「陛下を誑かしたのはこの身体か!」って言われてエッチなポーズを沢山とらされました。もうお婿にいけないから責任を取って下さい!

海野ことり

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「陛下を誑かしたのはこの身体か!」って言われてエッチなポーズを沢山とらされました。もうお婿にいけないから責任を取って下さい!

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 ある日異世界転移をしてしまった、って漫画は幾らでもあると思うんだけど、初めて出来た彼女とラブホテルに来てバスローブ姿で彼女が風呂から上がるのを待っている時にってのはなかなか無いと思うんだ。
 しかも移動してきたのがどうやら偉い人の寝室で、俺が色仕掛けで送り込まれた刺客と間違われるなんて、そんな事ってある?

「陛下、ご無事ですかっ!」
「ええい、曲者めっ! この者を捕えろっ!」

 何がどうなっているのかもわからないうちに屈強な男たちにひっ捕らえられ、地下牢に押し込められて俺は焦ったし途方に暮れたよ。
 せめてこの安っぽいピンクのバスローブをどうにかして欲しい。寒いしなんか透けてるし心許なくて泣きそう。

 俺がブルブルと震えていたら長い銀糸のような髪を垂らした美男子がやってきて、氷のようなアイスブルーの瞳で俺を見つめた。

「陛下を骨抜きにしたのはその方か?」
 うわ、声まで良いでやんの。
 低く滑らかな声に聞き惚れていたら美男子の眉が神経質そうにピクリと跳ねた。

「聞いているのか?」
「はいぃぃっ! えっとぉ、俺は気が付いたらここに来ていて、その陛下という人とはヤッてません! 俺は初めて出来た彼女とラブホテルに行って、シャワーを浴びて待っていただけの高校生です!」
「コウコウセイ……煌々という、色ごとに長けた一団があるそうだがそれか」
 違うっ! なんか思いっきり誤解しているけど、勝手に合点した男は聞いてくれそうにない。
 しかもその陛下とやらが男遊びが激しい方で、どうやら俺の事を遊び相手の一人だと言っているらしい。
 会ったこともないのにとんだとばっちりだよ。

「きっと誤解されてるんですって。陛下に会わせてくれたら俺はそのお相手じゃないって直ぐにわかりますから――」
「そんな薄物を着たお前に空涙の一つも流されたら、陛下など一溜まりもないわ!」
(えっ? 陛下ってどれだけ色欲に弱いの? そんなんがトップでこの国って大丈夫?)
 俺が思わず心配そうに男を見上げたら、何故か男が頬を染めてプイッと横を向いた。

「ええい、このわたしまで堕とすつもりかっ!」
 いやいや、ただの男子高校生に色仕掛けなんて無理ですって。
 しかもあんた、そのガタイにその顔なら相当にモテるでしょう?
 女なんか引っ掛け放題じゃないの?
 そう思ったところで冷たく暗い地下牢では軽口なんて叩ける筈もなく、俺は「無理です」って答えるのが精一杯だった。

「無理!? 無理とはどういう事だっ! 陛下にお仕えする事は出来てもわたしの相手は出来ないと、そういう事かっ!」
「陛下の相手もしてませんっ! なんだったら確かめて下さいっ!」
 陛下の寝台を見れば致していた痕跡が無いことがわかる筈だ。だから確かめてくれとそう言ったのに、何故か男はゴクリと唾を飲み込んで妙に目を光らせていいだろうと頷いた。

「いいだろう、このわたし自ら確かめてやろう」
「えっ? あなたが?」
「なに、確かめるだけだ。最後まではせぬ」
『最後』? なんか会話が噛み合ってなくね?
 俺は不思議に思ったけれど、身の潔白が証明されるならと頭を下げた。

「どうかあなたの手できちんと調べて下さい」
「あいわかった」
 そう言うと男は縄で縛られた俺の襟元をグイッと力任せに開いた。

「なっ、何をするんですかぁ!」
「縄を解くわけにはいかん。だからこのまま確かめる」
(えっ? えっ? 待ってどうして? 確かめるって、陛下の部屋と寝台じゃなかったの?)
 呆然とする俺の乳首が縄の間から覗き、ぺったんこな男の胸だというのに妙に恥ずかしい。

「この小さな胸が良いのか?」
 男はわざわざ用意したのか持っていた扇でツンツン・サワサワと俺の乳首を刺激した。
 鳥の羽根で作られた豪奢な扇がまるでその為に作られた物のようにいやらしく動く。

「ちょ、やめて下さいったら!」
「勃ってきた」
「……」
 男に端的に指摘されて俺は顔面が熱くなった。
 男の乳首が勃つなんて俺は知らなかったし、自分で弄ったことも無い。
 なのに柔らかな羽根でくすぐられるとそこがムズムズして熱くなってきた。

「少しくすぐられただけで赤く腫らして……このように美味そうな実を陛下も味わったのか?」
(味わうってなんだよバカ野郎!)
 そう怒鳴りたくても羞恥と屈辱に零れそうな涙を我慢するのが精一杯で、俺は潤んだ瞳で必死に男を睨んだ。

「そのような切ない顔をして……直に弄られたいのか? 堪え性のない事だ」
「ひぁあああん!」
 男にギュッと乳首を捻り潰されて悲鳴だか嬌声だかわからない声を上げてしまった。
 嬲られ続けて感じやすくなっていた乳首は強い刺激を与えられると股間にまで痺れが疾走った。

「良い声で鳴く」
 男が目の色を変えて俺の乳首を執拗に嬲る。
 指先でグリグリと揉まれ、引っ張られ、表面を爪でカリカリと擦られて俺は身を捩った。

「勃ったか?」
 扇でローブの前を捲られ、まだ一度も他人に使ったことのないピンク色の分身がぷるんと揺れた。
 人にこんな状態の性器を見られるのは初めてで恥ずかしい。

「お願いですから、もうやめて下さい……。見たらわかるでしょ? こんな、こんな色の薄いちんこでヤリまくりとかそんな訳ないじゃないですか!」
 俺は皮だってまだ完全に剥けていないし、ちょっと擦っただけでヒリヒリするし、なんだか弱そうに見えるのは未使用だからなのかと悩んでいるのに。なのに人のことをビッチみたいに言いやがって、事実との余りの乖離に情けなさが募る。

「こちらは可愛がって貰ってないのか? 後ろしか使わぬとは……徹底しているな」
「はいぃぃ?」
 感心したような男の台詞に、俺は思わず目を剥いた。

(後ろしかって何? 後ろ? 後ろってまさか尻の穴? 俺、突っ込まれる方だと思われてる!?)
 今の今まで突っ込む方だと思い込んでいた俺は目をまん丸くして男の顔を見つめた。
 この男みたいな綺麗な顔ならば兎も角、俺なんて塩顔って奴だよ? 薄くてサッパリしてて男らしさとは縁遠い、アクの無さだけが取り柄の顔だよ?

「この顔で勃つの?」
 思わずそう呟いた俺に男が近寄ってきて、スリッと股間を擦り付けた。

(ひぃいいいいいっ! なんかゴリッて、すんごいのが当たったぁぁぁぁぁ!)
 ガタガタと震える俺に男がニヤリと笑った。

「そんなに期待するな。わたしは挿れてやらんよ」
(挿れていらない! ちっとも期待してない!)
「とは言え、確認はせねばな。これも務めだから仕方がない」
 男はちっとも仕方なくとは思えない嬉しそうな顔でそう言った。

「あんた――」
「シリルだ。シリル・ベルメール近衛隊長」
「ベルメール、様」
「お前の名は?」
 訊かれて俺はまだ名乗ってなかった事に気付いた。
 普通はこんな事をする前に真っ先に訊くものなんじゃね?

「ゆり。百合根ゆりね御空みそら
「ユリか。いい名前だ」
 そう言ってベルメールが見せた笑顔はとても綺麗だった。
 ここが地下牢で縄で縛られている事を俺は暫し忘れた。


「さて、前を使われていない事はわかった。今度は後ろを確認する」
「ちょ、冗談だろう!? そんな所、絶対に使ったこと無いって! 保証するからやめて!」
「ふむ、余程に見られては拙いと見える」
「当たり前だろうっ! 尻の穴だぞ? 見せるとこじゃねぇよっ!」
「だが陛下には見せたのだろう? 余り勿体ぶるな」
 酷い台詞に俺は頭をガンと叩かれたようなショックを受ける。
 勿体ぶってなんかないし、俺の身体はそんなに安く見られているのか。
 幾ら見せたって減らないと、勝手に暴いたって良いと思われているのか。

「絶対に、見せない」
 俺は唇をキュッと噛み締めて膝を寄せた。
 頑なに歯を食いしばったまま睨んだら、ベルメールが苛立たしげに髪を掻き上げた。

「まさか陛下に操立てをしているのか? 刺客にも情があるとでも言うのか」
(だからっ! 俺は刺客じゃねーんだって!)
 でも言い訳なんてしてやらない。どうせ何を言ったって俺の言うことなんて聞いてくれないんだから、好きに解釈すればいいんだ。
 プイッと横を向いたら顎を掴まれて顔を正面に戻された。

「拗ねた顔も可愛いと言われたか? わたしにはそのような態度は効かぬぞ」
 そう言うとベルメールは縛られたままの俺を床に転がし、膝を付かせて尻だけをピョコンと上げさせた。

「こんな格好!」
「縄を解いて貰えると思ったか? なに、確認するだけならこのままでも十分だ」
 ベルメールが持っていた剣でバスローブを切り裂き、尻肉を掻き分けられて奥に隠れていた穴を表に出された。

(嘘っ! 尻の穴を見られてる……)
 俺は恥ずかしさに頬が燃えるように熱くなり、現実逃避するように必死に冷たい床に頬を押し付けた。

「なんと小さく慎ましやかな蕾だ」
 ハッとしたようなベルメールの声が聴こえ、耳を塞ぎたかったけれど手も縛られていて身を捩る事しか出来ない。
 俺は目をギュッと瞑り、早く間違いだったと気付いてくれと祈った。

「しかしナカは使い込んでいるかもしれないからな。どれ、開かせて貰おうか」
 穴の縁に掛けた指にクッと力が入り、とうとうそこを開かれてナカまで見られてしまった。
 俺は余りの事にぶわっと目から涙を溢れさせた。

「ふっ、く……ひど……ひどい、そんなとこまで見て……ひどいよぅ」
 ポロポロと泣いてしまった俺にベルメールが俄に慌て出した。

「すっ、済まない。これは陛下にされていなかったのか?」
「陛下は関係ないってば! 俺はあんたが全部初めてだよっ! 彼女ともこれからだったのにぃ……」
 そりゃああのままじゃ彼女とだって上手く出来なかったかもしれないけどさ、少なくともこんな酷い目には遭わなかったもん。俺はもう八つ当たりも兼ねてベルメールに当たり散らした。

「本当に済まない、しかし……」
 謝っている癖に何故かベルメールは俺の尻から手を退かさない。
 それどころか顔を近付けてきて、ひっそりと縮こまった窄まりに息が掛かったと思ったらぬるりとしたものがそこに触れた。

「ひぅんっ!」
(ナニコレどうしてっ!?)
 俺は窄まりに這入り込んできたぬるりとした感触にガタガタと身体を震わせた。

「お尻がぬるぬるするぅ……。気持ち悪いよぅ……」
 俺の穴に這入り込んだ舌先がぬるぬると忙しなく動いて、そこがびしょびしょに濡れていくのが気持ち悪い。
 情けなく泣き出してしまった俺の尻に、今度はベルメールの指が這入ってきた。

「ふみゅっ!」
 にゅぷぷぷぷ……といやらしい音を立てて身体の中に這入ってきた指が、ゆっくりと前後に動かされる。
 ツルツルとした内側の壁を擦られて、俺は未知の感覚に泣いた。

「やだっ! やだぁぁぁぁ!」
「ここで陛下をお慰めしたのか? このように擦られて囀ずったのか?」
「されてないぃぃぃぃ!」
「ならばどうして腰が動いている! ここで気持ち好くなることを知っているのだろう? 何度も挿れさせたのだろう?」
(違う! 違う知らない! あんたが激しく擦るから、だから痒くて辛くて――)

「ほら、奥を掻き回すとナカから濡れてくるではないか」
 ギラギラとした声で責められながら尻の奥で指をコチョコチョと動かされる。
 そうするとナカで襞が捩れて擦れ合って勝手にそこが蕩けてしまう。

「こんなの、知らないぃぃぃ……」
 俺は尻なんて弄られたことはないし、そこで気持ちよくなれると思ったこともない。
 けれど内臓を直に触られている感覚は身体にも心にもショックで、ただベルメールのされるがままにナカを捏ねられて身を捩るしかない。

「もう一本では物足りないんじゃないか? お前の蜜壺がやわやわと蕩け、わたしの指に絡んでくるぞ」
「とけな、もんっ!」
「なら男の指二本なんて到底受け入れられない筈だな? そら、どうした訳だ? 簡単に飲み込んでいくぞ」
 俺の後ろの穴はベルメールの指を奥深くまで飲み込んだ。
 ぐちょぐちょと掻き回されて締め付けもした。

「お尻が、熱いぃぃ……」
 弄られ続けてとろとろに蕩けた穴がムズムズする。
 もどかしいような快感を感じているけど、後ろでは決してイく事が出来ずに俺は勃起したモノを床に擦り付けた。
 冷たく硬い石の床ではちっとも気持ちよくないしイけない。
 俺はとうとう心が折れて、泣きながらベルメールにイかせてくれと頼んだ。

「仕方がない。職務とは関係ないが、哀れなお前の頼みを聞いてやろう」
 そう言うとベルメールはおもむろに白い手で自身の前を開き、取り出したイチモツが天に向かってそそり立っているのを見て俺はびびった。

「わたしのは少々大きいから、力を抜いているのだぞ」
 縮こまる俺の身体を逃さぬように上から圧し掛かられ、蕩けた窄まりに上からずぶずぶと凶悪な男の分身が這入ってきた。

「んぁああああああっ!」
(違う、そっちじゃないぃぃぃぃ!)
 俺は前を擦ってイかせて欲しかったのに、ベルメールによって後孔を犯され激しく腰を突き立てられている。

「いやぁぁぁっ!」
「今さら嫌なフリなどするなっ! お前の身体はこんなに悦んでいる」
(違う違うあんたが無理矢理っ!)
「はぁ、なんと素晴らしい感触だ。陛下が夢中になられるのも無理はない――」
「違うって言ってるだろっ!」
 俺は今までで一番胸が痛くなってそう叫んだ。

「俺の初めてを奪ったのはあんたなのっ! 俺の尻を見たのも、舐めたのも、ちんこを挿れてぐっちょんぐちょんにしてんのもあんたっ! 他の男とか言うなっ!」
 一息に怒鳴ってハァハァと息を荒らげていたら、ベルメールの唇がふわりと頬に触れた。

「お前の無垢な身体を奪った責任は取ってやろう」
「……初めてだって、信じてくれんの?」
「ああ。愛されても後ろで達することも出来ないようではな」
「バカ野郎、初めてで無茶を言うな」
 お尻のナカは気持ちがいいけど、熱いとか苦しいって感じる方が強くてここでイくなんて出来そうもない。

「案ずるな。何度もすればここでしかイけぬようになる」
「不安しかねえよ」
 俺はそう言いつつ慰めるようなキスが嬉しかったので黙って目を閉じた。
 なんで異世界に来ちゃったのかとか戻れるのかとかこれからどうなるのかとか、不安はいっぱいだけれど優しくキスをしてくる男がいればどうにかなるような気がする。
 少なくとも縄は解いてくれるだろうし、食べ物だって着る物だって与えてくれるだろう。
 ベルメールならちゃんと責任を取ってくれるに違いない。
 何故だかそう確信し、俺は縛られたまま自由にならない身体の奥に熱い迸りをたっぷりと注がれた。

 END
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