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父娘と合同パーティー
第219話 フルシェ遺跡ダンジョン その1
さて、楽しくお喋りしながらだったから 体感1時間もしないうちに ダンジョンが見えてきた。
ルエメイと同じように遺跡から発生したダンジョンだけど、ルエメイのような神殿っぽさはない。
白っぽい石で作られた大きな門は、凱旋門みたいに見えなくもない。凱旋門と違い 入口が2つあるけどね。
中央の大きな門は 向こう側が見えるようになっており、右の柱にある小さな通用門らしい扉の右側が ダンジョン入口のようだ。
左側の柱の前に 小さな管理小屋のようなものが設置されており、このダンジョンの受付だとギルドで説明を受けている。
大人3人の中ではテーアさんがリーダー的な感じなのかな?
私たち子供組の中では ガルスさんがリーダーをすることとなったよ。まあ順当だよね。
受付は 私のようなチビが居ても、金ランクが二人もいるし、どう見てもその子供であるケーテさん達もいるからか 工程表の提出だけで許可が出た。
「さて、今は学生が多い時期ではないから 大丈夫だと思うけど、腕試しに来る学生はいつだっているし、それ以外の冒険者もいるから気を付けること」
「「「はいっ!」」」
ダンジョンの中では別行動ということだけど、入る時は一緒である。タディさんが先頭で、ガルスさん、ケーテさん、私、テーアさん、お父さんの順でダンジョンに入った。
「おぉ!遺跡ダンジョンは2か所目だけど これまた雰囲気が全然違うねぇ」
前回は外も神殿っぽかったけど、中も神殿風だった。神様じゃないかもしれないけど 彫像が沢山飾られてたし、壁画もあって 見ごたえがあった。
ここは外観が 大きな門だったから どんな風な感じかと思ったけど、壁画が中心の空間だった。
馬や獅子、虎、ドラゴンなど様々な生き物たちだけの絵と、それらの生き物に人らしき者が乗っている姿などが描かれている。
それ以外にも 古代の人々の生活なのか 水瓶を頭に乗せた人、荷物を運ぶ大型の獣、田畑を耕す人と獣など 沢山の壁画が あちこちにあって非常に楽しい。
「ヴィオ、もしかして疲れたのかしら?」
入った時点で【索敵】は展開しているので この階にスライム以外の魔獣が居ないのは確認済みだ。中級ダンジョンだから 他の魔獣がいることも想定してたけど、資料にもスライムしか出ないと書いてあったからね。
だからこそ 壁画を楽しんでいたんだけど、どうやら楽しんでいたのは私だけだったらしい。
「あ~ ヴィオ、普通の冒険者は ダンジョンを楽しむことはないんじゃ。伝え忘れておったなぁ」
「あっ!皆さんごめんなさい!
ケーテさん 疲れてないよ。壁画に夢中になってただけなの、ごめんなさい!」
「ダンジョンの1階なんて 基本的に素通りしかしないけど 言われてみれば 随分細かい装飾なのね。気にしたことが無かったわ」
お父さんと二人旅じゃなかったのに いつもの感じで楽しんでしまっていた。
心配してくれたケーテさんたちに謝罪すれば テーアさんも壁画が気になったようで 壁に近寄りゆっくり眺めはじめた。
それにつられるように タディさん達も 興味深そうに壁画を眺め これは何をしている場面だ、この獣は何とかだ、なんて言い始めた。さながら美術館に来た家族連れである。
「意味は解らんが 中々面白い絵だな。ヴィオが前に見たのはどんなものだったんだ?」
「ルエメイ遺跡は 古い神殿みたいな建物だったよ。壁画より 大きな像が沢山あって、神様なのか 偉い人なのかは分からなかったけど凄かったの」
「ルエメイか……。外側からダンジョン巡りをしてたから 行ってないな。
ヴィオから見て ルエメイはどうだった? 」
タディさんも遺跡の壁画を楽しめたようですね。多分ダンジョン様が 皆を楽しませるために準備しているので 楽しむ人が増えれば 喜ぶんじゃないでしょうかね。
そして 私から見たルエメイとな?
「ん~、面白かったよ。10階しかないけど 洞窟と森があるダンジョンだったから 飽きないし、後半は 豊作ダンジョン程 食材が豊富ではないけど、果物はいっぱいあったし、スパイスも沢山あったから いっぱい採集したの。
5階の湖は イマイチだったかな。
釣りをしたんだけど 食べれるようなのは居なかったし、ドロップアイテムも使えるようなものが無かったんだ、ね、お父さん」
「は? 釣り?」
「食材……、あぁ豊作ダンジョンは 素材が沢山で 食料不足に悩むことはなかったからそういう事なのかしら。ヴィオったら 食いしん坊なのね」
ガルスさん、テーアさんが 不思議そうな顔をしていますが 二人は豊作ダンジョンに行ったことがありそうだね。
あそこ程肉を落とす魔獣が居なかったのは残念ですが、その分人気が無くって人はいないからやりたい放題でしたよ。
「ふふっ、ヴィオのダンジョン散策 しばらく付き合ってみたいものね。
ねえ、魔獣やボスはどうだった?」
テーアさんが楽しそうに笑ってるけど、そんなに変わった事はしてないと思うよ。お父さんたちにも止められないし。
「魔獣は 確かラット、コボルト、ゴブリン、ウルフが洞窟で、森になって スネーク、ラビット、オークが出てきたくらいかな。
ボスはオークとゴブリンたちだったけど あんまり覚えてないかな。
あっ!宝箱は謎肉だったよ」
「「謎肉……」」
確か 森からのボス部屋っていうのに期待してたのに いつもの手抜きボス部屋だったから フレイムバレットで 開幕直後にやっちゃった気がする。
サブマスへのお土産にするつもりだったのに、宝箱の中身が謎肉で 困った記憶しか残ってない。
「くっくっくっく、ヴィオの冒険譚は アルクからゆっくり聞かせてもらうことにしよう。
しかし10階って事は初級か。中級だったらランクアップの練習に良いと思ったが 初級じゃ駄目だな」
そういえば ランクアップ試験はソロでのダンジョン踏破も必須なんだよね。
銀ランクになるには 初級ダンジョンのソロ踏破と 中級の踏破記録。
私は中級の方はクリアしているから、後は 初級ダンジョンのソロ踏破とポイントが必要なだけだ。
「そっか、じゃあ ケーテさんは初級ダンジョンのソロ踏破もしたんだね。凄いね!」
「ありがとう、でも ボス戦の1回目を皆でやって、2回目に一人で戦っただけなのよ。ダンジョンを一人っきりで入った訳じゃないわ」
ケーテさんの言葉に驚いた。
どうやら ソロ踏破の有無は ラスボスを複数で倒すか 単独で倒すかで決まるらしく、そこまでの道中に人が居ようが関係ないらしい。
私のように 倒すのは一人でやったというのは関係ない。ボス部屋に一人で入ったかどうかが記録されるようだ。
私はお父さんと一緒にお部屋に入ってるから 単独扱いにはならなかったという訳だね。
チラリとお父さんを見れば 一つ頷かれたので 記録に残さないようにしてくれていたことがわかった。
ありがたいことです。
1階の壁画観賞を楽しんだところで いよいよ2階へ移動だ!
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