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日常から非日常に? 2
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「そう、だな……高校三年に上がった時、ほぼ一学年分から告白されたのだろうか」
「……ん? え、マジで⁈」
「同級生からは受験勉強を口実に付き合ってくれと言われ、後輩たちは残り一年の思い出に、もしくは記念に告白してみたかった、なんて。そんな言葉とともに全ての休み時間で呼び出された。結局、全員断るのに二週間近く掛かったな……」
「すっご……てか、全員断ったのか」
想像していたよりも規模が大きい話であった。
まさかそこまでモテていたとは、大学内でも非公認ファンクラブができるほどではあるが、おそらく高校時代にも作られていたのだろう。
元々ノンケならひとりくらい付き合ってみてもいいじゃないかと思ったが、それは口にする前にケインの方から否定されてしまった。
「本当に好きだと思えなければ、俺は付き合えないと思ったんだ。そんなの相手に失礼だし、受験生なのに恋愛にうつつを抜かすのはおかしいだろう」
突き放す声は真剣で、下手に付き合って相手の時間を無碍にすることがないよう、相手に未練がないようはっきり言葉にして断る姿勢は、彼の生真面目さが伺えた。
「……ケインって、そういうところすごいよな」
「そもそも、当時は恋愛に興味がなかったんだ……でも、今なら分かるな」
俯いていたはずの顔を近付け、周りに聞こえない声音で持って優吾の耳元で囁く。
「仮でもお試しでも、愛しい相手と恋人になれるというのは、この上ないほどに幸せなことだと」
低くて優しい声、それにプラスして、顔を近付けたせいで肩に触れた彼の長い髪に肩が跳ねる。
熱くなった耳を押さえながら身体ごと離せば、悪戯が成功したかのように笑みを湛えるケイン。
からかわれているのかと思ったが、その瞳の奥は真剣な色を灯しており、言いたいことが全部グチャグチャになってしまう。
「お、まえっ……親に感謝しろ! その顔と声!」
「ん? 声もなのか?」
「顔にピッタリの声だからな! そりゃモテるわ‼」
小声で叫ぶという器用なことをした優吾は、未だにケインの髪が落ちる感触がすると耳を触りながら前を向き、ぐるぐると目を回している。
そんな優吾とは対照的に、嬉しそうに微笑むその幸せそうなこと。
声も褒められて嬉しいと言っているが、どうせ何百回も言われているだろうと心の中だけで悪態を吐いた。
「……な、ケインって、俺のどこが好きなの?」
ごくりと飲み込んだ唾の音がやけに大きく聞こえた。
ケインは意志が強く、たとえ一学年分の女子生徒が告白してきても、好きではないと断れる男だ。高校生なんていう多感な時期にその精神力は凄いと感心するが、今の問題点はそこではない。
「……ん? え、マジで⁈」
「同級生からは受験勉強を口実に付き合ってくれと言われ、後輩たちは残り一年の思い出に、もしくは記念に告白してみたかった、なんて。そんな言葉とともに全ての休み時間で呼び出された。結局、全員断るのに二週間近く掛かったな……」
「すっご……てか、全員断ったのか」
想像していたよりも規模が大きい話であった。
まさかそこまでモテていたとは、大学内でも非公認ファンクラブができるほどではあるが、おそらく高校時代にも作られていたのだろう。
元々ノンケならひとりくらい付き合ってみてもいいじゃないかと思ったが、それは口にする前にケインの方から否定されてしまった。
「本当に好きだと思えなければ、俺は付き合えないと思ったんだ。そんなの相手に失礼だし、受験生なのに恋愛にうつつを抜かすのはおかしいだろう」
突き放す声は真剣で、下手に付き合って相手の時間を無碍にすることがないよう、相手に未練がないようはっきり言葉にして断る姿勢は、彼の生真面目さが伺えた。
「……ケインって、そういうところすごいよな」
「そもそも、当時は恋愛に興味がなかったんだ……でも、今なら分かるな」
俯いていたはずの顔を近付け、周りに聞こえない声音で持って優吾の耳元で囁く。
「仮でもお試しでも、愛しい相手と恋人になれるというのは、この上ないほどに幸せなことだと」
低くて優しい声、それにプラスして、顔を近付けたせいで肩に触れた彼の長い髪に肩が跳ねる。
熱くなった耳を押さえながら身体ごと離せば、悪戯が成功したかのように笑みを湛えるケイン。
からかわれているのかと思ったが、その瞳の奥は真剣な色を灯しており、言いたいことが全部グチャグチャになってしまう。
「お、まえっ……親に感謝しろ! その顔と声!」
「ん? 声もなのか?」
「顔にピッタリの声だからな! そりゃモテるわ‼」
小声で叫ぶという器用なことをした優吾は、未だにケインの髪が落ちる感触がすると耳を触りながら前を向き、ぐるぐると目を回している。
そんな優吾とは対照的に、嬉しそうに微笑むその幸せそうなこと。
声も褒められて嬉しいと言っているが、どうせ何百回も言われているだろうと心の中だけで悪態を吐いた。
「……な、ケインって、俺のどこが好きなの?」
ごくりと飲み込んだ唾の音がやけに大きく聞こえた。
ケインは意志が強く、たとえ一学年分の女子生徒が告白してきても、好きではないと断れる男だ。高校生なんていう多感な時期にその精神力は凄いと感心するが、今の問題点はそこではない。
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