【完結】俺の身体の半分は糖分で出来ている!? スイーツ男子の異世界紀行

海野ことり

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㊽特効薬が効き過ぎる−1(R−18)

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 ロクからのお仕置きをたっぷりと受け、次の日俺がベッドから起き上がれたのは日も随分と高くなってからだった。

「神格を得たロクのお仕置きは洒落にならないな……」
 俺は嗄れた声でそう呟いて水を飲む。
 水差しに入った単なる水がメチャクチャに美味い。

(ロク、本気で怒ってたな……)
 俺は昨日のロクを思い出してショボンとする。
 獣人は性に奔放で性別も余り気にしないけれど、俺はウィリアムの性の対象にはなりえない。
 そう思ったからあそこでウィリアムをわざと挑発した。
 結果は俺の思った通りだったけど、でもそうはならない可能性だって無くはなかった。

『もしもウィリアムが完全に理性を失っていたらどうする? それで私も気付かなければどうなっていた?』
 痛そうな表情でロクにそう訊かれ、俺は答える事が出来なかった。
 俺の見立てが外れることもあるし、俺が気が付いてない事実だってあったかもしれない。
 例えばウィリアムの神霊が俺を襲うとか(実際にその可能性は思い付きもしなかった)。

 俺にはお供がいるからいざという時には守って貰えるのかもしれない。
 それでも俺自身に戦闘力が無いんだから、避けられる危険は避けるべきだ。
 ロクの主張は余りにも正論すぎて言い返す言葉がない。
 俺は異世界にいるという自覚が薄れていた。もっと注意深くならなくてはいけない。

(でもあの快楽地獄はやり過ぎだ。死ぬかと思ったもん)
 俺は後孔に入ってくるザラリとした感触を思い出して、ゾクリと身を震わせた。
 まるで紙やすりで削られるようにナカをザリザリと擦られて、その身の毛もよだつ感触に身悶える俺を奴は押さえ付け、ゆっくりゆっくりと抜き差しを繰り返した。

『ヤダッ! ゆっくりヤダッ! シヌ、しんじゃうぅぅっ!』
『だが、咥え込んで離さないのは、チヤだろう?』
『ちがっ……』
『違うのか?』
 意地悪くロクが腰を引き、抜けていくソレに俺の内側が未練がましく絡み付き引き留めようとする。

『かはぁあああっ!』
 ずるずるずるっと肉襞を引き剥がすように抜けていく感覚に、喉の奥から渇いた声が出る。
 ヤダ、抜いちゃヤダ。抜かれたら衝撃でイッちゃう。

『……抜かないで』
 俺の涙混じりの懇願に、ロクは満足気な顔をして今度はゆっくりと押し込んでくる。
 ムリムリと入ってくる感触に俺はロクに挿入されているんだと実感して恥ずかしくなり、堪えるように指を噛んだらその手を取り上げられて『どんな顔をしている?』って顔を覗き込まれた。

 趣味が悪いって怒ろうとしてもロクが楽しそうだから怒れないし、モヤってても結局俺を救ってくれるのはロクだけだから許してよぅって泣きついたらイイ笑顔でヤダって言うんだぜ?
 いい年をした大人が、立派な身分を持った男が『ヤダ』って。

 俺はロクのバカって散々に罵って癇癪を起こして、そしたらもっと苛められて泣かされて、謝って許してくれと懇願してお尻が気持ちいいとかロクのが好きとか恥ずかしい言葉を散々言わされて後ろが真っ赤になるまでしつこい抽挿を繰り返された。

(はぁ、今もジンジンする……)
 俺はレベル二の再生薬を混ぜたミツロウを持ってきてもらい、絶対にロクには見せられない格好だと思いながら後ろに塗り込めた。
 そうしたらあっという間に治ってしまい、意外とこっち方面でも需要があるかもしれないと思った。

(これもジェスに伝えておこう)
 きっと夜だけじゃなく手荒れや肌荒れなど、あらゆる事に重宝する。

(数が捌けて、一家に一つはあるのが当たり前ってくらい普及したらいいよな。あ、だったら入れ物に象徴的なマークを入れたらどうだろう? キリスト教で言う十字架みたいな、卍みたいなわかりやすい形がいい)
 俺は万能薬の方は低レベルのは錠剤に出来ないかなとか、覚えやすいお祈りの文句も必要だよなとか、次々と考えが溢れてきて止まらない。

 う~ん、なんか頭の中がスッキリして考え事が捗る。いっぱいエッチしたのが良かったのかな。相変わらず中には出して貰えてないけど。

 俺が着替え終わったタイミングを見計らったように、ジェスに見て欲しいものがあると呼び出された。
 連れて行かれたのは何かを憚るように暗い地下室で、俺はじっと蹲った人影に目を凝らす。

(えっと、人間?)
 一人はオフホワイトの髪にアンモナイトみたいな巻いた角がある人間で、もう一人はオリーブ色の肌に黒髪の青年だった。
 黒髪って珍しいな、と呑気に見ていたら彼が酷い火傷を負っている事に気付く。

「ちょ、ジェス! この人、怪我してるじゃん!」
「ええ、ですから軟膏を塗って差し上げようと思いまして」
 ジェスは飄々とした態度でそう言うと黒髪の青年の顔を俺によく見えるように上げさせ、爛れた顔半分に軟膏をゲシゲシと塗った。

「うわっ、痛そう!」
 塗られている本人が顔を顰めるだけで我慢しているのに、見ている俺がキャーッと悲鳴を上げた。

「イチヤ様、目を逸らさないで下さい」
 ジェスに注意されて仕方なくそちらを見る。
 じゅくじゅくと膿んでいた肌が赤くなり、新しいピンとした皮膚が張られていく。

「あれ? 治るの早いね」
 ピンク色の新しい皮膚は俺が見ている前で色付いていった。

「痛くない! 嘘だろう!?」
 黒い人がペタペタと自分の顔に触れて呆然としている。
 そんな反応をまるっと無視してジェスが次に向かう。

「こちらの羊の血を引く人間は、酷いアレルギーを患っています」
 そう言ってジェスは今度は巻角の人のガサガサにひび割れて血が噴き出した肌に軟膏を付けていった。
 するとこっちも俺が見ている前でスルスルと肌が滑らかになっていき、最終的にはちょっと赤くて皮膚が弱そうだなというところまで良くなった。

「多分、明日も軟膏を塗ったら完全に治るね」
「ええ、効きが良すぎます」
 ジェスが眉間に皺を寄せて深刻そうな顔でそう言った。
 どうやらジェスの不満は効きすぎるという事のようだ。

「低級でこの効き目だと、中級と区別する意味が無くなってしまいます」
 ジェスの言う通り、一般家庭に普及させるにはちょっと効き目が良すぎるようだ。
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