願いを持ちしはじまりの緑石

御伽夢見

文字の大きさ
51 / 113
第三章 植物という名の命 石という名の子供

だからどうしてそうなる

しおりを挟む
 夢で見た内容について、フォリーに直接話がしたいとアレックスが西の屋敷に来たものの、いつもより荷物が多いことにルーカスは突っ込まずにはいられなかった。
 「その荷物を持ってきたということは暫くこっちにいるつもり?」

 「うん。あれ?おかしい?俺達皆、小さい頃からお互いよくそうしていたよね?」

 「確かに今も昔もそうだけど・・・お前、単にフォリーのあの件を聞いて勘違いをしてるんじゃないの?気にしなくても、特に何もないよ。」

 「ディランから聞いたから別に心配してない。フォリー自身が断ったんでしょう?」

 「気にしてないなら何なの?話なら日帰りで済みそうなのに。それとも後でディラン達も泊まりに来るの?」

 「向こうの世界の件で話をしたいのは事実だよ。それと、休みが終わったら暫くフォリーと一緒に登校すると決めた。フォリーの許可ももらったよ。気にしてはいないけど、きっかけにはなったよ。自分の気持ちにいつまでもこのままでは駄目だと思ったの。」

 いや、だからって泊まりがけって?これじゃあ登校どころかずっと側にいるようなものじゃん。

 ルーカスは心の中で突っ込みつつ

 「登校だけだよね?忙しいんだし。」

 「俺をストーカー扱いしないで。そんな変な行動力はない。小さい頃から元々よく一緒にいたけど、そのままの流れではなくて、今の自分が側にいることを意識してもらいたいと、意識付けだよ!」

 なんの心配してるのやら。フォリーにそんな心配いらないだろが。帰国した日にお前に横からしがみついていたあの様子が物語ってるだろうが。

 ルーカスはひたすら心の中で突っ込み続ける。

もっとも、フォリーが自覚してるかは別だけどね。そう言う意味では自分の妹ながら複雑だよ。

 「わかったよ、アレックス。でもさぁ、お前、行動力使う方向が、というか発想がズレてない?」 

 とうとう、思わず声に出して突っ込んでしまったルーカスである。

 素直に本人に自分がフォリーをどう思ってるのか話せばいいのにな。答えを怖くて聞けないが正解だろうけど。



           *




 「お兄様、隠し部屋のトゲうさぎちゃんが・・・あれ、アレックス?え?昨日の今日でもう?」

 フォリー、そこは突っ込むな。アレックス、今、行動力が変な方向にいってるから。アレックスが哀れになってくる。

 ルーカスはこめかみに人差し指をあて、ため息をついた後、

 「トゲうさぎがどうかしたの?あ、ごめん。まだお前に話してなかった。アレは今クトニオスの部屋で預かってもらってる。俺が隣国行く前に隠し部屋で何かが起きて、よく見たらトゲうさぎに変化が出てたんだ。植物だからとは思ったものの、その変化に疑問があって。不在の間、世話を頼んだ。」

 「あいつが変化?」

 アレックスが呟く。

 「まぁ、アレに関してはお前も当事者だよな、アレックス。幼い頃のお前達が見つけたものだし。

 よし、クトニオスのところへ行こう。実際に見たほうが早い。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...