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序章~エロ作家の副業~
邂逅編
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犬飼夏海。
それが私とコンビを組んでくれることになった絵師「ころnyan」の本名だった。
待ち合わせた赤羽のカフェ。
私は先に着き待っていたのだが、彼女が来店するなりすぐに分かった。
かなりパンチの効いた登場だった。
十席ほどテーブルを擁する店内の全体にラップ音が鳴り響き、他の客たちが悲鳴をあげた。
犬飼夏海が髪の長い白装束の同伴者を連れているのは私にしか見えていなかったようだが、店の中の空気が突如として重いものに塗り替わったのは霊感のない者にも分かったのか、立ち働くスタッフには身震いする者もいた。
――相当にヤバい霊が憑いているのか……。
私の股間は痛いほど張り詰めた。
きょろきょろ見回す犬飼夏海に、私は立ち上がって手を掲げた。
長いマフラーを垂らしていたおかげで、ビンビンに膨らんでいるズボンは隠せた。
第一印象は端的に言って「一目惚れ」だった。
犬飼夏海にではない。
彼女が連れている長い髪の霊にだ。
私も心霊スポットや事故物件の取材、それに意図せぬ街中での遭遇といった形で色々な霊を見かけてきたが、これほど私を魅了してくれたものはなかった。
腰ほどまである艶やかな黒髪を前へ垂らし、ゆらりゆらりと身体を左右に振る動作がキュートだ。
時おり髪の間から蒼白い肌が覗き、虚ろな目は私のほうへ向けられていた。
私がガン見しているのに気づくと、びっくりしたように頭を振って髪の防壁を作り視線を遮った。
「初めまして。犬飼です」
本来の面会相手である犬飼夏海も、なかなかのルックスだった。
明るめの色に染めた髪をアップにまとめ、赤縁眼鏡をかけている。
目鼻立ちがはっきりしており、丸顔とやや吊り上がり気味な目尻のため「お転婆な雌猫」という印象を受ける。
さらに、迫力のある身体つき。
ポチャ寄りのムチムチボディを気にしてか体型の目立たない花柄ワンピースを着ているが、胸と尻は隠しようがないダイナマイトぶりである。
なるほどWeb上で名乗っている「ころnyan」は、彼女自身の特徴をよく捉えたものかもしれない。
癖なのか「よいしょっ」と声をあげて私の体面に座る際、襟元から爆乳の谷間と黒ブラがチラ見えした。
これには健全な成人男子として私も目を奪われずにいられなかった。
「今日はご足労を願いまして有り難うございます。怖くなかったですか、エロ小説家と直に会うなんて」
「とんでもないですっ! こちらこそお時間割いて頂いちゃって」
夏海は明るい性格のようで、よく笑顔を見せる愛嬌型だった。
根暗なオタ女だろう程度に思っていた私の予想は、良い意味で裏切られた格好である。
ただしオタ女なのは事実で、漫画やアニメ好きが嵩じてSNS上にイラストを上げるだけでなく、即売会に二次創作の同人誌を出したりもしているという。
エロ方面もよく描いているとのことで、
「一一先生の小説ってかなり変態度が高いと思います。あたしなんかの画力であのドスケベワールドを表現しきれるか心配なんですよね」
などと、注文を取りに来た女性スタッフがドン引きするようなことも真顔で喋れる猛者であった。
「私の過去作、読んでくれてるんですね」
「もちろん、挿絵を担当させて頂くんで当たり前ですっ!」
「今回のは比較的ライトなやつだから、安心して貰えれば……」
「そうなんですかぁ? 割とハードめなのも描いてて楽しいんですよ。こう、穴という穴から汁どばどばーって噴き散らしてるのなんか特に!」
こちらが周囲の目を憚ってしまうほどだ。
夏海とは仕事の話が目的で来ているわけではなかったので、私は早々に本題へと切り替えることにした。
柚子レモネードのストローを吸う夏海の口元、それに大きな身振りのたびユサッと揺れるバストを眺めながらエロい話をしていたら、この場で彼女に汁をどばーっと噴射してしまいそうなのも事実だった。
「その……心霊スポットに行った件について、よければ録音しながら聞かせて欲しいんですが」
私は鞄からICレコーダーを取り出し、夏海に許可を求めた。
夏海は快諾し、五日前の体験を語り始めた。
そこで憑いてきた霊が同席、しかも夏海の側でなくなぜか私の隣にちょこんと座っている異常な状況であったが。
それが私とコンビを組んでくれることになった絵師「ころnyan」の本名だった。
待ち合わせた赤羽のカフェ。
私は先に着き待っていたのだが、彼女が来店するなりすぐに分かった。
かなりパンチの効いた登場だった。
十席ほどテーブルを擁する店内の全体にラップ音が鳴り響き、他の客たちが悲鳴をあげた。
犬飼夏海が髪の長い白装束の同伴者を連れているのは私にしか見えていなかったようだが、店の中の空気が突如として重いものに塗り替わったのは霊感のない者にも分かったのか、立ち働くスタッフには身震いする者もいた。
――相当にヤバい霊が憑いているのか……。
私の股間は痛いほど張り詰めた。
きょろきょろ見回す犬飼夏海に、私は立ち上がって手を掲げた。
長いマフラーを垂らしていたおかげで、ビンビンに膨らんでいるズボンは隠せた。
第一印象は端的に言って「一目惚れ」だった。
犬飼夏海にではない。
彼女が連れている長い髪の霊にだ。
私も心霊スポットや事故物件の取材、それに意図せぬ街中での遭遇といった形で色々な霊を見かけてきたが、これほど私を魅了してくれたものはなかった。
腰ほどまである艶やかな黒髪を前へ垂らし、ゆらりゆらりと身体を左右に振る動作がキュートだ。
時おり髪の間から蒼白い肌が覗き、虚ろな目は私のほうへ向けられていた。
私がガン見しているのに気づくと、びっくりしたように頭を振って髪の防壁を作り視線を遮った。
「初めまして。犬飼です」
本来の面会相手である犬飼夏海も、なかなかのルックスだった。
明るめの色に染めた髪をアップにまとめ、赤縁眼鏡をかけている。
目鼻立ちがはっきりしており、丸顔とやや吊り上がり気味な目尻のため「お転婆な雌猫」という印象を受ける。
さらに、迫力のある身体つき。
ポチャ寄りのムチムチボディを気にしてか体型の目立たない花柄ワンピースを着ているが、胸と尻は隠しようがないダイナマイトぶりである。
なるほどWeb上で名乗っている「ころnyan」は、彼女自身の特徴をよく捉えたものかもしれない。
癖なのか「よいしょっ」と声をあげて私の体面に座る際、襟元から爆乳の谷間と黒ブラがチラ見えした。
これには健全な成人男子として私も目を奪われずにいられなかった。
「今日はご足労を願いまして有り難うございます。怖くなかったですか、エロ小説家と直に会うなんて」
「とんでもないですっ! こちらこそお時間割いて頂いちゃって」
夏海は明るい性格のようで、よく笑顔を見せる愛嬌型だった。
根暗なオタ女だろう程度に思っていた私の予想は、良い意味で裏切られた格好である。
ただしオタ女なのは事実で、漫画やアニメ好きが嵩じてSNS上にイラストを上げるだけでなく、即売会に二次創作の同人誌を出したりもしているという。
エロ方面もよく描いているとのことで、
「一一先生の小説ってかなり変態度が高いと思います。あたしなんかの画力であのドスケベワールドを表現しきれるか心配なんですよね」
などと、注文を取りに来た女性スタッフがドン引きするようなことも真顔で喋れる猛者であった。
「私の過去作、読んでくれてるんですね」
「もちろん、挿絵を担当させて頂くんで当たり前ですっ!」
「今回のは比較的ライトなやつだから、安心して貰えれば……」
「そうなんですかぁ? 割とハードめなのも描いてて楽しいんですよ。こう、穴という穴から汁どばどばーって噴き散らしてるのなんか特に!」
こちらが周囲の目を憚ってしまうほどだ。
夏海とは仕事の話が目的で来ているわけではなかったので、私は早々に本題へと切り替えることにした。
柚子レモネードのストローを吸う夏海の口元、それに大きな身振りのたびユサッと揺れるバストを眺めながらエロい話をしていたら、この場で彼女に汁をどばーっと噴射してしまいそうなのも事実だった。
「その……心霊スポットに行った件について、よければ録音しながら聞かせて欲しいんですが」
私は鞄からICレコーダーを取り出し、夏海に許可を求めた。
夏海は快諾し、五日前の体験を語り始めた。
そこで憑いてきた霊が同席、しかも夏海の側でなくなぜか私の隣にちょこんと座っている異常な状況であったが。
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