293 / 539
魔導学園へ
第260話 再びのフルシェ遺跡ダンジョンへ
しおりを挟む聖属性の何たるか、というのには答えが出ず、ただし自分の中の魔力に色を付けてみるということは何となくわかるようになった先生たち。
ただ、しっかり意識しないと駄目だというので それは慣れることが必要だと伝え、違う属性魔法を同時に出す練習をお勧めしておきました。
そんな中でも 新しい聖属性魔法は教えてもらいました。
先生たちは使った事が無いというので 魔法の効果と呪文だけね。
例のクッソ長い呪文です。
〈癒しの女神ミゼリコルディアよ 浄化の神 プルガッティオよ 我が魔力に宿りし聖なる力で 彼の者の〔状態異常〕の回復を願います。女神の尊きお力によるご高配を賜りたくお願い申し上げます【リカバー】〉
ハイ出ました、2回目の登場ミゼリコルディア様です。癒しを担当されているようですね。
この状態異常っていうのは〈混乱、衰弱、暗闇、魅了、狂化、睡眠、幻覚〉なんかの異常状態の事らしく、全部まとめて回復~!ってのは無理らしく、一つを選択してお願いしないといけないんだって。
神殿に運ばれてくるのは混乱、暗闇、魅了、幻覚で、神官が行かないと駄目なのが衰弱、狂化、睡眠らしい。睡眠は叩いて起きるレベルなら問題ないけど、懇々と眠り続ける様なのもあるから そういう時は呼ばれるんだって。
狂化は狂暴化、所謂バーサク状態になっていることで、基本的にその状態の人はグルグル巻きにされて 牢屋とかに繋がれている状態で呼ばれるらしい。
これは過去の文献でしか先生も見た事が無いらしく、本当に狂化した人が現れたら是非見てみたいと言ってました。うん、研究者らしいと思います。
もう一つは、ザ!聖魔法‼って感じのあれです。アンテッドに効果的な魔法です。
〈我らが聖なる神ピュアンクスよ 我が魔力に宿りし聖なる力を高め 悪しき魂を清める力をお与えください。女神の尊きお力によるご高配を賜りたくお願い申し上げます【ピュリフィケーション】〉
はい、結構有名な魔法ですよね、絶対噛む自信しかないプリ、ピュリヒ、ピュリュヒ……うがぁぁぁぁ!
もう【浄化】で良いんじゃないでしょうかね。
うん、間違えないで意識するのが大切ですからね、プリヒケーチョンは諦めます。
そして初神、ピュアンクス様、この神様は 聖属性の神様だそうです。
であれば 全部この神様に祈れば良くない?って思ったんですが、それは言わないお約束だそうです。ハイ。
この浄化魔法はアンテッドの昇天攻撃になると同時に、瘴気溜のある場所の浄化もできるそうで、皇国では 定期的に教会に勤める聖女聖人たちが 瘴気浄化の旅に出ているそうですよ。
どうやら瘴気があるところにダンジョンが出来ると信じられているそうですが、リズモーニの山々からは別に瘴気は出てないんですけどね。
魔力溜が出来たらダンジョンが誕生すると言われている リズモーニと、瘴気が溜まると出来ると思われている皇国、どっちが正しいのでしょうかね。
教えてもらった魔法を練習するには アンテッドが沢山出るダンジョンに行くか、混乱とかをさせてくる魔獣に会いに行く必要があるけど、上級以上だろうか。
「まあアンテッド以外は会っとるがなぁ、ヴィオは結界鎧を着とるから効果が無いじゃろ?
ほれ、それこそコボルトの咆哮で ケーテが恐慌状態になりかけとったじゃろう。
あれも状態異常のひとつじゃな」
なんと、ではオークとかの咆哮もその役割が?
「でもお父さんもだけど テーアさん達も結界はしてないよね?何で大丈夫なの?」
「ん~~~~? 気合?」
ハイ、脳筋なお答えを頂きました。良いと思います。
先生たちは「え?」ってなってるけど、冒険者ってこんな人が殆どですからね。
◆◇◆◇◆◇
ということで、聖の日の朝です。
今日はフルシェ遺跡ダンジョンに参りますよ。
ダンジョン踏破が目的ではありません。あくまでも1階にある遺跡というか壁画部分を見に行くのが目的です。
既に何度か乗っている馬車に乗っていくことになってます。
勿論 御者はブン先生、エミリンさんは心配してくれたけど 戦闘能力は無いのでお留守番です。
先生たちの興奮具合によりますが、予定では日帰りですからね。
「さあ、ではいきましょう。スティーブン 門を出て 人が少なくなったら風魔法を使いますからね」
「畏まりました」
誰よりもウキワクしている131歳のドゥーア先生です。
昔は ダンジョンなど興味がなく、唯々魔法を、魔法陣を調べて研究して、新しい魔法を考えるのが楽しかった先生。
100歳を超えて ある程度魔法の事を学び、人に教えるのにも慣れてくると、今度はダンジョンにも興味が出てきた。
だけどその頃には魔法の権威と呼ばれるようになり、おいそれと危ない場所に行くことが許されない立場となった。
行きたいけど行けない。冒険者に依頼するとしても 依頼者が自分とバレた時点でギルドから畏れ多いと断られる。
いっそ変装してもと思ったけど、それで何かあった時に 冒険者の若者たちの将来が絶望的なことになると皆に止められて諦めた。
そんな時に私たちですよ。
そりゃこうなっても仕方がないよね。
「はじめて森に行くときのヴィオみたいで懐かしいなぁ」
な、なんですと!?
私 こんなに浮かれポンチになってました?
人の振り見て我が振り直せ。
いや、既にその振りを見せた後だったね。
門を出る時は ブン先生の顔と 馬車の家紋だけで顔パス状態。貴族の馬車ですからね、私たちが入ってきた南門じゃなくって 西門から出ましたよ。
なので外延部の町の中心を通ることなく、ぐるっと回ってフルシェの街道へ向かうようです。
門を出たらブン先生から「人通りが無くなりました」と合図が来たので ドゥーア先生が風魔法で馬車を持ち上げ 追い風を少し当てたようです。
車輪の音が聞こえなくなり、さっきまで多少揺れていた振動すらなくなったので 馬車が浮いていることが分かります。
「おや、驚きませんね。知ってましたか?」
「はい、サブマスさんから教えてもらって 私たちも人がいないときは お父さんに【ウインド】をかけて走ってるので」
「アルク殿に?」
ノハシムに行くときには馬車にも使ったし 結構良く使ってる魔法だね。
先生は人にという事がよく分からなかったみたいだけど、普段やっている方法を告げれば 確かにそれなら速く走れそうだと笑ってる。
「ああ、そういえば ダンジョンで使える索敵も 属性じゃないものでやっているんだったかな?」
「そうですね、無属性だと思います。水生成魔法の最初に魔力を散布するでしょう?
あれをもっと薄く、広く、空間全部を満たす気持ちで散布すれば 洞窟系のダンジョンだと そのフロア全部がしっかり見えますよ。
森ダンジョンとかは魔力切れになっちゃうので 足首までの高さでマッピングだけして 後は自分の周囲だけの索敵と組み合わせてやってます」
「ほぅ、あの魔力散布を基に考えたのか。それなら私もできそうだ。
ふむ……こう、いや、これは出すぎか。……これくらいかな。
ああ、ここでは狭すぎてちょっと分からないな。ダンジョンで試してみるしかないか」
急に眼を閉じて集中し始めたと思ったら 索敵の練習をはじめました。
本当に自由です。
狭すぎるので イマイチ実感がなかったそうですが、私でも自宅で練習しようとは思いませんでしたよ?先生 良い大人なんだから ちょっと自重してくださいね。
485
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』
鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」
幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された
公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。
その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、
彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。
目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。
だが、中身は何ひとつ変わっていない。
にもかかわらず、
かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、
「やり直したい」とすり寄ってくる。
「見かけが変わっても、中身は同じです。
それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」
静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。
やがて彼女に興味を示したのは、
隣国ノルディアの王太子エドワルド。
彼が見ていたのは、美貌ではなく――
対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。
これは、
外見で価値を決められた令嬢が、
「選ばれる人生」をやめ、
自分の意思で未来を選び直す物語。
静かなざまぁと、
対等な関係から始まる大人の恋。
そして――
自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。
---
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる