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9話
しおりを挟む「……ふん。正直、白々しく感じるが。その誓いをしたのなら、今は黙っておいてやる」
「殿下、あの。続きの発言をする許可を、頂いても構いませんか?」
「……問題ない。許可する」
改めて許可を求める平民に、渋々といった様子で殿下は頷く。そのまま、庶民は言葉を尽くす。
「では、失礼ながら。先程も申し上げた通り、俺はケニー・トランスウェル様から酷い目にあったとか、そんな事実は一切ございません。なので、何を言いかけたかは存じ上げませんが、殿下のお手を煩わせることは何一つありません。……本当です!」
真っ直ぐな視線を向ける庶民の前で、殿下は少し気圧されたように眉をひそめた後、怒りを爆発させる。
「……だがしかし!一週間前に、お前は階段から誰かに落とされて怪我をしただろう?っ、その前にも、植木鉢がお前の頭上目掛けて落ちてきて、一歩間違えれば重傷を負うことになったとも聞いたぞ!」
その言葉に、平民はほんの少し目を大きくし、ぱちぱちと瞬かせる。
知っていたのなら、本人にも伝えてやればよかったものを。
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