102 / 114
学園編
99.学園の教師視点
しおりを挟む
森全体に雪が降るようになった。それは朝も夜も関係無く降り続け、人が歩くのに困難な程積もる。
原因は、グリフとの遭遇で聖女様が魔法を使用したせいだと言う。しかし我が学園は、合同授業でグリフという高難易度の魔物など放すわけがない。
メル・ディゾルの線の細い付き人が体調不良になったくらいで、オーガスト様や聖女様に怪我無くて本当に良かった。
調査に来たディゾル家の一族は、淡々と調査し、グリフを回収して子諸共、帰っていった。私は、ディゾル公爵であるルダンという男を始めてみたが、二度と会いたくないと感じた。あの人を見下すような目を思い出すだけで、今でも身震いするほど恐ろしい。あれは化け物だ。
拳大の炎の魔石がこの雪を収めてくれるらしいが信じられない。確かにあの大きさの魔石は見たことがないが、雪を止めるなんて無理に決まってる。
「先生。また外見てないで、授業を行ってください」
「あぁ、申し訳ありません」
オーガスト様に注意されて、ようやく私は教科書を開き、書かれた文章を口にする。
何故か私は、あの雪が降ってからというもの、どうも気になって森がある方へ意識が向いてしまう。
あの雪は妙だ。確かにこの国では、雪が降るのは珍しい。数年に1度降るか降らないかという程度だが、見たことがないわけではない。しかし、普通の雪と何か違和感がある。
興味を引きつつも、嫌悪感をも覚えさせる雪。身を刺すような寒さを連れてくる雪。
それは自然の雪ではないことに対しての嫌悪なのか、それとも降らせた人物に対しての。いや、それはない。私が聖女様を嫌うわけ無い。
私は聖女様に好感を抱いている。
きっとそのせいで女神様に目をつけられ、それに対する防衛本能というものが働いて嫌悪感になったのだろう。きっとそうに違いない。
聖女様というものは、女神様に愛されていると聞くからな。あぁ、だからこそ雪を降らしているのか。氷の女神様からのけん制か。
いやはや、私のようなものが懸想するだけで敵視するとは女神様は嫉妬深いものだ。
私ではなくオーガスト様にこそ、嫉妬するべきなのではとは思うが、似合いの2人だ。きっと女神様もお認めになっておられるのだろう。
しかし、その2人を邪魔するあの女。メル、メル・ディゾル。そして、特に罪深く私を誘うようなあの黒髪の付き人。どうして女神様はあの2人を許しておられるのか。早く神の力で消してしまえば良いものを。しかし、女神様にも深い考えがおありなのだろう。私が考える事でも無いか。
原因は、グリフとの遭遇で聖女様が魔法を使用したせいだと言う。しかし我が学園は、合同授業でグリフという高難易度の魔物など放すわけがない。
メル・ディゾルの線の細い付き人が体調不良になったくらいで、オーガスト様や聖女様に怪我無くて本当に良かった。
調査に来たディゾル家の一族は、淡々と調査し、グリフを回収して子諸共、帰っていった。私は、ディゾル公爵であるルダンという男を始めてみたが、二度と会いたくないと感じた。あの人を見下すような目を思い出すだけで、今でも身震いするほど恐ろしい。あれは化け物だ。
拳大の炎の魔石がこの雪を収めてくれるらしいが信じられない。確かにあの大きさの魔石は見たことがないが、雪を止めるなんて無理に決まってる。
「先生。また外見てないで、授業を行ってください」
「あぁ、申し訳ありません」
オーガスト様に注意されて、ようやく私は教科書を開き、書かれた文章を口にする。
何故か私は、あの雪が降ってからというもの、どうも気になって森がある方へ意識が向いてしまう。
あの雪は妙だ。確かにこの国では、雪が降るのは珍しい。数年に1度降るか降らないかという程度だが、見たことがないわけではない。しかし、普通の雪と何か違和感がある。
興味を引きつつも、嫌悪感をも覚えさせる雪。身を刺すような寒さを連れてくる雪。
それは自然の雪ではないことに対しての嫌悪なのか、それとも降らせた人物に対しての。いや、それはない。私が聖女様を嫌うわけ無い。
私は聖女様に好感を抱いている。
きっとそのせいで女神様に目をつけられ、それに対する防衛本能というものが働いて嫌悪感になったのだろう。きっとそうに違いない。
聖女様というものは、女神様に愛されていると聞くからな。あぁ、だからこそ雪を降らしているのか。氷の女神様からのけん制か。
いやはや、私のようなものが懸想するだけで敵視するとは女神様は嫉妬深いものだ。
私ではなくオーガスト様にこそ、嫉妬するべきなのではとは思うが、似合いの2人だ。きっと女神様もお認めになっておられるのだろう。
しかし、その2人を邪魔するあの女。メル、メル・ディゾル。そして、特に罪深く私を誘うようなあの黒髪の付き人。どうして女神様はあの2人を許しておられるのか。早く神の力で消してしまえば良いものを。しかし、女神様にも深い考えがおありなのだろう。私が考える事でも無いか。
12
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる