異世界妖怪いらっしゃい!

きよひーすこすこマン

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1章

恨みつらみが積みヤバみ

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「それで?結局その腐れロリコン坊主どうなったの?」
「…あんた、よくそれ被害者当人に軽々しく聞けるわね。人間共はそういうの野次馬根性って言うらしいじゃない。」
「んーだってさ、もしそいつの薄汚い欲望が叶ってはなっぺが...うん、まあ屈辱的な事されちゃったってんなら、今こうやってあたしと駄弁って饅頭食ってられる訳無いし…ならまあ、だいじょぶかなって。」
「そりゃまあ、確かにあんときはぬらりひょんのじーさんに内緒で付けられてた妖怪ブザーでどうにか助けられたよ?...でも...でも...もしあれが5秒でも遅れてたら...あ、あたし、今頃...」
「あー、うんごめんごめん悪かったよ...ほら、温かいお茶でも飲んで元気だそう?ね?」

そういって、マスクを着けた黒髪ロングヘアーでOL風の女は、昨晩不幸な事に屈強なハゲに退治レ〇プされかけた哀れな少女...トイレの花子さんを慰めていた。

「そりゃ、あたしだって普通に退治されるだけなら受け入れてたさ...でも!!!あんなクソロリコン坊主に好き勝手おk...メ、メチャクチャにされた挙句仕返しもできずに退治(ころ)されるなんて...許容できるわけないでしょうが!!!!!!」
「うんうん分かった、分かったから...ほら、そろそろ泣き止みなって。あたしこれから配信あんだから、いるのはいいけど泣きわめいて邪魔されんのはごめんなんだけどぉ?」

今、彼女たちがいるのは某県某市内にある住宅街に建てられたマンション...見た目は大体築4,50年といったところか。早朝、その中の一室に突然押し掛けた花子さんは、部屋の主である腐れ縁の旧友に昨晩の悲劇に対する愚痴をこれでもかとぶちまけていた。

彼女の名は「口裂け女」。日本のとある都市伝説に語られる、顔立ちこそ絶世の美女ではあるが、その名の通り口が耳元まで裂けているという、花子と同じれっきとした「妖怪」である。その都市伝説も見た目に違わず、口元を完全に隠すほどのマスクをした彼女が、学校帰りの子供等に 「あたし、綺麗?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「これでも……?」と言いながらマスクを外し、その耳元まで大きく裂けた口を見せつけてくる、というもの。「きれいじゃない」と答えると包丁や鋏で斬り殺されるとまでいわれている。恐怖感増すから別にいいんだけどさ...と不満げに花子に愚痴ってたのはもう何十年も前になる。
ちなみに、彼女と花子さんが腐れ縁なのは、住宅街と学校、どちらも出没地点にこそ違いはあるものの、主に小学生を驚かせたりするという共通点から何となく一緒に話したりすることが多かったためである。それでも、せいぜい世間話したりお菓子食ってだらだらしたりが殆どであったが。

...しかし、今は令和。妖怪=恐怖をもたらすモノという認識はとうに廃れ、今や人類の妖怪に対する認識は、サブカルチャー文化での扱いによる影響…「萌え」や「ヒーロー化」による偶像崇拝、世にいうアイドル化、を受け、「そもそも存在するわけ無いし、仮に存在していたとしてもむしろあってみたい。握手してみたい。」という認識にまで落ちぶれていた。人間にとっては、前者はともかく後者はいいことなのでは?という認識であろうが、妖怪というのは人間の自分たちに対する「存在してほしくないなぁ」とか、「絶対会いたくなんてない!」という恐怖感こそがその存在意義であり、この世に在り続けるためのエネルギー。そういった偶像的な人気はむしろ彼ら彼女らにとってマイナスにしかならないのである。

勿論彼女…口裂け女もその煽りは受けている。だが…

「はなっぺもあたしみたいにすればいいのに。仮にも見てくれは美少女だしかわいいんだから、スパチャもどんどん稼げると思うよ?恐怖はまあ...セクハラなりおさわりなりしてきたロリコン訴訟で脅すとか?」
「仮にもは余計よ年中マスク。...てか、仮にも妖怪なのに恐怖の供給を人間共の法に頼るとか...プライドないわけ?」
「だってー、家から殆ど出ずにお金稼いで美味しい物とか食べれるしー?たまーにリアルでファン呼び出して色々(意味深)煽って襲わせるなりしてバレちらつかせて脅せば恐怖も十分手に入るしー?ぶっちゃけ慣れると昔の生活よりも快適よ。」

花子とは違い、割とすぐ現代生活に順応した口裂け女は、今や宗教上の理由で24時間365日マスクをしている謎の美人生配信者「SAKEKIN」として人間(主に2,30台男性)から絶大な人気をはくし、驚かすこともせず日々の殆どを食っちゃ寝やゲーム配信で過ごすクソニート一歩手前な生活を送っていた。ちなみに妖怪は生まれた時の姿のままで見た目が固定されるので基本そんな生活でも太らない。羨ましいことである。

「でも現実問題、今じゃ昔みたいに馬鹿正直に人間脅したって殆ど効果ないじゃん。そりゃはなっぺみたいなクソザコでも一応は妖怪としてのプライドはあるってのも分からなくはないけどさ...プライドじゃ、腹は膨れないのよ。」
「ぐっ...。」

無論花子とてそんなことは分かっている。実際、昨夜ももう先の長くないであろう人生、ならぬ妖生を諦め、大人しく退治されようとしてたのだから。...しかし

「でも...せめて、最後くらいは、恐ろしい妖怪だったって思われながら退治され(死に)たいのよ…。このままじゃあたし...あのロリコンみたいなやつらに負けたまんまじゃない...!せめて、屈辱は晴らしたい!!!人間共の恐怖と絶望に歪んだ顔を見ながら息絶えたいの!!!」
「...はなっぺ...」

ーーー数秒間の静寂。
それを



「ほほぉ...そんなに人間共が憎いかえ?」



破ったのは



「ならばええ考えがあるぞよ、花子よ。」




現妖怪組合最長老にして、他人の家に無断で上がり込む事にかけては他の追髄を許さぬ変態爺...




「じゃがその前に…その純白お子様パンツをmぶほぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

ぬらりひょんの発言、およびお子様パンツの目潰し制裁による絶叫であった。


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