52 / 52
???
授業中8
しおりを挟む
今日も厳しくも自分の為になる授業が行われる中、先生のスマートフォンが鳴った。名前を見て、先生が授業を止める。
「ああ、ごめんね。ちょっとノートにまとめてな」
先生が着信に出た。
「なんだい。授業中だよ。……は? ……お前、この馬鹿。だから準備は大丈夫なのかって昨日聞いたんだよ」
この一言で全員気付いた。――あ、絶対相手お弟子さんだ。
「わかったから落ち着きな。この間あげた魔法書あるかい? ……ん。ならその167ページにワープ魔法の呪文載ってるから、それを参考に……うん。……だから、っ、ちが、お前人の話は最後まで聞きな!!!」
((これはお弟子さん、またなんかやらかしたな))
「杖は? あるね? うん。なら、いけるだろ。……セーレムは放っといていいから早く行きな。……財布は持っていきな。……うん。……荷物は準備してるのかい? ああ、そうかい。……はいはい。じゃあね」
先生が着信を切り、ため息を吐いたのを見て、ヘレンが手を挙げた。
「先生、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。ヘレン。大丈夫じゃないのは通話相手さ」
「先生、お弟子さんですか?」
「ロキシー。それ以外に授業中だってわかってて連絡してくる空気の読めない奴はいないよ」
「先生、お弟子さんに何かあったんですか?」
「答えようじゃないかい。ジャイルズ。あいつ、折角依頼案件を貰ってたのに、時間を間違えたそうだよ」
「うわ」
「先生、お弟子さん、大丈夫なんですか?」
「ありがとう。ゲニー。ワープ魔法を教えたから大丈夫だよ。お前達、時間はシビアにね。前日の寝る前の準備は魔法使いにとっては必須だからね」
「でも準備って結構なーなーにしちゃうよね」
「ね」
「ルルー。エマ。だからお前達は忘れ物が多いんだよ。遅刻者に仕事はやってこないよ。お前達、魔法使いになるなら遅刻は死だと思いな。うちの馬鹿弟子は特に多いんだよ。この間もやらかしてね、例えば……お前達、15時に集合と言われて何時にここに集まる? モーラ」
「私は遅刻が怖いので30分前には来るようにしてます。でもね、先生、ミルフィーは遅刻がとっても多いの。なぜならばそれは、ミルフィーもとんだ寝坊助だから! 起きれた試しがないの!」
「なしてそっこと言うの!?」
「本当のことじゃん!」
「ならミルフィーにも聞いとくかね。お前ならどうする?」
「ミランダ先生、あたしは研究して寝るのが遅くなって遅刻してるだけでありんす。サボってるわけじゃないっす」
「お前の都合で社会は回ってないよ。いくら研究や課題をしてたってね、お前、それが仕事だったらその言い訳で通用するかい? ミルフィーだけじゃないよ。遅刻の多い奴、みんな学校にいる間にその癖を潰しな。いいかい。ここは訓練場だよ。その癖を持ったまま魔法使いになってごらん。せっかくの努力が水の泡になるよ。死ぬ気で潰しな。いいね」
「「はーい」」
「ミルフィー、明日からモーニングコールしてあげる」
「余計なこと言うながや! モーラの馬鹿!」
「そこ、喧嘩しない」
「そうよ。ミルフィー。喧嘩売らないの。めっ!」
「では先生、質問でありんす。先生のお弟子さんは15時集合で何時に集まるんすか?」
「14時半に集まろうとして、14時半に家を出る」
……意味がわからず、皆が黙った。ジェニファーが手を挙げた。
「先生、もう一回聞いてもいいですか?」
「弟子がね、よくやるんだよ。『14時半に現場に行く』と言っておきながら、どこで脳内変換されたのか、『14時半に家を出る』に変わってるんだよ」
「脳内変換」
「あー、でもちょっとわかる気がするー」
「今の電話もそうだよ。家を出る時に冷静になって考えたら時間を間違えていたことに気づいたんだとさ」
「間に合うといいですね」
「そうだね。ロン。あの馬鹿弟子。遅刻してたら絶対許さないよ。……さて、待たせたね。続きからやろうかね」
その後、授業は平和に行われ、翌日からあたしの目覚まし音はモーラの着信音に変わったのだった。
(*'ω'*)
「おっすー。ルーチェっぴ、5分前ー」
「ご、ごめん! 本当にごめん! い、い、依頼人様は!?」
「まだ来てないよ。10分遅れるって」
「あっ……! 良かった……!」
「何してたの?」
「や……普通に……出る時間間違えて……!」
「水飲む?」
「あ、ありがとう……! ふぃいい……!」
「ああ、ごめんね。ちょっとノートにまとめてな」
先生が着信に出た。
「なんだい。授業中だよ。……は? ……お前、この馬鹿。だから準備は大丈夫なのかって昨日聞いたんだよ」
この一言で全員気付いた。――あ、絶対相手お弟子さんだ。
「わかったから落ち着きな。この間あげた魔法書あるかい? ……ん。ならその167ページにワープ魔法の呪文載ってるから、それを参考に……うん。……だから、っ、ちが、お前人の話は最後まで聞きな!!!」
((これはお弟子さん、またなんかやらかしたな))
「杖は? あるね? うん。なら、いけるだろ。……セーレムは放っといていいから早く行きな。……財布は持っていきな。……うん。……荷物は準備してるのかい? ああ、そうかい。……はいはい。じゃあね」
先生が着信を切り、ため息を吐いたのを見て、ヘレンが手を挙げた。
「先生、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。ヘレン。大丈夫じゃないのは通話相手さ」
「先生、お弟子さんですか?」
「ロキシー。それ以外に授業中だってわかってて連絡してくる空気の読めない奴はいないよ」
「先生、お弟子さんに何かあったんですか?」
「答えようじゃないかい。ジャイルズ。あいつ、折角依頼案件を貰ってたのに、時間を間違えたそうだよ」
「うわ」
「先生、お弟子さん、大丈夫なんですか?」
「ありがとう。ゲニー。ワープ魔法を教えたから大丈夫だよ。お前達、時間はシビアにね。前日の寝る前の準備は魔法使いにとっては必須だからね」
「でも準備って結構なーなーにしちゃうよね」
「ね」
「ルルー。エマ。だからお前達は忘れ物が多いんだよ。遅刻者に仕事はやってこないよ。お前達、魔法使いになるなら遅刻は死だと思いな。うちの馬鹿弟子は特に多いんだよ。この間もやらかしてね、例えば……お前達、15時に集合と言われて何時にここに集まる? モーラ」
「私は遅刻が怖いので30分前には来るようにしてます。でもね、先生、ミルフィーは遅刻がとっても多いの。なぜならばそれは、ミルフィーもとんだ寝坊助だから! 起きれた試しがないの!」
「なしてそっこと言うの!?」
「本当のことじゃん!」
「ならミルフィーにも聞いとくかね。お前ならどうする?」
「ミランダ先生、あたしは研究して寝るのが遅くなって遅刻してるだけでありんす。サボってるわけじゃないっす」
「お前の都合で社会は回ってないよ。いくら研究や課題をしてたってね、お前、それが仕事だったらその言い訳で通用するかい? ミルフィーだけじゃないよ。遅刻の多い奴、みんな学校にいる間にその癖を潰しな。いいかい。ここは訓練場だよ。その癖を持ったまま魔法使いになってごらん。せっかくの努力が水の泡になるよ。死ぬ気で潰しな。いいね」
「「はーい」」
「ミルフィー、明日からモーニングコールしてあげる」
「余計なこと言うながや! モーラの馬鹿!」
「そこ、喧嘩しない」
「そうよ。ミルフィー。喧嘩売らないの。めっ!」
「では先生、質問でありんす。先生のお弟子さんは15時集合で何時に集まるんすか?」
「14時半に集まろうとして、14時半に家を出る」
……意味がわからず、皆が黙った。ジェニファーが手を挙げた。
「先生、もう一回聞いてもいいですか?」
「弟子がね、よくやるんだよ。『14時半に現場に行く』と言っておきながら、どこで脳内変換されたのか、『14時半に家を出る』に変わってるんだよ」
「脳内変換」
「あー、でもちょっとわかる気がするー」
「今の電話もそうだよ。家を出る時に冷静になって考えたら時間を間違えていたことに気づいたんだとさ」
「間に合うといいですね」
「そうだね。ロン。あの馬鹿弟子。遅刻してたら絶対許さないよ。……さて、待たせたね。続きからやろうかね」
その後、授業は平和に行われ、翌日からあたしの目覚まし音はモーラの着信音に変わったのだった。
(*'ω'*)
「おっすー。ルーチェっぴ、5分前ー」
「ご、ごめん! 本当にごめん! い、い、依頼人様は!?」
「まだ来てないよ。10分遅れるって」
「あっ……! 良かった……!」
「何してたの?」
「や……普通に……出る時間間違えて……!」
「水飲む?」
「あ、ありがとう……! ふぃいい……!」
12
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
本編はなぜか三章以降掲載されていないのでカクヨムで拝読しました
番外編はこちらがフルverということでまた戻ってきた次第
同人感覚で楽しみました
どれもアリだなーと感じましたが敢えて言うならアンジェCP推しで!
主にifストーリー?だと思いますがちょっと本編の補完話もあったりでお得感
主人公視点だけじゃないので各キャラへの味が深まりました
ここ数日、おとつみやかけまほも併せて読んでいただき、誠にありがとうございます!
ご感想まで残していただき、感謝でいっぱいです…!
アンジェ人気なんですよね(*'ω'*)
いや、彼女は番外編で人気になるんだろうなとは思ってました(*'ω'*)
なんか、そんな予感がしてました。はい(*'ω'*)
少々差別化を図らないといけないなと思い、かけまほに関しては本編フルはカクヨム様、番外編R18はアルファポリスのみでアップさせていただいております。
ゆっくり増えていく予定なので、今後も更新をお楽しみにしていただけますと嬉しいです(*´ω`*)