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魔導学園へ
第258話 学園の見学 別館
研究棟というか 専門棟は全部で6つ
魔法薬と植物に関することを学べる棟では 畑の管理も担当している。
既存の植物を掛け合わせて新素材が出来ないかという改良や、様々な素材を安定的に栽培できるようになるかという実験。回復薬各種の改良や 新しい魔法薬の調合なども行っている。
ダンジョン研究棟は、その名の通り ダンジョンについて研究している人が集まる。
私のダンジョン考察ノートは この研究棟に持ち込まれ、教師陣は勿論のこと、生徒たちも浮かれポンチのお祭り騒ぎになっていたらしい。
ちなみにダンジョン研修は 武術訓練科の生徒しか参加できないんだけど、この研究コースは誰でも参加が出来る。
ただ、現場に行かないと分からない事もあるので、そういう時は武術科の生徒に同伴を頼むか、冒険者ギルドに依頼をするらしい。
「学生の研修で行くようなダンジョンだったら 武術科の生徒同伴で大丈夫なんですが、それ以上のダンジョンとなると危険性が増しますからね、冒険者ギルドに依頼をする必要があります。
あとは 研究者たちは ちょっとあれですから、冒険者に調べて欲しいことを伝えて 結果だけを持ち帰ってもらうということも多いですね
私もダンジョンへは行ったことがありません。今となっては武術コースを選択しておけばと思ってますよ」
ブン先生がちょっと苦笑いして言う理由は、研究者の行動が危険だからだそうです。
どうしても気になることがあると 突然隊列を離れて気になるものを見に行ってしまったり、触るな危険の罠を触って発動させたり、知らずにパニックルームの扉を開けたり……。
うん、それは同行したくないと思われても仕方がないね。私も嫌だ。
魔法歴史学と神代学の専門棟は 古代学とも呼ばれるようで、属性魔法の成り立ちや 過去の勇者と呼ばれる人たちが使用した魔法の研究、開発、再現、などが行われているらしい。
同じく神代というのも 属性の神がいるというのは確認されているから、その神々について調べれば更に魔法の研究が進むのではないかと考えられていて、神様について調べているんだって。
ただ、神々の事を調べるには 教会が邪魔をしてくるらしく、中々上手く進まないのが実情らしい。
神様を調べたいなら信者になって 信仰心を篤くすれば(寄付金を多く積めば)理解できるんだってさ。
調合学棟と魔道具学・錬金術学棟の二つは、他の棟でもやっている事ではあるけれど、専門的に勉強するところになっている。
調合学は 魔法薬以外の一般の病気に対する処方薬の調合も教わるようで、村長さんの薬局で売ってたような薬の調合が学べるらしい。
ちなみに町の薬屋さんはこの調合学の卒業資格がないと名乗れないという事なので、村長さんも学園卒業生だという事が分かったね。
魔道具学は勇者が作った魔道具の研究、その魔道具を別の物に転用できないか、簡易型にできないか、消費魔力を少なくできないか、などの研究が行われている。
錬金術学は魔道具を作るというか完成させるための勉強かな。
魔道具は魔法と素材をミックスさせて作っているものなので、魔法は魔法陣に込めて その効果を持たせたい物(例えばマジックバッグだったら鞄)に刻み込む必要がある。
その時に使用するのが錬金術なんだって。
土から金属を作り出すっていう錬金術とは少し違ったみたい。
「あ、そういえば 町に来た日に魔道具通りを見て回ったんですけど、鑑定魔道具が売ってたんですけど、試着が出来なくてどれだけ正確なのか分からなかったんで買わなかったんです」
「ん?鑑定魔道具と言えば ギルドで使っている眼鏡の事かい?」
「それは前に購入して 持ってるんですけど、それとは違うやつです。
鑑定眼鏡は無生物しか鑑定できないんですけど、お店にあったのは生物も見れるって言ってて」
あの時店員が言ってた言葉を思い出しながら 先生たちに伝える。
「ヒトの鑑定をした場合は その人のもつ体力、魔力の残存量と最大量、得意属性と 使える属性が分かり、魔獣相手だと 苦手属性も見える……ですか。
ヴィオ嬢、そのお店の場所と名前は憶えていらっしゃいますか?」
ブン先生に聞かれたけど 高すぎてもう一度買いに行こうとも思わなかったから覚えていないな。
と思ったらお父さんが覚えていたらしく ブン先生に伝えている。
「そのように高額な魔道具を 試着もさせないというのは少し不思議ですからね、もしかしたらヴィオ嬢が お小さいことで冷やかしだと思ったのかもしれません。それが理由であれば 私が行けば試着をさせてもらえるでしょう?
明日にでも行って見てみますね」
確かに、お父さんは買う気が全くなかったし、私は興味があったけど見た目が子供だ、お財布管理者が買う気が無ければ期待もしなかったのだろう。
是非 ブン先生には どれくらい性能が良いのかを確認してきてほしいです。
で、最後にドゥーア先生が働いている古代文字研究、魔法陣学、呪文学、聖・闇魔法学に関しては、まさに今お屋敷で勉強している内容だと言われた。
古代文字研究は魔法陣に使用されている文字だね。
遺跡の中には あの記号が 文章のように記されているものもあり、それを写して 意味を調べて、古代の魔法陣にある文字と照らし合わせてって事もしてるみたい。
「遺跡は古いものだとダンジョン化してしまうことがあるでしょう?
そうなってしまえば 入る事が出来なくなりますからね。遺跡の中も異空間になると聞きますし、残っている遺跡を捜し歩くのも大変なのです」
今までは長期休みを使って そういった遺跡探しをしていたんだって。
ということは、もしかしたら今まで行ったあの場所も 壁に書いてた文字たちも 意味があったのかもしれないね。
「そしたらルエメイも フルシェも そこまで読んではおらんかったが 意味のある言葉があったんかもしれんな。
それこそ ヴィオが言うておったように、ルエメイの石像も 神様じゃったんかもしれんな」
「うん、私もそう思った。帰る前か 次のダンジョンまでに もう一回ルエメイに行ってみたいね」
お父さんと二人であの遺跡を思い出す。
誰のものか分からない石像が沢山あったし、人々の営みと思われる壁画もあった。文字は記号の集まりっぽくて 飾りだと思ってたけど、今思えば 魔法陣で使っている文字に似ていたかもしれない。
「ちょ、ちょっと待ってください、アルク殿、ヴィオ嬢、石像?言葉?どういうことですか?
ダンジョンの中は魔獣が居ると聞いてます。まさか遺跡がそのまま残っているのですか?」
ドゥーア先生が興奮してます。
そしてブン先生と 珍しくエミリンさんまで。
ダンジョン研究をしている人たちがいるくらいだから そんな事は常識だと思ってたのに、何故?と思って聞いたら、上級ダンジョン以下は 1階層には魔獣がスライムしかおらず ボス部屋から戻っても安全な場所。という結果しか聞いたことが無かったらしい。
だからまさか 1階に遺跡があるなんて思ったこともなかったんだって。
「確かに こないだ金ランクの家族と潜った時も、壁画の見学をしてたら不思議な顔をされました。
意味があると思ってなかったし 気にしたこともなかったと言われたので、他の冒険者もそうだったのかもしれないですね」
「儂もヴィオと一緒に入るようになって こんな細かい装飾があったんかと驚いたくらいじゃからな。
じゃが あの石像や壁画が 元々あった遺跡のもんと同じとは思えんがな。
外観が変わることはないと言われとるが、明らかに1階の広さが外の建造物とは違う。
フルシェなんか 外は門じゃのに 中はそれなりの広さで壁画があった。
あの門に壁画があったとは思えんから 全く違うものじゃろう?」
確かにそうだね。
今のところ遺跡ダンジョン以外で 面白い1階はなかったけど、他の遺跡ダンジョンが同じかは分からない。お父さんも今まで気にしてなかったから覚えてないらしいしね。
「アルク殿、ヴィオ嬢、ルエメイは無理でも フルシェの遺跡ダンジョンに是非私を連れて行ってくれませんか?
護衛依頼料はお出しします。是非!」
まさかの護衛依頼。
金ランクと一緒だったから入れたダンジョンだけど、踏破記録はある。その上1階だけでいいんだったら問題ないかもしれないけど、こればっかりはギルドの判断だからなぁ。
これは帰ってから要相談って感じかな?
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