかい。これがプロの世界だよ。ノートに書いときな」
((んな無茶な))
全員が心の中で思ったものの、無言でノートに文字を書く。言われたら「はい、やります」一秒後には教えてもらったことのない魔法もあっけらかんと使えてる。そんな人いるはずない。怖い。
「因みに」
先生がノートをあたし達に見せた。
「このページからこの万年筆で書いてるよ」
「字きれーい」
「インク濃くて見やすいですね」
「書き心地とかどうですか?」
「……そうだね。まあ、悪くないかね」
先生がずっと万年筆を見つめてる。
「魔法は正直だから、思いは届くものなんだろうね。頭に思い浮かべた人物が便利に使えるものを作りたいと思えば、その人物にとって便利に使えるものが形となって生まれる。これだから魔法はやめられないよ」
先生が万年筆を教壇に置いた。
「さ、一人ずつ見ていくから、そこに立って見せな。ランダムで行くからね。……ミルフィー」
(おーう。まじかー。……でもやってきたもんね! 今日こそミランダ先生に褒めてもらうんだから!)
その日以降、ミランダ先生の手には必ずお弟子さんが作った万年筆が握られていた。
今日の先生の授業は合成魔法だ。普通合成魔法というのは錬金術のように素材と魔法陣を書いて行うものだが、先生は光魔法を使って合成魔法を行う事が出来る。というわけで、その実践というわけだ。これまた魔力分子の形が面白いから、あたしは結構好きな授業。
(大丈夫。叱られないように先生の言う通り数をこなして練習してきた。その上で結果を見せて、より魅力的な魔法になるにはどうしたらいいのか、先生からアドバイスをもらおう。そうしよう)
「今日は合成魔法の課題を渡していたけど、練習してきたかい?」
あたし達はにこりと笑った。
やってない人達は冷や汗を流した。
「ま、一人ずつ見ていこうかね。やってない奴は知らないよ。……まあ、見本がないと出来るもんも出来ないかね」
ふと、先生が懐に手を入れた。
「ちょっとこいつを見てほしいんだがね」
あたし達は先生が懐から取り出した万年筆に注目した。レトロなデザインで、ちょっと高級そうだ。
「これは光の魔力を操って素材を合成させて作ったものだよ」
「わあ」
「綺麗」
「ああ。見た目だけは綺麗でね」
先生が溜め息を吐き、万年筆を眺めた。
「弟子が作ったんだよ」
「えー!」
「すごい!」
「合成魔法ですか?」
「ああ。弟子も光魔法を専攻しているからね。お前達と同じように課題を渡したら、これを作って――私にプレゼントしてきたんだよ」
「なんか、レトロな感じでいいですね」
(お洒落)
「こういうところのセンスは良いんだけどね、なんで魔法のセンスはないんだかね。これを作るのに朝から晩まで唸っていたよ」
「先生、それは万年筆を合成魔法で作るっていう課題だったんですか?」
「いいや? 今からお前達にしてもらうことと同じだよ。何でも良いから合成魔法を得意な魔法の魔力を使い、一つ物を作ってごらんって言っただけ。だけどね、わかるかい? お前達は週に何回かしか私の授業がないだろう? 他の授業の課題もある。それもやらなければいけない。課題の積み重ねが起きれば、どこかで何かを捨てなければいけない時だってある。それがこの授業の課題だった奴もいるかもしれないね。大目には見ないけどね、ま、百歩譲って、そこは理解しよう。だがね、あいつは毎日私の家にいて、毎日私の元で魔法を学んでいる環境にある。お前達よりもずっと恵まれてる環境だよ。なのになんでそこで唸るんだい? やれと言われて「はい。やります」と一言言って一秒後にはぱっと魔法を使っている。いいかい。これがプロの世界だよ。ノートに書いときな」
((んな無茶な))
全員が心の中で思ったものの、無言でノートに文字を書く。言われたら「はい、やります」一秒後には教えてもらったことのない魔法もあっけらかんと使えてる。そんな人いるはずない。怖い。
「因みに」
先生がノートをあたし達に見せた。
「このページからこの万年筆で書いてるよ」
「字きれーい」
「インク濃くて見やすいですね」
「書き心地とかどうですか?」
「……そうだね。まあ、悪くないかね」
先生がずっと万年筆を見つめてる。
「魔法は正直だから、思いは届くものなんだろうね。頭に思い浮かべた人物が便利に使えるものを作りたいと思えば、その人物にとって便利に使えるものが形となって生まれる。これだから魔法はやめられないよ」
先生が万年筆を教壇に置いた。
「さ、一人ずつ見ていくから、そこに立って見せな。ランダムで行くからね。……ミルフィー」
(おーう。まじかー。……でもやってきたもんね! 今日こそミランダ先生に褒めてもらうんだから!)
その日以降、ミランダ先生の手には必ずお弟子さんが作った万年筆が握られていた。
21
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる