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1章
未開な妖怪、もう限界
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〇〇小学校 3F 第1男子トイレ
そこにはとある一つの「噂」があった。
なんでも、そのトイレの3番目の扉を3回ノックし、「花子さん、いるー?」と言うと、その中から「いるよー…。」と小さな声で返事が返ってくる。そしてその扉を開くと、赤いスカートにおかっぱ頭の幼い少女がおり、恐怖に震えている間に中に引きずり込まれてしまう...というものだ。
...そして今宵、ある一人の筋骨隆々なスキンヘッドの男が、件の男子トイレの前で佇んでいた。「噂」を聞きつけ、調査のためにやってきたのだといい、宿直の教諭を説得し特別に中に入れてもらったようである。なにせ、男はTVにもよく出演するほどの高名な僧侶であり、悪霊払いでもあった。現代において妖怪などほとんど信じられていないとはいえ、メディアにも顔の利くような大人物の頼みを無碍にする勇気は、たまたま宿直を押し付けられただけの新米女教諭には無かった。
さて、そんな彼であるが、のっしのっしと音のするような早歩きでトイレに到着したかと思うと、数秒そこをじっと見つめた後、勢いよく入口の扉を開けてそのまま3番目の扉の前へと立った。
そして
(コン、コン、コン)
扉を3回ノックしたのち
「...花子さん、いるー?」
と、低音ながらも一語一句違えずそのフレーズを詠んだ。
......数秒間の静寂。
そして
「...い、いるよぉ...」
声は、確かに放たれた。
明らかに子供、それも小学校低学年、高く見積もってもせいぜい中学年ほどの幼い少女の声。
なぜかその返事からは多少の戸惑いがみられたが、明らかな怪奇現象であることには変わりない。男は喉をゴクリと鳴らし、その扉をゆっくりと開け放った。
---そこに居たのは、確かに「赤いスカート」に、「おかっぱ頭」の「幼い」...しかし妙に表情のやつれている---具体的に言うと客のいない時間のキャバ嬢、もしくは周りがどんどん寿退社していくのに今までバリバリ仕事をこなすキャリアウーマンやってたせいで行き遅れた三十路後半OLのような---なんとも「摩訶不思議」な雰囲気を持った少女であった。
「...えー、こんなバリバリ私あなたを退治しに来ました!...みたいな人来るとか...。」
少女は口を開けるなりそう言い放ちました。のっけから諦めムード全開です。
「...あたしさ、見ての通り単なる少女の妖怪な訳よ、何の戦闘力も無い。…そりゃあさ、あたし見て怖がった人引きずり込むことはできるよ?でもそれはあくまで妖怪の基本技能な訳だし...恐怖に支配されてる状態の何の能力も持たない人間引きずり込むとか意思持ちならできないやつ探すほうがクソむずいレベルだし...。」
聞いてもいないのに自分語りな愚痴の垂れ流しをペラペラと始めました。人生にめっちゃ不満持って自暴自棄になってる奴特有の現象です。人じゃないけど。
「なんでこんなのあたしんとこくんだよ...ねぇ、もっとあんじゃん候補がさぁ?ほら、いい加減山にも人間の手が入ってきてるっつーのに未だに我慢できずに子供攫ったりしてる天狗のじーさんとかさぁ...もっといんじゃん、無駄に戦闘力高いメンツ。こんなクソザコガキ妖怪なんかにあんたみたいな強いやつがかまってていいわけ?」
「......。」
男は何も答えない
「...はぁ。わーったわよ!もう退治でもなんでもしちゃいなさいな。...どうせ、このまま存在し続けったって...もう、誰も引きずり込めないしね...。」
その言葉を聞いた途端、男は勢いよく少女---「トイレの花子さん」の肩に手をかけた。
...ああ、自分は...
「あたしは…」
もう、終わるのか。
「成仏、しちゃうのね」
...そう言って、花子は目を閉じ、男は...
「ん?今何でもしていいって言ったか?」
------数秒か、数十秒か、はたまた数分か…
「..................は?」
その静寂を打ち破ったのは、
今まさにその問を投げかけられた、哀れな少女(妖怪)の困惑であった。
「...だから、何でもしていいのか、と聞いとるんだが。」
「...え?いや、ちょ、ちょっとまてよお前、何でそんなこと聞いてくんの?...うん、言ったよ。成仏させるなりなんなり好きにしろって...だからさっさt「なら脱げよ」
「.............................................え?」
…先に言っておくと、「トイレの花子さん」というのは、基本的に小学校にのみ出没する妖怪である。故に、怖がらせる対象というのは、基本的に生徒、小学生がほとんどだ。まず大人がこうして接触しに来る、という状況自体がイレギュラーであり、「自分に会いに来る人間の大人」にたいする経験値が圧倒的に不足していた。故に、男を見た時の強い僧侶、という推測もあくまで拙い知識から推理したものであり、それ以外のものである可能性などこれっぽっちも考えていなかった。
実際、花子の読みは間違ってはいない。男は確かに強い力をもった僧侶にして悪霊払いではあった。
しかし
「...いいよなぁ...どうせ、妖怪だしなぁ…。」
男は、僧であると同時に
「...へっへっへっへっへ...こういう事よくあるから、悪霊払いはやめられねぇ...どうせ...」
どうしようもない
「退治(ヤ)っちまえば証拠なんて、残んねぇんだからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
小児性愛家(ロリコン)であった。
そこにはとある一つの「噂」があった。
なんでも、そのトイレの3番目の扉を3回ノックし、「花子さん、いるー?」と言うと、その中から「いるよー…。」と小さな声で返事が返ってくる。そしてその扉を開くと、赤いスカートにおかっぱ頭の幼い少女がおり、恐怖に震えている間に中に引きずり込まれてしまう...というものだ。
...そして今宵、ある一人の筋骨隆々なスキンヘッドの男が、件の男子トイレの前で佇んでいた。「噂」を聞きつけ、調査のためにやってきたのだといい、宿直の教諭を説得し特別に中に入れてもらったようである。なにせ、男はTVにもよく出演するほどの高名な僧侶であり、悪霊払いでもあった。現代において妖怪などほとんど信じられていないとはいえ、メディアにも顔の利くような大人物の頼みを無碍にする勇気は、たまたま宿直を押し付けられただけの新米女教諭には無かった。
さて、そんな彼であるが、のっしのっしと音のするような早歩きでトイレに到着したかと思うと、数秒そこをじっと見つめた後、勢いよく入口の扉を開けてそのまま3番目の扉の前へと立った。
そして
(コン、コン、コン)
扉を3回ノックしたのち
「...花子さん、いるー?」
と、低音ながらも一語一句違えずそのフレーズを詠んだ。
......数秒間の静寂。
そして
「...い、いるよぉ...」
声は、確かに放たれた。
明らかに子供、それも小学校低学年、高く見積もってもせいぜい中学年ほどの幼い少女の声。
なぜかその返事からは多少の戸惑いがみられたが、明らかな怪奇現象であることには変わりない。男は喉をゴクリと鳴らし、その扉をゆっくりと開け放った。
---そこに居たのは、確かに「赤いスカート」に、「おかっぱ頭」の「幼い」...しかし妙に表情のやつれている---具体的に言うと客のいない時間のキャバ嬢、もしくは周りがどんどん寿退社していくのに今までバリバリ仕事をこなすキャリアウーマンやってたせいで行き遅れた三十路後半OLのような---なんとも「摩訶不思議」な雰囲気を持った少女であった。
「...えー、こんなバリバリ私あなたを退治しに来ました!...みたいな人来るとか...。」
少女は口を開けるなりそう言い放ちました。のっけから諦めムード全開です。
「...あたしさ、見ての通り単なる少女の妖怪な訳よ、何の戦闘力も無い。…そりゃあさ、あたし見て怖がった人引きずり込むことはできるよ?でもそれはあくまで妖怪の基本技能な訳だし...恐怖に支配されてる状態の何の能力も持たない人間引きずり込むとか意思持ちならできないやつ探すほうがクソむずいレベルだし...。」
聞いてもいないのに自分語りな愚痴の垂れ流しをペラペラと始めました。人生にめっちゃ不満持って自暴自棄になってる奴特有の現象です。人じゃないけど。
「なんでこんなのあたしんとこくんだよ...ねぇ、もっとあんじゃん候補がさぁ?ほら、いい加減山にも人間の手が入ってきてるっつーのに未だに我慢できずに子供攫ったりしてる天狗のじーさんとかさぁ...もっといんじゃん、無駄に戦闘力高いメンツ。こんなクソザコガキ妖怪なんかにあんたみたいな強いやつがかまってていいわけ?」
「......。」
男は何も答えない
「...はぁ。わーったわよ!もう退治でもなんでもしちゃいなさいな。...どうせ、このまま存在し続けったって...もう、誰も引きずり込めないしね...。」
その言葉を聞いた途端、男は勢いよく少女---「トイレの花子さん」の肩に手をかけた。
...ああ、自分は...
「あたしは…」
もう、終わるのか。
「成仏、しちゃうのね」
...そう言って、花子は目を閉じ、男は...
「ん?今何でもしていいって言ったか?」
------数秒か、数十秒か、はたまた数分か…
「..................は?」
その静寂を打ち破ったのは、
今まさにその問を投げかけられた、哀れな少女(妖怪)の困惑であった。
「...だから、何でもしていいのか、と聞いとるんだが。」
「...え?いや、ちょ、ちょっとまてよお前、何でそんなこと聞いてくんの?...うん、言ったよ。成仏させるなりなんなり好きにしろって...だからさっさt「なら脱げよ」
「.............................................え?」
…先に言っておくと、「トイレの花子さん」というのは、基本的に小学校にのみ出没する妖怪である。故に、怖がらせる対象というのは、基本的に生徒、小学生がほとんどだ。まず大人がこうして接触しに来る、という状況自体がイレギュラーであり、「自分に会いに来る人間の大人」にたいする経験値が圧倒的に不足していた。故に、男を見た時の強い僧侶、という推測もあくまで拙い知識から推理したものであり、それ以外のものである可能性などこれっぽっちも考えていなかった。
実際、花子の読みは間違ってはいない。男は確かに強い力をもった僧侶にして悪霊払いではあった。
しかし
「...いいよなぁ...どうせ、妖怪だしなぁ…。」
男は、僧であると同時に
「...へっへっへっへっへ...こういう事よくあるから、悪霊払いはやめられねぇ...どうせ...」
どうしようもない
「退治(ヤ)っちまえば証拠なんて、残んねぇんだからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
小児性愛家(ロリコン)であった。
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