107 / 136
ソフィア
図書館司書と夢の君(2)
しおりを挟む何も見えない。
ただ、ソフィアの吐息だけは伝わる。
ただ、ソフィアの鼓動だけは伝わる。
速くて、荒い息。自分の心臓も同じように激しい運動に鼓動を速くさせる。
ぱんつ越しにバイブが激しく振動している。
足の指がつんと伸びる。
指がテリーの肌に触れた。
「あっ!」
それだけで絶頂してしまう。
バイブが振動を止めた。
テリーが荒い呼吸を繰り返す。
冷たい手がテリーの頬に触れた。
口に近付き、指を口内に入れた。テリーが舌を動かす。長い指を舐める。指がふやけるくらいしゃぶることになるかもしれないと思えば、またバイブが動き始めた。
「きゃあっ!」
上に固定された両手が揺れた。大切な箇所にバイブを当てられたら、凄まじい快楽に襲われる。
「ん、んん、んん! んっ! んん!」
「我慢しないで」
「ひゃっ」
「啼いて。聞かせて」
長い指が太腿を優しく撫でれば、またテリーの体が跳ねる。
「んっ」
「あ、また我慢した」
耳に吐息がかかる。
「お仕置き」
「っ」
バイブの振動が激しくなった。より強く当てられる。
「あっ! あっ! あぁ! ああああ! だめぇええええ!!」
その瞬間、ぱちん、とテリーの意識がなくなった。くたりと脱力し、頬を優しく叩かれて目を覚ます。
「テリー、まだ終わってないよ」
「ふえ……」
「しょうがない子」
恋しい子。
「テリー」
「ひゃっ」
肌に何か当てられた。
「な、なに?」
「カス取り用の羽根。もちろん、未使用ね」
頬に当てられる。
「気持ちいい?」
「……やわらかい」
「くすす」
テリーのお腹に触れた。
「ひゃ」
つん。
「ちょ、やめっ」
つん。
「くくっ」
つん。
「ふふっ、ソフィー、それ、やっ……」
するー。
「んふふふふ! やめてよ! ふふふ!」
するん。
「あははは! あははは!!」
ワキをくすぐられる。
「ちょ、いやあ! それ! あははは!」
くすぐられる。
「はははは! いやー! あははは!!」
くすぐられる。
「は……あ……」
くすぐられる。
「ん、っ、はぁ、んんっ……」
バイブが動き出す。
「あっ!」
ぶるるるる。
「あぁぁぁ……! あああ……!!」
羽根がつついてくる。
「あっ!」
くすぐってくる。
「あっ、や、だめっ、そんな、あっ! んん……!」
ぶるるるるる。
「あんっ! もう! らめ! らめなの! また、イクぅ!!」
腰が痙攣した。
「ひゃっ」
当てられる。
「いやぁああ! ソフィー! まだ、まだイッてる! イッてるぅ!!」
気持ちいい。
「そ、そんな、一辺に、されたらっ、あっ、だめっ! あぁっ! あああっ!」
とろりととろけてしまう。
「……っ」
――絶頂を越えたら、脱力が待っている。荒い呼吸を繰り返し、ぼんやりとする意識の中、視界を塞いでいたベルトが取られた。
(あっ)
自分だけを見つめるソフィアで視界が覆われる。
「……ソフィー……」
ソフィアが乱暴に唇を重ねてきた。
(あっ)
唇で犯される。
(溶けちゃう……)
舌が絡まって、体がのしかかり、束縛された両手が解放される未来はまだ見えない。
「ん、ふぅ、んん……」
ソフィアがブラジャーのホックを外し、脱ぎ捨てた。
(ひゃっ)
テリーのブラジャーを上に退かされる。中から小さな膨らみが現れ、ソフィアの胸とテリーの胸がぴたりとくっついた。
舌が強く締め付けられる。
「んっ」
舌同士が抱きしめあっているかのように。
「ん、ぐちゅ、んふっ、ん……」
テリーのぱんつの紐をソフィアが解いた。
「んんっ」
ソフィアの指が濡れているそこへと入っていく。
「んっ!」
傷つけてはいけないそこを、丁寧に撫でる。
「や、ぁ……」
どんどん指が速くなっていく。中からは水に濡れて動く指の音が響いてくる。
「テリー、聞こえる? 君の音だよ」
「や、やぁ……」
クチュクチュクチュクチュ。
「こんなにえっちな音を出して、はしたない……」
「ご、ごめんなさい……」
クチュン!
「あんっ!」
「ここから溢れてる。どうして?」
「だ、だって、ソフィーが、触って、くるから……!」
「私のせいなの? 違うでしょう? テリーが出してるんだから、テリーが悪いんだよ? 悪い子にはお仕置きしなくちゃ」
指が激しくピストンする。
「あっ! あっ! あっ! あっ!」
「ほら、どんどん溢れてくる。悪い子だね」
「あっ! だめっ! あっ! いやっ! それ、あっ!」
「なんて言うの? テリー」
「き、気持ちいい! これ、気持ちいい!!」
「くすす。気持ちいいの? 淫乱なんだから」
クチュクチュクチュクチュ。
「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」
「テリー、びちょびちょだよ」
「らめっ! もう! ソフィー!」
「イクの? くすす。……いいよ」
ちゅん!
「きゃぁあっ!!」
中からどろりとした潮が出る。
「あぅ……」
目の前の人物をすごく抱きしめたくなって、両手を動かすが、拘束は解かれず、何も出来ない。
「……ソフィー……」
「かわいい」
抱きしめられる。
「……ソフィー」
「もっと呼んで。テリー」
「ソフィー……」
「テリー、好き。ちゅ」
「んちゅっ」
「ちゅ」
「むちゅ」
「はぁ。好き。テリー。もっと、声、聞かせて」
「ソフィー」
「んっ」
「むちゅ」
「テリー、私の君」
「ソフィー、……抱きしめたい……」
「……だめ。まだ外さない」
「あたしも、抱きしめたい……」
「まだだめ」
額にキスを落とす。
「んっ」
ソフィアの手によって、テリーの足が大きく左右に開かれた。ぴくっ、と腰が揺れれば、ソフィアの手が伸び、今度は胸を揉まれる。
「あ……」
ゆっくり動き始める。
「ああっ、ソフィー……!」
「テリーも胸好きだよね」
先端をつまめば、この通り。つん。
「あんんっ!」
「えっちな子」
ソフィアがバイブをお互いの股の間に置き、スイッチを入れれば、ぶるると再び震え始める。
「んっ!」
「ん。……いい感じ」
ソフィアがテリーに唇を重ね、股を押し付けてくる。
「テリー、私達の間で動いてるね」
「あ、あたし、ぱんつ、してないのに……」
「イッたら脱ぐから」
最初からバイブなんて痛いじゃない。だが、しかし、テリーの喘ぎ声を聞き、すでにそこは濡れている。震えるバイブにより股間を押しつければ、テリーの股間にも押し付けられ、快楽がまたやってくる。
「や、また、イク……」
やわらかい膨らみを、ねちっこく動かす。
「はぁ、はあっ……あぅ、……だめっ……」
「何がだめなの?」
「気持ちくて、おかしく、なっちゃう……」
人差し指と中指で、胸の先端を挟んだ。
「ひゃんっ!」
バイブのスイッチを中に変える。振動が少し強くなる。
「んん、んんんん……」
「あっ、いい、これ……」
「ソフィー……!」
「っ」
上擦った声にそそのかされて、ソフィアがスイッチを上に上げた。強。
「あああああああ!」
激しく震える。
「あっ、ソフィー! イクぅ! もう、イッちゃぅぅ!!」
「いいよ。見ててあげる。だから、……一緒に、イこう……」
「あっ、あぁっ! あ、もう、もぉ……!」
体が跳ねた。
「あああああっ!」
「っ」
テリーのエロい姿を見て、ソフィアも絶頂する。ぷるぷる体が震え、痙攣し――バイブが止まった。
(……電池切れかな?)
動かなくなったバイブを放り投げた。もう用はない。テリーの足に足を絡め、股間同士がつくように座る。
「ぁっ」
「ん?」
「……つ、ついてる……」
女同士のそこが、くっついてる。
「テリー、目を逸らさないで」
「……ん……」
上を見上げれば、ソフィアが自分を見つめてる。
「ずっと私だけを見てるんだよ?」
「……うん……」
ソフィアの腰が動いた。テリーが思わず目を見開く。
「っ」
ぱちん、と音が鳴る。
「んっ」
小刻みに動き始める。
「ん、ん、ん、ん、ん、ん……」
こりこりしているところが当たる。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」
ごりゅごりゅごりゅ。
「あ! あ! あ! あ! あ!」
また濡れてくる。
「あた、ってる! ソフィー! 気持ちいいとこ、あたってる!」
「テリーはここ好きだね」
「あ! あ! あ! あ! あ!」
「動けない中、犯されるってどう? ドキドキする? 今度は疑似レイプもしてみる?」
「や、やだぁ!」
「でも、喜んでるのはテリーだよ?」
「だ、だって」
テリーの潤んだ瞳が見つめてくる。
「ソフィーが、いるから……!」
ソフィアの胸がズクンとうずいた。
「テリー」
「むっ」
我慢できなくて唇を重ねる。
「テリー」
「んん……」
腰が揺れる。
「テリー」
「はぁ、はぁ、はぁ!」
「ん」
「あっ!」
「ああ、ここ、いい……」
「あ、あ、あ、あ、あ、あぁぁああ……!」
「イク?」
「……ん……!」
「いいよ。私も、……だから、一緒に……」
「はぁ! はあ! はあ!」
「テリー」
「ソフィー……!」
絶頂してしまう。
「~~っっっ……! ……! ……」
――ソフィアがテリーの上に倒れた。お互い脱力してしまう。乱れた呼吸を繰り返し、ソフィアの手がしんどそうに伸びた。
(……あ)
両手が解放された瞬間、ソフィアに触れる。
「……ソフィー」
強く抱きしめられるから、テリーも、もっと強く抱きしめる。
「……ソフィー……、……愛してる……」
「……うん、私も愛してるよ。テリー」
また、恋人同士の唇が重なり合う。しかし、今度は、それはそれは、とても優しいものだった。
(*'ω'*)
「……あたしが知らない男と結婚する夢?」
テリーがカレーを味見した。うん。なかなかだわ。さすがあたし。後ろから抱きしめて離れないソフィアが頷いた。
「うん。私の目の前でね、知らない人と結婚する君の夢。もう、本当に悪夢だった」
「将来的にそうなるかもしれないわよ」
ソフィアが腕の力を強めた。
「冗談だってば!」
「……」
「……でも、わかんないでしょ。ずっとこうしていられる保証なんてないんだから」
「……」
「……もう」
テリーがおたまを置き、ソフィアに振り返り、そっと抱きしめ返した。
「……困った奴ね」
「……そりゃ、私とテリーが結ばれない未来もあるかもしれないよ。例えば、テリーが殿下と結婚するとか」
「おえっ。そんなのごめんよ」
「私も、テリーと離れるのはごめんだよ」
ソフィアが強く抱きしめる。
「ずっと、そばにいて。テリー」
「……今、いるでしょ」
「まだそばにいて」
「大丈夫よ。少なくとも、まだ当分はあんたの面倒を見てあげるつもりだから」
テリーの手が優しくソフィアの背中をなでた。
「……だから、元気出してよ。……ソフィーらしくない」
「キスして」
「……ん」
ちゅ。
「もう一回」
「ん」
ちゅ。
「もう一回」
「しつこい」
「もう一回」
「……もう」
ちゅ。
「……くすす」
ソフィアがでれんと頬を緩ませた顔を見て、テリーの鼻の下もでれんと伸びる。
「カレー、まだかな? お腹空いちゃった」
「……もう少しで出来るわ」
「ナンも温めないとね」
「うん」
「……その後は?」
「……一緒に寝る?」
「……寝る」
「じゃあ、食べて、そうね。少し、一時間くらいの映画でも見て……」
手を握る。
「一緒に寝ましょう」
一緒に寝れば、きっと怖い夢なんて見ない。
(これから先なんて、どうなるかわからないのよ。馬鹿な夢を見たものだわ)
こんなに怖がるなんて。
(もう! ソフィーったら! あたしがいないとだめなんだから!! 好き!!)
背中から包まれる体温を感じながら、テリーが胸をときめかせながら、もう一度カレーを味見した。そんなテリーを抱きしめるソフィアの顔は、とても安心しきった顔だった。
図書館司書と夢の君 END
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
144
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる