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妹の小言は続く
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「お兄様。肝心のソレを口にしてなければ、相手は不安になりますよ。態度でわかるだろうっていうのは無しです。もちろん、いくら自分のことに関しては鈍いシルヴィアお姉様でも、頭は良いのだから、お兄様の態度見て、気付いていないわけではないでしょう。ですが、お兄様の立場を考えると如何様にも解釈できるわけです。高位の貴族の娘だからとか、今更他の娘よりは知ってる人のほうが楽なのではとか色々ね。」
マリアンヌ、説教モード。
「シルヴィアには僕はシルヴィアでないと嫌だからねと伝えてある。」
「だから、なぜなのかを話してないでしょうが!」
マリアンヌの背後から黒いオーラが滲み出る。流石兄妹。似ている。
「ねぇ、マリアンヌ。お前、僕より4歳下だよね?その歳で悟りをひらいちゃってるみたいだよ。」
黒いオーラに動じず、イーサンは妹に突っ込みを入れる。
「それにね、おそらくシルヴィアは恋愛というものを諦めて、心の中にその部分だけ蓋をしていたと思う。」
「どういうことですか?確かに貴族は政略結婚が多いですが。」
「シルヴィアは厳しい教育を受けた。しかも賢く、飛び級制度も使って既に卒業してる。彼女の祖母の自宅でも教育が待っていてこなしていた。そんな彼女にとって、貴族の結婚というものは割り切らなくてはならないものとより強く思ったと思う。それを飛び越えてまでの強烈な体験があれば別だけど。恋愛は自分にとって無いものだと考えていたのかも知れない。だから急に僕が異性としての顔をみせて、戸惑ったし、顔を真っ赤にして泣いた。」
「泣い・・・泣かせるなんて、兄様、何をしたのです!変態!」
「酷っ。壁ドンしただけ。」
「何でいきなり壁ドン・・・。真っ赤になった姉様が想像できます。
確かに諦めていたかもしれませんね。でも、兄様、テルマ殿下からシルヴィア姉様のあることについて聞いてなかったのですか?それを聞いて私は踊りたくなるほど喜んじゃいましたが。
何にしてもお互い頭がキレるが故に貴方方は遠回りしてきてる気もします。と、いうか、このままだと遠回りの遠回り。
もし、姉様が嬉しいことに兄様の気持ちをはっきりくっきり悟ったとしましょう。でも、きちんと話さなければ、承認どころか納得して頂けないでしょうね。ただでさえ、本当だったら周りの人相手に不信になってもおかしくない。シルヴィア姉様が話のわかる人だったから周囲の人に怒りを覚えても、信頼関係は保たれてるだけのこと。」
*
その頃、シルヴィアの祖母の屋敷に客が到着していた。
隣国の侯爵令息。
シルヴィアに相談があるとのことであった。
そしてシルヴィアの周囲探知レーダーか何かが身体の中に存在してるのか、客が来てることなんか知らないイーサンが屋敷にやってくるのであった。
マリアンヌ、説教モード。
「シルヴィアには僕はシルヴィアでないと嫌だからねと伝えてある。」
「だから、なぜなのかを話してないでしょうが!」
マリアンヌの背後から黒いオーラが滲み出る。流石兄妹。似ている。
「ねぇ、マリアンヌ。お前、僕より4歳下だよね?その歳で悟りをひらいちゃってるみたいだよ。」
黒いオーラに動じず、イーサンは妹に突っ込みを入れる。
「それにね、おそらくシルヴィアは恋愛というものを諦めて、心の中にその部分だけ蓋をしていたと思う。」
「どういうことですか?確かに貴族は政略結婚が多いですが。」
「シルヴィアは厳しい教育を受けた。しかも賢く、飛び級制度も使って既に卒業してる。彼女の祖母の自宅でも教育が待っていてこなしていた。そんな彼女にとって、貴族の結婚というものは割り切らなくてはならないものとより強く思ったと思う。それを飛び越えてまでの強烈な体験があれば別だけど。恋愛は自分にとって無いものだと考えていたのかも知れない。だから急に僕が異性としての顔をみせて、戸惑ったし、顔を真っ赤にして泣いた。」
「泣い・・・泣かせるなんて、兄様、何をしたのです!変態!」
「酷っ。壁ドンしただけ。」
「何でいきなり壁ドン・・・。真っ赤になった姉様が想像できます。
確かに諦めていたかもしれませんね。でも、兄様、テルマ殿下からシルヴィア姉様のあることについて聞いてなかったのですか?それを聞いて私は踊りたくなるほど喜んじゃいましたが。
何にしてもお互い頭がキレるが故に貴方方は遠回りしてきてる気もします。と、いうか、このままだと遠回りの遠回り。
もし、姉様が嬉しいことに兄様の気持ちをはっきりくっきり悟ったとしましょう。でも、きちんと話さなければ、承認どころか納得して頂けないでしょうね。ただでさえ、本当だったら周りの人相手に不信になってもおかしくない。シルヴィア姉様が話のわかる人だったから周囲の人に怒りを覚えても、信頼関係は保たれてるだけのこと。」
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その頃、シルヴィアの祖母の屋敷に客が到着していた。
隣国の侯爵令息。
シルヴィアに相談があるとのことであった。
そしてシルヴィアの周囲探知レーダーか何かが身体の中に存在してるのか、客が来てることなんか知らないイーサンが屋敷にやってくるのであった。
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