異世界妖怪いらっしゃい!

きよひーすこすこマン

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1章

キュートな脅威で窮地かい!?

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~花子 side~
「うーん...おい九尾~、やめてやれよ~…」
「...なっぺー?はなっぺってばー」
「それは...お前じゃなくて...天狗じーさんの...お稲荷さんだろぉ~?...ていうか...御子息様だろぉ~?」
「あーたっく...いつまで寝てんのっよ!」
ビシィ!
「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!何すんだ口裂け!」
「あんたがいつまで経っても起きないからでしょ?」
そう言って、この年中マスクをしてる変人のくせに、出る所は出た無駄に育った体をしてる数少ない友人...口裂け女は、悪びれもせずに得意げに笑っていた。この女、最近ではあまりにもだらしない生活を送っているものだから週に3,4回くらいの頻度で家に通って掃除洗濯とかやってやってた自分に対してなんて言い分だ。
「それにしたってもうちょい優しくやってくれてもよかったろーが!今のデコピンガチで痛かったんだけど!?」
「ハッ!マゾなファンとのオフ会で磨いたお仕置きスキルは伊達じゃないのよ。それよりはなっぺ、回り見てみてよ。」
ドSマスクに言われて渋々ながらも辺りを見渡すと、木や草むらに囲まれており、人の気配等は微塵をしないことに気付いた。
「森の中に飛ばされたってことか...まあ座標の指定はできねえって河童どもも言ってたし仕方ない事なんだろうけど。」
「ええ。ラノベとかならこういう時は都合良く町の中とかに飛ばされたりするもんなんだけどね...所詮は現実なんてこんなもんってことなのかなぁ。」
非現実的存在の代表格である妖怪がそれを言うのかと思わなくも無いけど、実際言いたくなるのも分かるくらい困った状況にいるのだから何も言えない。...仕方ない、ここは...
「一回じじい共のとこ戻る?またあれに引かれるのは正直嫌だけど、背に腹は代えられないし。」
「...あー、それなんだけどねはなっぺ...。」
「?どうしたのよ口裂け?昔いたずらで人間の家忍び込んでメリーさんに電話かけた時速攻でバレて追い回された時みたいな顔して。」
「なんでバレたのかと思ったら、あんときチクったのアンタだったのね!!...い、いやそうじゃなくてね?...とりあえず、自分で確かめてみなさい。」
そう言われ、口裂けに手渡されたバッチを見る。じじい曰く、後ろに付いてるボタンを押すといつでも元の世界に戻れるそうで、こっちの妖怪も連れてくるために数人分多く渡されてある。というか、こうやって手軽に世界渡れるのならなんで転送の時のやつはトラック型なんだと思ってはいたのだが、河童共には『送る時と戻る時では座標調整とかあとロマンとかが云々...』と流されてしまった。とりあえず戻ったら皿でグラタンだけでなくドライカレーも作ってやることにしよう。そう企みながらボタンを押すと...何も起きなかった。
「...あれ?」
もう一度おす。
何も起きない
「......あれ?」
さらにもう一度押す。
やっぱり何も起きない
「...はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!??????????どういうことだよ!あ、まさか不良品つかまされたのか!?それはそれでクソむかつくけど、他のやつなら...!」
「あるやつ全部で試したけど、全部同じ反応だったよ...。」
「ふざけんなあいつら!いつもいつも河童の技術は世界一ィィィィィィィィィ!!!!とかほざいて他のやつらにイキッてるくせに!」
「はなっぺもたまに絡まれてウザそうにしてたもんねー。...それにしてもおかしいんだよ。確かにあいつらくそウザいけど発明の腕は確かだし、今までハナッから頭おかしい物作ったことはあっても失敗作作ったり、故障しやすいの作ったりしたことは無かったし。...それにさ、はなっぺは寝起きで気付かなかったみたいだけど...」
口裂け女は、急に真剣な表情になり
「ボタンを押すたびに、微かに妖力に似た力による干渉を感じたんだよね...。つまり...」
「...何者かが、あたしらの帰還を邪魔している?でもあたしら、たった今ここにきたばかりだぞ?一体...」
誰が何のために。
そうあたしが言いかけたところで、急に草むらからガサゴソと音がなりだした。
「!はなっぺ!隠れて!」
「分かってる!」
小声でそう合図しあうと、二人同時にその草むらから距離を取り、ぎりぎりそこが見える位置にある別に草むらに身を潜めた。
そうして中から何が出てくるのかとしばらく無言で眺めていると...
やがて、小柄な全身を体毛で覆われ、愛くるしい瞳にやわらかそうな肉球、かつ小さな翼を持った猫のような小動物がおぼつかない足取りで飛び出してきた。
「......」
「「......」」
「...ゲルゥ?」
「...か、かわいいィィィィィィィ!!!ちょっとはなっぺ!見てよあの子ちょーかわいいんだけどぉ!!!」
「...あ、ああ。確かにかわいいな...でも気を付けろよ?いくらかわいいからってあれが危険な生き物じゃねぇとは限らないし、ここは様子を...」
「よく見たらあの子ケガしてるじゃん!こうしちゃいられない!助けてあげなきゃ!そしてお礼にモフモフさせてもらわなきゃ!」
「待てってーの!!!」
あたしの静止も聞かず口裂けは小動物に向かっていった。...そういやあいつ、ああいう小動物とかに目がなかったんだった...。昔、子供驚かせる時にたまたま通ったペットショップを夢中で見つめすぎて驚かせるの忘れたこともあったしな...。
「抱っこしてあげる...あぁん、くすぐったい...よちよち、もうだいじょぶでちゅからねぇ。お姉ちゃんたちが、ちゃーんと安全なところに連れていってあげまちゅからねぇー!」
「気色悪いからその言葉使いやめい。てかしれっとあたしもまきこんでんじゃない。」
「えー?いいじゃん別に。そんなことより、早くこの森出よう?村なり街なり見つけて一刻も早くこの子手当てしないとだし!」
「ったく...わーった...よ...」
最早保護する気満々の口裂けに呆れながらもその腕の中の小動物に目を向けると
「...なあ、なんかそいつ、溶けてない?ドロドロに。」
「え?何言ってるのよはなっぺ?この子どう見ても哺乳類でしょ?溶けたりなんてするわけ...」
次の瞬間、その小動物は急に姿を変え、ゲル状の大きな口の姿をした化け物の姿となって口裂けを頭から飲みこんだ。
「ムグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!??????????」
「口裂けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
頭から口裂けを呑んだ化け物は、そこからゆっくりと首へ、肩へと侵食を進めていったが...胸のあたりで何かに引っかかったのか、そこで悪戦苦闘している。
「...どうやら、アンタのその無駄にデカい脂肪が今回ばかりは役に立ったみたいね...待ってなさい口裂け!どうにかして出したげるから!!!」
「ムグッグ...!!!」
といっても、武器も無しにどうやって助けるのか思いつかない。どうする...?いっそこのまま口裂けを連れてどうにか森を出て助けを呼ぶか...?いやでもそれだと口裂けのあられもない姿を公衆の面前で晒すことに...
と、絶体絶命かと思われていたその時
「ファンネル・ファイア!」
突然甲高い声が鳴り響いたと思うと、幾つもの火の玉が飛来し、口裂けを覆っていた化け物だけを正確に焼き尽くした。
「...ぷはぁぁぁぁ!あ、ありがとはなっぺ!危うく全身ぬるぬるにされてからドロドロに溶かされそうになるトコだったわ...。」
「い、いや、助けたのはあたしじゃなくて...」
「そこの人たち!だいじょぶですかー!?」
と、声がしたので口裂けと一緒に二人して振り向くと
「...よ、よかったー...初めて魔物に放ったけど、うまくいったみたいで...」
そこに立っていたのは...
「あ、お二人とも!ご無事でなによりです!お怪我はありませんでしたか?」
大きな魔女帽をかぶり、かわいらしい声に小柄な体躯、それに見合わぬ豊かな乳房を持ち、そしてなにより...
「いやー、ドッペルゲルガーに騙されるなんて災難でしたね!でももう安心して下さい!わたし...」




「ボルシ・ドラゴニカ・デュールが、あなた達をスタードの町まで安全に送り届けます!!!」
...20メートルはあろう翼を携えた、金髪の美少女であった。
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