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西島が意識を失っている間に、石神は机やら床やら、西島の体やらを綺麗に手早く拭き掃除した。そして電話でタクシーを呼ぶと、西島を背負って教室を出たのだった。
タクシーで向かった先は、学校近くに親が借りてくれている一人暮らし用のマンション。石神はそこへ西島を連れ帰ったのだった。
目を覚ました西島は、なにがなんだか分からないままに石神に命じられ、友人宅に泊まって勉強すると母親に連絡を入れさせられた。そして、実際にそのまま石神のマンションに泊まり、一晩中二人でセックスしまくることになったのである。
身体中のあらゆるところを石神に貪り尽くされた西島は、感じさせられ、善がらされ、気が狂いそうなほどの快感の海に溺れさせられた。何度射精し、何度ドライオーガズムを感じさせられたのか、もう分からないほどに。
結局、西島はその一晩だけで、手練手管に長けた石神に心も体も篭絡されてしまい、すっかり専用のメスにされてしまったことは、言うまでもないだろう。
翌日からの学校生活は、西島の予想に反して平穏だった。藤原茜の影響で自分はイジメられっ子になるかもと恐れていたのだが、周囲はいつもと変わらなかった。
不思議に思って問いかけると、石神はなんてことない風に肩をすくめた。
「昨日の内に仲間たちには連絡しておいた。藤原が俺にフラれた腹いせに変なことを言うだろうが無視しとけ、ってな」
「そ、そうだったんだ」
「だからアイツがなにを言ったところで、誰も信じやしないさ。むしろ、言えば言うほど藤原自身が惨めになるだけ」
「よ、良かった。イジメられずにすむんだ! ありがとう、石神」
西島が心からの礼を言うと、石神はそんな西島の頭をよしよしと優しく撫でた。
「俺、恋人は溺愛するタイプだからな。安心しとけ」
「う、うん……でも、俺なんかで本当にいいのか? 石神は俺には勿体ないと思うんだけど……」
「他の誰でもない、俺はお前がいいんだよ」
イケメンな石神から笑顔でそう言われ、西島は真っ赤になってテレながらも、嬉しそうに笑った。
宣言通り、その後の石神は西島を溺愛しまくった。
石神の溺愛の仕方は、さすがは高スペック男子。普通とは少し方向性が違う溺愛だった。
西島に毎日勉強を教えて学力をアップさせた。
一緒に買い物に出かけてたくさんの服を西島に買い、人気のヘアサロンで似合う髪型に変えさせた。それを何度も繰り返し、西島のファッションセンスを磨かせた。
高級レストランに度々足を運び、舌に美味いものを覚えさせた。
自分と仲の良いイケイケな友人たちを紹介し、彼らと西島とが、実はそう大差ない普通の人間であることを理解させ、人と付き合う術を身に付けさせた。
自分を平凡だと決めつけ、取るに足らない人間だと思い込んでいる西島の思考そのものを、石神は変えてやりたかった。胸を張り、自信を持って前を向くことできる人間にしてやりたかった。溺愛しているからこそ、西島の人生をもっと素晴らしいものにしてあげたいと思ったのである。
そんな石神の溺愛のおかげで、西島は自分でも気づかないくらいに少しづつ、無理なく変わっていった。
頭脳明晰な石神がマンツーマンで家庭教師をしただけあって、西島は石神と同じ一流大学に合格することができた。そこではすぐに友達がたくさん作れたし、女の子からもよく話しかけられるようになった。
高校生だった頃、あれほど平凡で小心だったことが嘘のように、西島は自信に満ち溢れた表情ができるようになっていた。それでいて傲慢なところはひとつもなく、いつだって人を思いやる優しさを持っているのだから、それでモテないはずがない。
しかしあの日、告白されてファーストキスを奪われた時に骨抜きにされて以来、西島はひたすら石神一筋だった。だから、言われるがままに勉強し、ファッションについて学び、味を覚え、多くの人と親しくなったのである。
石神が好きだった。
だからこそ、やれる、絶対に変われると言ってくれた石神の言葉を信じて、迷うことなく努力することができたのだった。
タクシーで向かった先は、学校近くに親が借りてくれている一人暮らし用のマンション。石神はそこへ西島を連れ帰ったのだった。
目を覚ました西島は、なにがなんだか分からないままに石神に命じられ、友人宅に泊まって勉強すると母親に連絡を入れさせられた。そして、実際にそのまま石神のマンションに泊まり、一晩中二人でセックスしまくることになったのである。
身体中のあらゆるところを石神に貪り尽くされた西島は、感じさせられ、善がらされ、気が狂いそうなほどの快感の海に溺れさせられた。何度射精し、何度ドライオーガズムを感じさせられたのか、もう分からないほどに。
結局、西島はその一晩だけで、手練手管に長けた石神に心も体も篭絡されてしまい、すっかり専用のメスにされてしまったことは、言うまでもないだろう。
翌日からの学校生活は、西島の予想に反して平穏だった。藤原茜の影響で自分はイジメられっ子になるかもと恐れていたのだが、周囲はいつもと変わらなかった。
不思議に思って問いかけると、石神はなんてことない風に肩をすくめた。
「昨日の内に仲間たちには連絡しておいた。藤原が俺にフラれた腹いせに変なことを言うだろうが無視しとけ、ってな」
「そ、そうだったんだ」
「だからアイツがなにを言ったところで、誰も信じやしないさ。むしろ、言えば言うほど藤原自身が惨めになるだけ」
「よ、良かった。イジメられずにすむんだ! ありがとう、石神」
西島が心からの礼を言うと、石神はそんな西島の頭をよしよしと優しく撫でた。
「俺、恋人は溺愛するタイプだからな。安心しとけ」
「う、うん……でも、俺なんかで本当にいいのか? 石神は俺には勿体ないと思うんだけど……」
「他の誰でもない、俺はお前がいいんだよ」
イケメンな石神から笑顔でそう言われ、西島は真っ赤になってテレながらも、嬉しそうに笑った。
宣言通り、その後の石神は西島を溺愛しまくった。
石神の溺愛の仕方は、さすがは高スペック男子。普通とは少し方向性が違う溺愛だった。
西島に毎日勉強を教えて学力をアップさせた。
一緒に買い物に出かけてたくさんの服を西島に買い、人気のヘアサロンで似合う髪型に変えさせた。それを何度も繰り返し、西島のファッションセンスを磨かせた。
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自分を平凡だと決めつけ、取るに足らない人間だと思い込んでいる西島の思考そのものを、石神は変えてやりたかった。胸を張り、自信を持って前を向くことできる人間にしてやりたかった。溺愛しているからこそ、西島の人生をもっと素晴らしいものにしてあげたいと思ったのである。
そんな石神の溺愛のおかげで、西島は自分でも気づかないくらいに少しづつ、無理なく変わっていった。
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高校生だった頃、あれほど平凡で小心だったことが嘘のように、西島は自信に満ち溢れた表情ができるようになっていた。それでいて傲慢なところはひとつもなく、いつだって人を思いやる優しさを持っているのだから、それでモテないはずがない。
しかしあの日、告白されてファーストキスを奪われた時に骨抜きにされて以来、西島はひたすら石神一筋だった。だから、言われるがままに勉強し、ファッションについて学び、味を覚え、多くの人と親しくなったのである。
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