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公爵家編
49.変身
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連れて行かれた場所は、メル様の部屋だった。
メル様の部屋は、赤色で統一されいた。多分、初めて入ったと思う。
その部屋で俺はメル様のお人形のように着せ替えられる。
メル様のメイドさん達も楽しそうに色々な服を持ってきた。しかも、ただの服じゃない。メイド服だ。
「こちらはどうでしょうか?」
「こちらも良いと思います」
「可愛らしいのはこちらでは?」
俺はメイドさん達の手で瞬く間に次々に着替えさせられる。
白色、黒色、青や赤。フリルがたくさんついているやつに、レースのやつ、ミニスカート、ロングスカート。
皆、楽しそうだが俺はもう何が何だか。というか、メイド服ってこんなにあるものかと感心してしまう。
「色は定番の黒。首が隠れるハイネック、袖は花柄レースのベルスリーブ。スカートは、パニエを履かせたプリンセスライン。エプロンはシンプルに白で、赤の花の刺繍があるものが良いわ。靴は今のままで良いわね」
「畏まりました」
メル様の言葉はまるで呪文だった。俺には何を言っているか分からない。
メイド服が決まると今度は髪の毛を弄られる。
意外にも俺の髪は長く腰に届くくらいあり、塔にいた頃よりずっと∣艷《つや》やかで綺麗になっている。
髪もさっきのメイド服と同じように色々される。ポニーテール、サイドテール、ツインテール、三つ編み、お団子。高さもそれぞれで作ってみせる。
「んー、そうねぇ。ウェインに自身にやらせるならサイドテールね。低めのツインテールも捨てがたい。三つ編みも良いわね。……とりあえず今はシニヨンヘアが良いわ」
メル様の言葉で決まり、メイドさんの1人が手際良く髪型を仕上げていく。後ろで縛ったあとに後頭部に巻き付かせる感じの髪型だ。詳しくは分からないけど。
「メイクは薄く紅貝で統一しつつ、ファンデーションは···いらないわね」
小さな貝殻の内側は緑色で、筆で溶かすと赤色に変色していき、それを顔に塗っていく。この世界のメイクってすごいと感心しながら、顔を触る筆のくすぐったさを我慢する。
メイクもされて、鏡の前に立たされる。そこにいたのは、メイド服を着た少女だった。あまりの変わりように、2度見してしまった。
ほっぺや唇は薄いピンク。まぶたや目尻はほんのり赤く染まっている。
これが俺?どう見ても、絶対俺じゃない。メイクってスゲー!
顔を触ろうとすると、近くにいたメイドさんに止められた。
「これでウェインはもっと可愛くなったわ。さぁ、お父様のところに向かうわよ!」
手を繋がれて、メル様の部屋を出た。
えっ!?この状態でルダン様に会うの!?俺は呆けたまま、メル様に引きずられて行く。
メル様の部屋は、赤色で統一されいた。多分、初めて入ったと思う。
その部屋で俺はメル様のお人形のように着せ替えられる。
メル様のメイドさん達も楽しそうに色々な服を持ってきた。しかも、ただの服じゃない。メイド服だ。
「こちらはどうでしょうか?」
「こちらも良いと思います」
「可愛らしいのはこちらでは?」
俺はメイドさん達の手で瞬く間に次々に着替えさせられる。
白色、黒色、青や赤。フリルがたくさんついているやつに、レースのやつ、ミニスカート、ロングスカート。
皆、楽しそうだが俺はもう何が何だか。というか、メイド服ってこんなにあるものかと感心してしまう。
「色は定番の黒。首が隠れるハイネック、袖は花柄レースのベルスリーブ。スカートは、パニエを履かせたプリンセスライン。エプロンはシンプルに白で、赤の花の刺繍があるものが良いわ。靴は今のままで良いわね」
「畏まりました」
メル様の言葉はまるで呪文だった。俺には何を言っているか分からない。
メイド服が決まると今度は髪の毛を弄られる。
意外にも俺の髪は長く腰に届くくらいあり、塔にいた頃よりずっと∣艷《つや》やかで綺麗になっている。
髪もさっきのメイド服と同じように色々される。ポニーテール、サイドテール、ツインテール、三つ編み、お団子。高さもそれぞれで作ってみせる。
「んー、そうねぇ。ウェインに自身にやらせるならサイドテールね。低めのツインテールも捨てがたい。三つ編みも良いわね。……とりあえず今はシニヨンヘアが良いわ」
メル様の言葉で決まり、メイドさんの1人が手際良く髪型を仕上げていく。後ろで縛ったあとに後頭部に巻き付かせる感じの髪型だ。詳しくは分からないけど。
「メイクは薄く紅貝で統一しつつ、ファンデーションは···いらないわね」
小さな貝殻の内側は緑色で、筆で溶かすと赤色に変色していき、それを顔に塗っていく。この世界のメイクってすごいと感心しながら、顔を触る筆のくすぐったさを我慢する。
メイクもされて、鏡の前に立たされる。そこにいたのは、メイド服を着た少女だった。あまりの変わりように、2度見してしまった。
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これが俺?どう見ても、絶対俺じゃない。メイクってスゲー!
顔を触ろうとすると、近くにいたメイドさんに止められた。
「これでウェインはもっと可愛くなったわ。さぁ、お父様のところに向かうわよ!」
手を繋がれて、メル様の部屋を出た。
えっ!?この状態でルダン様に会うの!?俺は呆けたまま、メル様に引きずられて行く。
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