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悪役令嬢のとある日常
ホワイトデーはあなたにお返し
しおりを挟む3月14日。
この国では、ホワイトデーというものがある。
バレンタインにもらったもののお返しをする日。感謝を感謝で返す、とてもとても、心があたたまる日。
小、中、高一貫のエメラルド学園も、例外ではなかった。
紳士たちよ、立ち上がれ。
今こそ、あこがれの女子たちにお菓子を。
(きたわ! この日が!)
テリーが一人で燃えていた。
(きっと下駄箱をのぞけば、美少女のあたしに渡したくてたまらない紳士たちのお菓子が、こぞって置いてあるはず!)
ああ! どうやってもって帰ろうかしら!
(あたし、たいへーん!)
「じいじ、おはよう!」
「テリーや、ここは学校だぞ。敬語を使いなさい」
「おはようございます、ビリー先生!」
超いい笑顔で門をくぐり、玄関までやってきたテリーはうれうれと下駄箱を開けた。
(いざ、オープン!)
そこには、いつもはいてる靴だけが置かれていた。
「……」
テリーが下駄箱を見た。
(え?)
テリーがみるみる血の気が下がっていく。
(え? 夢?)
何度見ても靴しか入ってない。
(え? サプライズ?)
しかし、そこにはいつもの靴しか入ってない。
(え? え? え?)
テリーが周りを見回す。
(はっ!!)
ロッカーを見てなかったわ! あたしったら!
すぐさまテリーが走っていき、自分のロッカーを確認する。
(オープン!)
しかし、そこには授業道具一式しか入ってなかった。
「ちくしょう!」
テリーがロッカーの扉をしめる。
(あたしのロッカーと下駄箱に、お菓子が入ってないなんて! いったい、男たちの目はどうなってるの!?)
はっ!
(あのギチギチのロッカーはなに!?)
今にもはちきれそうなほどのロッカー。
(ちょっとまって。あのロッカーは、……まさか!!)
キッド→小指に想いをはめて
リトルルビィ→大型犬の倍返し
ソフィア→図書館司書と甘いクッキー
メニー→思春期姉妹のネックレス事情
ドロシー→君型ヘッドフォン
ニクス→感謝の言葉は君への想い
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